「つまらなくはないが期待とは違ってた」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ snake666さんの映画レビュー(感想・評価)
つまらなくはないが期待とは違ってた
決してつまらなくはなかったが、見たかったジョーカーかと言うとだいぶ異なっていた。
レディガガ扮するハーレイクインとせっかくの共演なわけだから、思いっきり2人でゴッサムシティを暴れまわる様を見たかったのだが、残念ながらそれを堪能する事は出来なかった。
物語のラストにハーレイクインや刑務所内の囚人等がジョーカーに対して失望したように自分も同様にガッカリしたのはいなめない。
製作者サイドが本作のような暴動が現実に起きるのを恐れたのかは不明だが物語の結末は明らかにそうした事を助長する事のないような方向にもっていったのではと勘繰ってしまう。
逆に言えばあまりアメコミ感を出さない本シリーズの方向性としてはエンターテイメント性を出さずに、本作の演出やオチが正解と言えば正解なのだろうとは思うが…
よかった部分としては、レディガガの起用のしかたは最大限に生かされていた事だ。
彼女の演じるハーレイクインがマーゴットロビー版とは異なる独自のスタイルであったのには共感でき、とても良かった。
元々ミュージカル風にするつもりだったのかはさだかではないが、レディガガの歌唱力や表現力を最大限に生かされていた部分は見応えありだった。彼女の歌に関して言えば「アリー/スター誕生」よりも胸にささる程だった。
そんなミュージカル演出と対をなす法廷ドラマもそれなりに見応えはあった。
ただ全体的に重厚なドラマ路線であったがゆえにどんよりとした流れがわりと長めに続くのは若干のテンポの悪さを感じずにはいられなかった。
ゆえに続編というよりは前作を深掘りした番外編という印象が強く、正直これなら前作のみでも良かったかなと思わずにはいられなかった。
改めて前作は非常に良く出来た名作であったと再確認させられた。