「監督の落とし前」ジョーカー フォリ・ア・ドゥ Lhowonさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の落とし前
先週のシビル・ウォーは楽しくないロードムービー。
今週は、ちっとも楽しくないミュージカル。
前作は、the rest of usの映画でした。
自分がthe restを思った人たちに、共鳴し、世界的に悲惨な事件が起こりました。
その後はさらに歪んだ自称the restな人たちが現れて、一部から熱狂的に支持されたりしています。言うまでもなく、MAGAな人が代表です。我が国でも、真面目にNPOを運営している人を口撃したり、立場の弱い人を排斥したりして喝采を浴び、クラファンで多額の資金を集めてしまったりしています。監督の望んだのはそこじゃなかったんです。
大事なのは愛。愛されなくても、汝の隣人を愛すること。
肥大した承認欲求が満たされても、「誰とも付き合ったことがない、おそらく童貞」は哀れ。そのうち飽きられて、別の誰かに取って代わられ、忘れられてしまう。一番最後の場面で、アーサーの後ろで何が起こっているかよく見ればわかります。
さて、レディーガガはスター誕生は見ているわけですが、歌唱が素晴らしかったです。ボソッと歌い出すだけで、すごく説得力があります。すでに、「ハーレクイン」というアルバムが配信されていますが、ボソッと歌ったアカペラバージョンもリリースして欲しいくらいです。フォアキンもなかなかでした。大体主演の二人の心情は歌詞の通りなので、字幕をちゃんと読みましょう。
アメリカでも賛否分かれているようですが、トッド・フィリップスの「ジョーカー」を正しく理解するには、2本ども鑑賞することが必要です。万人受けはしないと思いますが、素晴らしい出来だと思います。
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