ミッキー17のレビュー・感想・評価
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今回も“社会の階級”を表す縮図のような構造
「あのパラサイトのポン・ジュノ監督最新作!」みたいな触れ込みが大きく出ていたので、最初は韓国映画なのかと思っていたけど、普通にSFの洋画って感じ。それが良くも悪くもフレッシュさがなく、フラットに楽しめた印象。
とはいえ、今回も“社会の階級”を表す縮図のような構造がしっかり舞台になっていた。
人体を3Dプリントできるようになったけど、倫理的にグレーだから法的には禁止、という設定もリアルで、「まじで近い未来にありそう…」と思ってしまった。
序盤は設定の説明が多くてちょっと受動的に観てたけど、中盤で起こる“物語のコア”にあたる出来事からは一気に先が読めなくなって、そこからはしっかり没頭。
ラストも後味よくまとまっていて、見終わった後に「観てよかったな」と思える作品だった。
私にはお暇な方はどうぞと言う映画だった。
今年のアカデミー受賞作品「アノーラ」が、上映打ち切り間近だと感じて映画館に駆けつけたが、数分間合わず仕方なくこの映画を観た。
しかし、アカデミー受賞作品なのに、上映打ち切りを匂わせていることは、面白くないことの証ではないかと疑ってしまう。まぁ、近々鑑賞してみて確かめてみよう。
この映画を選んだのは、高レビューが多いからであった。が、映画が始まってみると、早々に映画館から退出したくなった。私には高評価される方の気持ちが分らない。特段、新しい視点はないし、要は人間モルモットの物語で、人間の生・死に関する深みはない。まあ、娯楽映画なのだろう。
暇な方に勧めますが、私には映画料金を返して欲しいと言わせる映画だった。
韓国人監督がアメリカでナウシカ実写版製作❓️🇰🇷🇺🇸🪲👩
パラサイト半地下の家族でアカデミー賞獲った監督の作品。パラサイトは1度だけ観て確かに面白かったけどまさかアカデミー賞撮るとはビックリした思い出。Twitterでは「同じアジア人として誇らしい」とか意見あってイヤイヤそこ乗っからなくてよくない?日本映画頑張ろうよ!って思ったの覚えてる。今回はどんな作品か気になり観に行ったらなんともレビューし難い作品だった😯事前にレビューでナウシカって感想見たので何のこと?と思ったらガチでナウシカのパクりだった!!宮崎駿さん怒って良いと思う。私はジブリ作品大好きで1番好きなのは魔女宅🧙←ナウシカじゃないんか〜い!!途中私の脳内にはナウシカの声ランラララランランランが流れ「ひどいよね。許してなんて言えないよね」ってナウシカの声も聞こえてきた。敢えてジブリファンには1度観て欲しい作品かも。
なんとも形容しがたい面白さ!
ほんと変な映画なんですけどね。
見終わった後に、得体の知れない巨大な感動が残りました!笑
途中まで、というかかなり後半まで、すっごい微妙だなーと思ってたんですよ。
ポン・ジュノ監督だからっていつも面白いわけじゃないんだな、なんて思ってて。
完成度はさすがだと思うんだけど、バランスが変というか、これどういう感情で見ればいいんだ?って感じで。
それが後半、思いもよらない方向性に話が進んでいくあたりから、その微妙な感じはそのままに、何故かわからんがどんどん面白くなっていって。
最終的には圧倒されて、やっぱポン・ジュノすげー!と呟きながら茫然とエンドロールを眺めていました。
これ宣伝難しいだろうなー!
ネタバレせずにこの面白さを伝えるのは不可能に近い。
いやネタバレしたって無理か笑
でも多くの人に見てほしい!
面白さを伝えたいのだけど、伝えるのが難しすぎて身悶えしてしまうタイプの映画です笑
前半は微妙すぎて、でもその理由が自分の中でうまく説明できなくて、この微妙さを誰かうまく言語化してほしい!と思ってたけど、後半はそれがそのまま反転して、この微妙さのままなんでこんなに面白くなるのか誰か言語化してほしい!という願望に変わりました。
これ適切に批評できる人いるんだろうか??
パンフレットも買っちゃったんだけど、、あのキモカワ生物の写真がちょっとしか載ってなくて、そこはおおいに不満!!笑
ちょっと期待しすぎてしまいました
主人公が二人になって周りに隠しながら何か計画を練って工作していくものと思ったので
富裕層も"半地下"の時の様に もう少し自然に階層に対する無自覚さを描いて欲しかったです
クローンが全く同じ性格でないのは 誰しもの中にあるいくつもの一面なのかなと思いました
同じ経験をして同じ記憶があっても 性格や行動は違ってきて。そしてそれらは全部自分で
主人公が彼女と二人きりになりたがってましたが、本当は少し違う自分と時間を作ることの方が大切そうにみえました
17は理不尽な状況も母親を殺した罰だと受けいれていますが、18にあれは関係ないと言わせます。自分で上手くいってない人生に母親の死を使っていた自覚があったということなんですよね
私も人生が上手くいってない時親を使わない様に気をつけねば
SFでお馴染みの不味い保存食は、今回は劣悪な支配層の象徴として描かれていました
主人公17は周りの信者達とは違う意味で脳死していて。18は望まない者は何も得られない事を教える存在でした。そして一番大事にしなきゃいけない良心である17を最後18は選びます。もしかしたらクローン以上に他人の政治家の中に自分を見てしまったのかもしれません。
全て大きさ以外クローンの様なクリーパー達と同様に人間も興味をもたない限りみんな一緒で個体差なんかないんだろうなと少し冷めた映画でした
悪趣味の極み
137分と確かに短くはない映画ですが、最初から最後まで観ているのが苦痛でした。悪趣味な登場人物、悪趣味な設定、悪趣味なシーン、悪趣味なセリフ...のオンパレード。
「パラサイト」以来のポン・ジュノ作品でした。前作もお世辞にも趣味がいいとは言えないシーンが連続する個性的な映画でした。オリジナリティがあるな〜、と確かに楽しんで観た記憶がありますが、年間最優秀映画か?の疑問はあったような。
今作では確信しました。この人と自分はユーモアや美しい、楽しいと感じるセンスが全く合わない、と。
映画がツマラナイとか、キライと思う時に、多くの場合は脚本が下手だとか、プロットのつじつまが合ってないとか、演技が下手すぎるとか、作り手のクオリティが物足りない場合や完成度が低い場合が多いと思うのです。しかし本作はシッカリ高いクオリティで作られているのに、(自分にとって)面白くない。本当に映画(映像)としての出来や演技は素晴らしいと思うんです。ヘタクソなトコロは全くない
つまり、監督が面白いと思っているらしいことやテーマに、まったく興味が持てない、ということだと思います。
ドラマの舞台は、ある意味カルト的な偏った価値観、世界感に支配された密室的な世界で、登場人物は、全員が漏れなく品性下劣で一つも救いがない。誰一人感情移入できるキャラクターが登場しない。
それはそういう設定を選んだ、というだけであって良しとするとしても、そういう世界が成立する必然性が説得力を持って描かれていないし、対立軸の提示もない。
多分、監督は独特のブラックユーモアを以て、そういう世界(ディストピア)があったらどうなるのか?のストーリーを描いたのだと思いますが、それのどこが面白いの?という感じです。
ラストは、ある意味、救いのある感じでまとめられているんですが、そこに実はポジティブ要素が一つも感じられない。恐らくそこも含めて彼のユーモアの範疇なんでしょうが、ぜんぜん納得(理解)できないんですよね~
設定を褒めたい
予告編を観て「お、ちょっと面白そう」と感じた程度、大きな期待は抱いていなかったのでIMAXで観る気なんて全然なかったが、上映時間の都合で仕方なくIMAXで観賞することに。
ところがチケットを買おうとして驚いた。IMAX料金+500円と思っていたのに+700円!
「なにい!」と思ったが、今週からユナイテッドシネマはIMAX料金を200円上げていたのでした。 ショック! 今まで500円差なら1~2時間待つよりIMAXで大画面⁺迫力音響を楽しもうというのが、時々有ったのだけど、700円差は大きいなあ・・・
ちなみに、本作は特別な事情が無い限り通常スクリーンで十分です!
【物語】
舞台は約30年後の世界。ミッキー(ロバート・パティンソン)は、無謀にも多額の借金をして事業を起こしたが、見事に失敗。取り返せない金額の借金が残り、非道な貸主に命を狙われる。
生き残る手段は地球から逃げ出すしかないと、地球外植民地への入植者募集に応募する。超高倍率の狭き門だったが、何も知らないままExpendableとして契約を結ぶことで地球脱出に成功する。Expendableとは死んでもDNA等の情報から記憶を含めて生体再生するという最先端技術を活用し、人間にさせられないような危険な作業を任務とする。
4年にも亘る宇宙航海の後、遂にある惑星に辿り着く。ミッキーは宇宙空間移動中から様々なモルモット的試験に供され、新惑星でも数々の危険な環境探査を遂行。 既に16回死んで16回生き返り、ミッキー17になっていた。あるとき氷原で誤ってクレバスに滑落したミッキーはその惑星の先住民たる巨大生物に襲われる。
それを見た仲間は早々にミッキーは死んだと諦めて宇宙船に帰り、残してあるデータからミッキー18を生成する。ところがそこへ、命拾いしたミッキー17が帰って来る。2人は顔を合わせて驚愕する。 同一人物を同時に2体存在させてはいけないという、絶対的ルールが有り、バレれば2人とも抹殺されてしまうからだ。ミッキー17はなんとか2人共存することを考えるが・・・
【感想】
発想が凄く面白い。
そんな技術が発明されれば、街中再生人間で溢れかえるだろうが、再生人間はミッキー一人だけ、という理屈を無理やりひねり出したところも上手い。ミッキーだけだから面白い。
このSF的設定が肝なのだけど、全編に漂う空気はSFというよりはコメディーだ。ミッキーは憎めないダメ人間なのだが、周囲の人間もあまりまともな奴はおらず、皆どこか変だ。。だからミッキーを中心としたやり取りが可笑しい。
一方で、命の使い捨てのもの悲しさを味わい、それによって生きる喜びを改めて感じられる作品とも言える。
まあ、小難しいことは考えずにお気楽に楽しんでいい作品だと思う。
ポンジュノ味
ポン・ジュノ監督のモンスター愛が炸裂
【イントロダクション】
近未来を舞台に、宇宙の植民星計画に志願した若者が、人体複製技術によって何度殉職しても新しく生まれ変わる様を描いたブラック・コメディ。
監督・脚本に『パラサイト/半地下の家族』(2019)で第92回アカデミー賞・作品賞、監督賞をはじめ4部門受賞の快挙を成し遂げた韓国映画界の巨匠、ポン・ジュノ監督。原作はエドワード・アシュトンによる『ミッキー7』。
主演に『THE BATMANーザ・バットマンー』(2022)、『TENET テネット』(2020)のロバート・パティンソン。共演にMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でハルクを演じるマーク・ラファロ。
【ストーリー】
舞台は2054年。ミッキー・バーンズ(ロバート・パティンソン)は未開の惑星“ニヴルヘイム”の氷河の亀裂の下で目を覚ます。落下して即死するはずだった彼だが、奇跡的に一命を取り留めていたのだ。地球からの友人であるティモ(スティーヴン・ユアン)は、ミッキーが携帯していた火炎放射器を回収すると、彼をその場に置き去りにする。
「お前は死んでも生き返るだろ。死ぬのってどんな感じだ?」
数年前、ミッキーはティモの口車に乗り、地球で悪質な高利貸しのダリウス・ブランクから借金をしてマカロン店の事業を始めるも、すぐに経営破綻していた。借金返済の目処が立たず、ダリウスから命を狙われる状況から脱出する為、ミッキーは政治家ケネス・マーシャル(マーク・ラファロ)が主導する宇宙開発計画の乗組員に志願する。
しかし、事前に募集書類をよく読まなかったミッキーの志願した先は、“エクスペンダブル(使い捨て要員)”だった。それは、人体の複製装置によって事前に身体情報や記憶のバックアップを取られ、任務中に死亡した場合、記憶を引き継いで“新しい自分が複製(プリンティング)される”というものだった。
そこからのミッキーは、宇宙船の修理だと騙されて宇宙空間の放射線量調査に駆り出されたり、未開の惑星での細菌感染リスク確認とワクチン開発のモルモットにされたりと、散々な目に遭ってきた。そして、現在存在しているのは17代目のミッキー、“ミッキー17”である。
しかし、ミッキーには宇宙船で出逢った恋人のナーシャ(ナオミ・アッキー)がおり、彼女と過ごす日々が支えとなっていた。
ワクチン開発に成功し、仲間達と共に惑星探索を開始したミッキーは、氷河の下にある空洞で、未知の生物“クリーパー”の襲撃を受ける。銃で応戦する中、仲間の1人であるレッド・ヘアーが氷塊の下敷きになって死亡してしまう。使い捨てでありながら、仲間を犠牲に生還したミッキーをマーシャルは叱りつけ、単独でのクリーパー捕獲を命じる。
再び調査に乗り出したミッキーは、冒頭の氷河の亀裂の下に落下し、クリーパーの中でも一際大きな“クイーンクリーパー”に襲われると思い、死を覚悟した。しかし、クリーパー達はミッキーを担ぎ上げ、氷河の上へと連れて行き送り出したのだ。
再び生還したミッキーは、ふらつく足取りで宇宙船へと帰還し、自室のベッドに倒れ込む。すると、隣にはミッキーの死を確信してリプリントされていた別のミッキーが眠っていた。
かつて、地球で複製技術を悪用し、連続殺人のアリバイ工作の為、同じ人間が複数存在するという事件があった。以降、同じ人間が2人以上存在する事は御法度とされ、最悪の場合全員が殺処分されてしまう。
心の優しいミッキー17に対して、新しく複製されたミッキー18は気性が荒く、反骨精神の強い存在だった。これまでも、代によって泣き虫のミッキーが居たり、知能レベルが低いミッキーが居たりしたが、ミッキー18はその中でも極めて異質だった。
ミッキー18は、自分が殺処分されるのを恐れ、ミッキー17を容赦なく溶鉱炉に突き落として始末しようとする。
しかし、ミッキー17は「協力しよう!これからは食事も半分だが、仕事も半分だ。奇数の僕は奇数の代の、偶数の君は偶数の代にリプリントされれば良い!」
偶然によって、2人に増えたミッキー。やがて彼らはマーシャル達権力者による搾取構造に反旗を翻すことになる。
【感想】
私は、『半地下の家族』をその年のベスト映画に選ぶくらい、監督の前作が大好きであり、未見だがこれまでのキャリアにおいて『グエムル-漢江の怪物-』(2006)でモンスター・パニック、『スノーピアサー』(2013)で権力への反逆を描いてきたポン監督が、これまでの集大成とも言える題材を監督すると知って、本作の公開を心待ちにしてきた。
実際に本作を鑑賞してみて、私が抱いた率直な感想は「なろう小説みたい」だった。
設定からキャラクター描写に至るまで、あらゆる要素が実に日本のライトノベル的な印象を受けるものだった。
特に、ナーシャがミッキーに惹かれる要素が全く描写されておらず(ミッキーが惹かれるのは分かるが)、『出会って4秒で合体』レベルの出会って即SEXというのはどうなのだろうか?ライトノベルどころか、エロ漫画の展開である。
ましてや、ミッキーと違いナーシャは宇宙船の警備官であり、所謂イケてる女子である。そんな彼女が、何の取り柄もないミッキーを選ぶ理由が理解出来ないのだ(最近、半年間片思いしていた女性にフラれたので、余計に魅力のない人間が選ばれる展開に嫌悪感があります。ご了承ください)。
キャラクター描写も、皆どれも日本の漫画・アニメ的な“取ってつけた感”が強く、そうした“作り物感”が作品への没入感を阻害していた。
特に、ヴィランにあたるマーシャル夫妻が、ブラックコメディとはいえあまりにも幼稚で愚かしく、「何でこれで政治家(2回落選しているとはいえ)や植民星計画の主導者になれたの?」という印象が強かった。その為、ミッキー達が反旗を翻すクライマックスの展開、特にミッキー18がマーシャルを殴りつけるシーンにカタルシスが感じられなかった。
搾取構造をより際立たせる意味でも、彼らはもっと恐怖心を与える、観客の怒りを蓄積させる悪辣さがあっても良かったと思う。
最も問題あるキャラクターは、カイ・キャッツだ。知らなかったとはいえ、ベイビークリーパーを警備官らと共に銃殺し、ラストで亡くなったはずのレッド・ヘアーをちゃっかりとリプリント(ミッキーのように奇跡的に助かっていた可能性はあるが、そうした描写は皆無)して幸せそうにしている様子には、「どうせ複製装置を爆破するなら、破壊する前に死んだ恋人作っちゃえ」的なノリの軽さ、「ハッピーエンドだから良いよね?」的な製作側のノリの軽さが感じられ、嫌悪感を覚えた。
「何だ!?別れる前にもう一回ヤッとけ的なアレか!?(俺、フラれたばっか!あと童貞!)」と思わずにはいられなかった。
但し、演じたアナマリア・ヴァルトロメイは美しく魅力的な女優だと思った。
そんな本作において、最も愛すべきキャラクターは、クリーパーだろう。特に、ベイビークリーパーの可愛さは格別。まるで『風の谷のナウシカ』(1984)の王蟲(オーム)のような見た目をしており、高い知能を持ち、翻訳機による意思疎通も可能。種は母親であるクイーンクリーパーを頂点に、成獣のジュニアクリーパー、産まれて間もないベイビークリーパーで構成されている。
監督曰く、様々な作品から着想を得ており(勿論、日本のアニメ作品からの影響も)、その発端はクロワッサンとのこと。
ともすれば、監督は彼女らを描く事こそが、本作を手掛けた最大の目的だったのではないかと思える。そのモンスター描写への情熱は、まるでギレルモ・デル・トロ監督作品を観ているかのような感覚だった。
ロバート・パティンソンの熱演は素晴らしく、特に心優しいミッキー17と気性の荒いミッキー18の演じ分け、表情や仕草の違いは本作の白眉。
マーク・ラファロによるケネス・マーシャルのボンクラぶりも、彼がMCUでブルース・バナーという優秀な科学者を演じており、そちらのイメージが強く擦り込まれているからこそのギャップはある。
また、監督は『半地下の家族』でも、ラストで観客へのメッセージを発信していたが、本作でもラストのミッキーの台詞にそれが表れている。
「幸せになっても良いんだ」
それは、搾取構造で成り立つ現代社会を生きる我々に向けた、希望ある真っ当なメッセージだろう。しかし、このメッセージをより一層引き立たせる意味でも、やはりマーシャル夫妻の搾取はより悪辣的、現実的な恐怖心を想起させるものにすべきだったように思う。
【考察】
本作最大の魅力は、複製されたミッキーの代毎の特性の違いについてだ。
好戦的で気性の荒いミッキー18(ナーシャの言葉を借りるなら“ハバネロ・ミッキー”)は、特に他のミッキーとの違いが顕著で、突然変異とも呼べる存在だった。
これまでにも、泣き虫のミッキーが居たり、知能レベルが低いミッキーが居たりというのは、まるでミッキー・バーンズという個人の持つ様々な感情を切り取り、誇張したかのよう。
では、何故ミッキー18があそこまで好戦的な性格なのか。ミッキーは、死亡する毎に記憶を引き継いでリプリントされる。つまり、これまでのミッキーが抱えていたであろう、理不尽に対する怒りや、権力による搾取構造への反骨心が彼の中には無意識のうちに蓄積されていたはずで、その結晶があのミッキー18なのではないかと思った。
【総評】
人体複製というSF設定、クリーパーという魅力的なモンスターの存在から、SFモンスター映画としての魅力は持っている。しかし、予告編でも強調されていた「搾取への抵抗」、キャッチコピーの「逆襲エンターテイメント」としての側面は弱く感じられた。
また、やはりライトノベル的な印象は常について回るので、前作のような名作を期待する事なく、軽い気持ちで適度にライドしながら鑑賞するのがベストなのだろう。
あっという間だったなー。
楽しめるナンセンスSF
死んだことないから分からないが、痛そうだし苦しそうでヤだ
ポン・ジュノ監督のセンスとユーモアに脱帽
最近は予告編詐欺も多く
いい意味でも悪い意味でも
予告編でイメージしていたのと全然違った、という作品が多いですが、
本作は予告編で描いたイメージ通り。
そして期待値を大きく上回って来ました。
脚本、演出、キャスト、衣装や美術などのデザイン
どれも監督のこだわりが感じられ全シーンニヤッとさせられます。
非常に丁寧に作られた作品だと思いました。
中だるみするところがまったくなかったなぁ。
大筋のストーリーはシリアスなのですが
コミカルな演技と演出で、感情移入しやすくなっている。
この演出は監督の持ち味ですね。
主演のロバート・パティンソン
バットマンのあの暗い印象が強かったので
こんなに愛嬌のある役も似合うとは、さらに驚き。
★4となっていますが、リアル採点は3.8です。
地味なSF映画
社会派SF
移住計画を成功させるために
何度も死んで生き返る男の話。
面白そうな設定と
主演と監督のネームバリューで
観ずにはいられませんでした。
植民地、先住民へ行ってきた人間の黒歴史を
惑星探索になぞらえて描いてました。
あとは監督ならではの欧米人への偏見みたいなのも
なんかちらついてた気もします。
テーマは分かりやすくてよかったです。
ただ個人的には、何度も生き返るという設定が
うまく活かせてなかったような気がします。
序盤のわくわく感が終盤に行くにつれて
どんどんなくなっていったのが残念です。
ストーリーも単純と言えば単純。意外と王道。
とは言え俳優陣がとても良かったです。
まず、今までクール系のイメージしかなかった
ロバートのおちゃめでドジな役が新鮮。
ラファロ、スティーブのクソ野郎っぷりは最高。
カイ役の人、あまり知らないですがかわいい。
ということでキャラはみんな尖ってるのも
今作の魅力だと思います。普通の人がいない笑
トンデモSF、の体をとって 何重にも人間の本質やあり方 テクノロジ...
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