ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い : 特集
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作
実際にファンが観たら…「あれもこれも登場!?こんなに
“繋がってる”なんて大興奮・大満足」 なぜ新作はアニ
メに? 疑問を覆す【映画館で体感すべき理由を解説】
巨匠ピーター・ジャクソンが製作総指揮を務める“3部作直系・正真正銘の最新作”「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」が、12月27日から公開。このニュースを知った時、心の中でガッツポーズをした。ファンタジー映画の金字塔、大好きなあの「LotR」の新作が、大きなスクリーンで観られるなんて……。
でも、どうして実写じゃなくアニメなのか。最初は不思議だった。しかし鑑賞後の今、「LotR」ファンである筆者が思うことは――
初めて1作目「ロード・オブ・ザ・リング」を観たときのように、なかなか興奮が収まらず、もっともっと、たくさんの人々にこの思いを伝えなければと使命感に駆られている。
この特集では、ファン目線で最新作「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」がもっと観たくなる理由を紹介。「LotR」との「あっ」と驚くつながりや、良い意味で狂気的なこだわりなど、本作がより楽しみになる情報をお届けする。
1作目が公開されたのは、今から22年前。この冬はみんなで再び「LotR」の世界に旅立とう!
一番、大事なこと…LotRファンが観たらどうだった?
結論からお伝えします。予想以上に大満足で最高でした
改めて声を大にして繰り返すが、本作「ローハンの戦い」は「LotR」ファンが観ても超大満足! 早口にならないよう気を付けながら、ここでは鑑賞後の感情を綴っていきつつ、記事後半では「ファンが必見である具体的な理由」と「アニメで描く必然性」を詳しく語っていく。
●あのアイテムにあの人も 「LotR」とのつながりがてんこ盛りで気分がアガる!舞台となるのは、「LotR」3部作より200年前の中つ国。誇り高き騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王に護られてきたが、突然の攻撃を受け平和は崩れ去ってしまう。王国の運命を託された若き王女ヘラは国民の未来を守るべく、かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフとの戦いに身を投じていく……。
何としてもお伝えしたいのが、「LotR」3部作を彷彿させるシーンや要素がとことん多い! 鑑賞中ずっと、3部作との共通点を見つけて「はっ!これは!」「あっ!これもだ!」とテンションが爆上がりする瞬間ばかり。筆者が発見し、ニヤニヤしてしまった一例を紹介する。
・「LotR」3部作とまったく同じ構図、ショットなどが多数! 馬と駆けるヘラを捉えた“カメラアングル”や、ローハンの町並みや大ワシと心を通わせるシーンなど、1秒毎にテンションがアガる!
・“上からの命令”で指輪を集めるオークたちが登場 しかもその声優を、「LotR」3部作でピピンとメリーを演じたビリー・ボイド、ドミニク・モナハンが担当していてアツい!
・なんとサルマンも登場! そして“あの人”の存在も…エンドロールで声優の名前を見てウルっときた
上記は本当に、本当にごく一部で、とてつもなく嬉しさがこみ上げてくるポイントが他にも盛りだくさん。「LotR」ファンが観に行けば、興奮や感動を通り越した「忘れられない1日」になるかもしれない!
●なぜ実写じゃなくアニメで? 疑問に思っているファンほど味わってほしい、“アニメで観られてよかった”という感情
今も実写シリーズの新作を心待ちにしている「LotR」ファンは多く、筆者もその一人。フロド役のイライジャ・ウッドや、レゴラス役のオーランド・ブルームに夢中になった経験から、どうしても実写ならではの俳優陣の演技や、迫力の映像を期待してしまう。
しかし本作は、「なぜ実写じゃなくてアニメ?」という疑問を軽くふっとばす力に満ちている。アニメーションだからこそ、「LotR」の世界を100%……いや、120%完全に表現しており、“没入感”が半端ではないのだ。
その“魔力”は予告編でもきっと直感できるはず。製作陣による「『LotR』サーガで新しい“挑戦”をやってやるんだ!」という覚悟も胸を熱くさせる。本当に見事な作品すぎて、鑑賞後には「アニメーションで観られてよかった」と、しみじみ痛感するほどだった――。
さらに言えば、必見だと考える理由がまだまだある! その詳細を、次の項目で語っていこう。
【知れば鑑賞不可避】全ファン必見の2つの理由を解説
この物語の何が重要か? 本作の何が特別なのか?
すべての「LotR」ファン必見だと考える理由のひとつは、物語が極めて重要な“伝説”を描いているからだ。
【全ファン必見の理由①】この物語は極めて重要…それはなぜ? 原作「指輪物語」には、未だ語られていない“知られざる物語”があった…本作はファンからアツい人気を誇る小説「指輪物語 追補編」を原作とし、最強を誇る王“ヘルム”が君臨する騎士の国“ローハン”を舞台に描く。ヘルムという名に聞き覚えはないだろうか? “ヘルム峡谷”――映画「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」に登場し、サルマンの軍勢と、ローハン軍、ガンダルフ&アラゴルン&ギムリ&レゴラスが戦った最重要決戦地――なぜこの呼び名となったのか、壮絶なドラマが明らかになるのだ。
さらに本作は、ファンも知らなかった「LotR」の新たな世界を余すところなく描きつくす。原作小説「指輪物語 追補編」では、「ヘルム王には3人の子どもがいて、その末っ子は娘」という記述があるが、娘の名前は記されてない。しかし本作「ローハンの戦い」では、この娘を“ヘラ”と名付け、壮絶な宿命を背負うフロドと重なる設定を付与。原作にも、かつての3部作にも存在しなかった魅力的な“オリジナルキャラクター”を誕生させたのだ。
ローハンの人々は平和に暮らしていたが、ある日突然攻撃を受け、崩壊していく……。最初は戸惑っていたヘラだが、やがて国民の未来を守るべく王国の危機に立ち向かい、かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフとの戦いに身を投じていく。
生涯をともにする運命だった幼なじみと決裂し、命をかけて剣を交えることに――ヘラの苦悩と成長や、ウルフがローハンを襲う複雑な事情。ヘルム峡谷と名付けられた背景のドラマが絡み合い、ファンは抵抗できずに、どんどん物語へ引き込まれていく――。
【全ファン必見の理由②】このスタッフ陣、期待が上がらないわけがない! あのピーター・ジャクソンも参加!オリジナルスタッフ、巨匠たちが完全バックアップで“挑戦”した特別な作品
参加スタッフの名をみてほしい。超一流やレジェンドがずらりと並んでおり、実写版で監督を務めたピーター・ジャクソン(めちゃめちゃ信頼と安心の人!)が製作総指揮を務めるほか、「ロード・オブ・ザ・リング」のオリジナルスタッフら、さらに「LotR」を手掛けたVFXプロダクションのスタジオ「WETAデジタル」が全面協力でバックアップ! この陣容が実現しただけでも、ついお金を払いたくなるほど嬉しい……!
「ザラザラと大地を感じるような、ひるむことのないストーリーテリング」(製作のフィリッパ・ボウエン談)という言葉にも象徴される通り、本作は特別な面々が、特別に魂をこめた、特別な一作だ。
通常版のほか、ラージフォーマットのDolby Cinema®、4DX、MX4D、IMAX®でも上映されるので、ファンであればあるほど、絶対に、大迫力の映像を最大限に体感できる劇場で鑑賞するのがおすすめだ。
予告編とあわせて以下のスペシャルフッテージ映像も観れば、より本作への理解が深まるので、できれば事前に予習しておいてほしい。圧倒的な作画、映像美、日本語吹き替え版(声優陣が上手すぎる…!)への期待値もぐんと上がるはずだ。
【「LotR」をアニメで描く必然性とは?】なぜ実写では
なかった? 狂気的なこだわりに、魂が震えるはず――
本作は実写ではなくアニメで描かれており、しかもアメリカのスタジオではなく、日本のスタジオが製作している点が、事件的な出来事である。本記事の最後は、アニメで描いた必然性について。知れば納得する確かな理由があった。
【知れば納得①】アニメという手法を選んだ理由は「新たな“中つ国”を創造したい」―― そして、日本アニメを牽引する神山健治が指名されたワケとは?ピーター・ジャクソンらが、に新たな〈中つ国〉の創造に挑んだ本作。なぜアニメなのか? それは、3部作のレジェンドたちが、実写ではない新たな「LotR」の可能性を、気が遠くなるほど試行錯誤した結果、アニメがふさわしいと結論づけたからだ。
そして、なぜ日本なのか? 「LotR」公開から時が経ち、さまざまな作品で驚異的な映像にも慣れてきたシリーズファンに衝撃を届けるには、世界トップクラスの技術とビジョンを持つ日本のアニメーションがベストだと考えたからだ。
監督には「東のエデン」「攻殻機動隊S.A.C.」などで知られ、日本国内はもちろん、海外でも尋常でない評価を受ける神山健治が選ばれた。
そして通常、ハリウッドメジャーの作品は、製作拠点はアメリカやイギリスのスタジオに置くものだが、本作はなんと日本を中心に製作され、MAPPAなどのトップクリエイターら豪華スタッフが集結……これだけでも「観たい!」と前のめりになるくらい、あまりに魅力的なオールスタースタッフ、歴代最強級の布陣が実現し、ド肝を抜くクオリティの「LotR」を具現化したのだ。
製作のフィリッパ・ボウエンが「この物語を任せられるのは神山健治監督だと思った」と証言するなど、スタッフ陣がこだわりや本作への熱い思いを語る以下の特別映像もチェックしてほしい。
【知れば納得②】そして製作開始。 すべて手描き、1カットに3カ月…“狂気的”なこだわりで具現化された「ロード・オブ・ザ・リング」の世界に、魂が震えてたまらない
実は本作、CGではなく、あえて“手書き”という手法が選ばれた。日本の技術に絶大な信頼が寄せられた結果だが、神山監督はすべて自分で絵コンテを描いており、製作過程のこだわりがハチャメチャに狂気的(もちろん、かなりいい意味で)。
まずはモーションキャプチャーのアクターに演じてもらい、続いて3Dのキャラクターに置き換えて、さらにそれをベースに手描きアニメに起こしていった。神山監督いわく「3本の映画をつくったようなもの」だそうで、作業量のすさまじさは想像を絶する。
カット数は当初1700カットまで仕上げ、1300カットまで編集。通常の映画は2時間尺で700~1000カットが平均なので、カット数の多さがまず驚異的だ。しかも1カットに約3カ月がかかっており、世界トップレベルの才能たちが持てるすべてのスキルと時間を費やし、細部までこだわり尽くして本作を完成させた。
特に冒頭に登場する荒野の遠景は、「開始直後はアニメじゃなくて実写なのか」と自然と勘違いしてしまうほどの超絶作画。雪が降るシーンでは「これはさすがに実写か!?」と目を疑うなど、あまりにも凄まじいクオリティだったので、瞬きするのが惜しくなった。
試写を訪れたアニメ系メディアからも「今年1番」「期待以上、とんでもなく良かった」「日本語吹き替え版も素晴らしい」など、絶賛の声が上がっている。
【まとめ】やっぱり全「LotR」ファン&アニメファンは絶対に劇場で観て!
シリーズファンなら絶対に見届けたい物語を作り上げた、スタッフ陣の狂気的なこだわりと熱意。すべてが完璧に組み合わさり、「これを待っていた!」と大興奮する新たな「LotR」の世界が創造された。
「LotR」ファンなら、そして映画&アニメファンなら、絶対に劇場で鑑賞してほしい。初めて「LotR」を鑑賞した日のような、心躍る映画体験が待っているから。