ミッキー17のレビュー・感想・評価
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近未来最大の労働搾取!?借金に追われた人生どん底の男の末路
ハワイからの帰りの飛行機の中で試聴した映画の1つ。
映画『パラサイト』のポン・ジュノ監督の作品だと知って、面白そうだと思い選択。
実際、とても興味深くて面白かったです!
キーワードは、「Expendable(使い捨て)」。
借金してマカロン屋さんをオープンしようとしたが失敗し、
借金取りに追われるようになった主人公ミッキー。地の果てまで追いかけられ、その先には死しかないことを悟り、地球を離れる決断を。
そこで、「Expendable(使い捨て)」という過酷な労働をしながら未惑星に向かうという話です。
シャトルの中には複合機があり、その複合機を使えば体も記憶も保存された状態で人間が再生されます。
それをいいことに、未惑星に向かう中で、疫病対策のワクチン開発のための人体実験に使われたり、宇宙空間の測定に使われたり、何度死んでも再生できるので、実験台として重要な任務を任されます。
何度も実験され、その度に名前と共に番号が振られ、
ミッキー1、ミッキー2、ミッキー3、、、そして、今回の主人公は、ミッキー17です。
この映画を考えた人の独創的な発想がすごいなと思いました。
そんな中、本来は亡くなってから新しい次の体が再生されるにも関わらず、
亡くなる前に次の体を作ってしまったことから、ミッキー17とミッキー18が出会ってしまう、という。
面白い展開ですね!
倫理的に問題になること間違いなしの複合機。
地球では実現するのは難しいから宇宙でやってしまおうという。
それに対して新たな形で労働搾取される人が出てくることや、でもそのことが他の人間を救うことにつながる社会貢献になっていること。
政治権力を使って悪用しようとする人が出てきたり、それを取り締まる委員会があったり。
何が正しくて何が正しくないか、ではなく、こういう世界が近未来で実現するかもしれないという少しのリアルさが、この映画をより面白いものにしてくれます。
どんどんミッキー17に感情移入していくので、ぜひ楽しんでご覧ください。
ポンジュノのハリウッド作品では良き
個人的にはポンジュノと言えば「半地下」では無く「殺人の追憶」です
この映画で韓国のサスペンス映画の良さに気付かされました
「スノーピアサー」みたいにならなければイイなと思いながら見に行きました
宇宙空間での過酷な作業用に死んだらクローンが引き継ぐ仕事を説明書を見ずに契約してしまったミッキーの話し
17体目であるミッキー17が死にかけるところから始まり、これまでの回想に入ります
回想シーンが終わりそこで初めて「ミッキー17」のタイトルが出ます
大まかなアイデアは目新しいモノではないが、クローン物は暗くなりがちなところをブラックコメディで進めていくのはとても良いし、物語りにすんなり入り込めました
クローンなので記憶と見た目は同じなのですが、若干性格が違うところが面白い
17が死んだと思い込んで18を作ったため倫理上の問題で2体になると殺されることになる設定も面白い
トーンは「スノーピアサー」に近いのですが、やっぱりコメディに寄ったおかげでイイ感じのSFブラックコメディだと思います
「半地下」より好きですね
最後エンドロール前にもタイトルが出ます「ミッキー・バーンズ」と
私はなかなか粋だなと感じだのですがどうでしょうか?
面白いけど胸糞悪くない?
コピー人間の生き様などがすごくSFチックで面白い
終わり方は良いと思いますし、見終わった後がスッキリしたりニッコリするとは思うけどあれだけ酷い目にしていた仲間のような人々がちょっと胸糞悪く感じた
自分だけだと思いますが、ちょっとモヤモヤした
面白かった!!
飛行機で視聴。 なんとなく、セックスシーンがくる!!とビビったシー...
飛行機で視聴。
なんとなく、セックスシーンがくる!!とビビったシーンがあり、一時停止したものの続きが気になり見始めたら、セックスシーンはありませんでした(何の話)
(エミレーツ版を観たので、完成形でない可能性大です)
ロバートパティんソンは、トワイライトとTENETくらいしか知らず、逆に、ナオミアッキーはイギリスのドラマで最高だった事を記憶しており、スティーヴユアンはかなり好きで、マークラファロも「死ぬまでにしたい10のこと」の頃から好きな状態で鑑賞し、
ロバートパティンソンの魅力全開でとても小気味良かったです。コミカルさと皮肉と、なんかとっても安心して心地よく観れました。
私はオクジャがとっても好きでポンジュノのこれ系の作品が多分とても好きなのだと思うけど、今回のクリーチャーにも好感触でした。でもなら、オクジャの方が好きな話の筋ではあって、でもこの作品は作品として可愛くまとまってて、良かったです。
吐き気がするほどひどい設定
選挙に落ちた、カルトがバックについてる中身空っぽのポンコツ政治家が、独裁国家を作るために口車に乗せられた希望者を引き連れて別の星を目指す。主人公のミッキーはどん底の生活から抜け出すために中身をよく知らないまま契約を結び、エクスペンダブル(使い捨て人間)としてその宇宙船の一員となる。
星間旅行や植民地開拓には危険がつきもの。エクスペンダブルはその危険な任務を一手に押し付けられる役。船外活動で死んでも未知のウィルスで死んでも、人間のコピーを3Dプリンティングする技術で、バックアップデータから再生される。材料は自分自身の死体を含む、船内の廃棄物。なんせ何度でも生き返り可能なのをいいことに、安全性の確認はいい加減だし、科学者の雑な人体実験に延々と付き合わされたりもする。何度も何度も。
吐き気がするほどひどい設定だけど、嫌いじゃない。むしろ好きかも。
人間プリンタからミッキーがギコギコと出力されるときに、途中でちょっと機械の中に戻る演出がよかった。
設定はひどいが最後はわたしの思う正義が勝つ、後味のいい納得のいくラスト。カルトがバックについてる中身空っぽのポンコツ政治家が選挙に落ちすらしない国があるぐらい、現実だってたいがいひどい。こっちも映画みたいな納得のいくラストだといいんだけど、なんてことを考えた。
ロバート・パティンソンの演技はオモシロい
ロバート・パティンソンの百面相演技を堪能、
それだけの映画なのか。
この俳優は、こんなに人間味に溢れているのかと驚かされた。
コピー人間なのに、という所がミソなのか。
ただ、それだけで観るには面白さが持続しない。
素材単品ではきっと美味しいだろうに時間が経ち、のびてどんよりしたマズいラーメン、みたいな。
ポン・ジュノ監督の過去作『グエムル〜』『パラサイト〜』の出涸らしのお茶、みたいな。
139分、マズいラーメンと出涸らしのお茶に、もう飽き飽き。
もう、こんな店は来ない!と老害のようにちゃぶ台をひっくり返した。
ポン・ジュノ監督、まだ還暦前だぞ。フランソワ・オゾンだってまだまだ感性が衰えていないぞ!
(そんなに好みの監督ではないのでライトな感覚です。
また韓国に帰って韓国韓国した作品を撮るでしょう。
それがいい、それでいい。)
オモロかった。
予想外に出てくるエイリアン
いや、彼らからすると我々こそがエイリアンなのだ。
人権を無視した科学だから、地球の外でやっちゃおうという無茶苦茶な理論。
死んでも記憶が引き継がれるので、なんとなくオールユーニードイズキルのような、タイムリープと似ているが、時間軸を戻るわけではなく、身体は新しいものに入れ替わる。
それにより、周りの人間からいいように人体実験されるわけだ。
おぞましい。
つまりあれだ。漫画の「亜人」に近い設定だな。
あっちより復活するラグは長いけど。
そして、あくまで記憶を引き継いで新しい身体に移すということなので、うっかりすると同じ人間が複数存在することになるわけだ。
そこから物語は展開していく。
そんなわけないやろ、という知能が高い生物が出てきたりと、意外な展開もあったりするが、そんなに期待は超えてこなかったかな。
ポン・ジュノ節が炸裂する
微妙な評価の人が多いようだったので観るのが遅れてしまった。これは...ポン・ジュノ節が炸裂する秀作じゃないか。
SFになっても、格差社会への痛烈な風刺と人間の愚かさ、欲望、理性の白々しさ、底辺で不幸を被ることの暗さや悲しみを、ユーモアを交えて描く上手さは健在。むしろ進化し磨きがかかっている。
ジャンルを横断しつつ社会を冷静に見つめる視点が、植民地を目指すハードSFに載せて描かれる、なかなか大人向けな映画だなと思う。
「バットマン」、「テネット」のロバート・パディンソンとは別人のよう。ミッキー17とミッキー18その他との芝居の違いも面白い。役者は凄いなと思ってしまう。
クローン技術と死の概念を問い直しつつも、深刻になりすぎない、コメディになりすぎないトーンになっているバランスがお見事。
人は様々な困難に出会う
ディズニーによるエンタメ支配に〃抗え〃!
「ミッキー」と聞いて誰を思い浮かべる?
ミッキー・カーチス?
ミッキー・ローク?
ミッキー・ゴールドミル?
世界中、誰に聞いてもミッキーマウスだよね。
冒頭、切断された手首が宇宙を彷徨うシーン、
あれ、ミッキーマウスの手そのもの。
ミッキーが「使い捨てクローン」として何度もコピー(生産)されるのは、ディズニーがエンタメ業界を支配し、そこから生まれる「ディズニー的」な型にはまった映画やキャラクターの量産体制へのメタファー。
(量産型)ザクとは違うのだよ!
ザクとは!
というポンジュノ監督の声が聞こえてきそうな、
ブラック・シニカルSFコメディ。
格差社会を描いてるのは誰でも分かる。
問題はどこにあるのか?
深刻な社会問題や不快な現実を避けるディズニー的(善悪二元論/個より家族やコミュニティ重視/再生と贖罪/奇跡と祝福など〃某宗教的価値観〃が物語の根幹をなし多様性は表面的)な作品が蔓延することは、社会に深刻な影響を及ぼすという問題提起があると思う。
宗教は貧困や弱者に寄り添うものであったけど、歴史を振り返ってみても、また現在も、権力と結びついて格差を肯定している。特に某宗教は、貧しい者は幸いだと言い、この世で抗う気持ちを削ぎ、天国での救済を説く。
天国を夢の国と読み替えたらいい。
GANTZ、ナウシカなど……特に駿さんの影響を強く感じた。駿さんは「楽しませるのだけがエンタメではない」という考えがあり「答え」より「問い」を重視する、ディズニー的な価値観に抗う人。物語の構造的に、ポンジュノ監督と近しいものを感じる。
めっちゃ好き!
支配と服従という関係、力による支配しか理解出来ない人たちは、他者の自由を侵略してはならないという当たり前の倫理観も無ければ、そうした議論をする能力も無い。ファシズムは宗教団体と一緒になって最終的に人々を不幸にする。
そうした普遍的なことをまっすぐ伝えるセリフと、エッジの効いた演出がすごい。生ぬるいところがまるで無かった。
ラスト。「18ならどうする?」隠れた自分の本心の存在に気づいたミッキー。そして、これまで母に対する罪悪感の象徴だった赤いボタンは、マシーンを破壊する赤いボタンに上書きされる。個人の小さな変化は私たちの大きな希望だ。
もう一つの大きなテーマは包括的な愛。ナーシャはミッキーが生まれ変わるたびに、全てのミッキーを力強く抱きしめる。
カイが「17は私に譲って」と言ったとき、ざけんな!両方私のもんだ!と怒鳴った。
うんうん。私にも感じの良い時の自分と、ネガティブモンスターになった自分がいるけど、そんな私を「両方オレのもんだ!」って怒鳴っほしいわ、脳内彼氏に。だって全部自分だもんね。
うっとりするようなラブストーリーでした。
SF仕立てのブラック・コメディでありながらも「人間らしさ」とは何な...
SF仕立てのブラック・コメディでありながらも「人間らしさ」とは何なのかを真っ向から描いている作品でした。
「人間」を描くにあたり、アメリカ人とは違う監督の持ち味も存分に発揮されており、卑劣な友人、自己中な統治者、美食のために他を顧みないファースト・レディ、すぐ感情的になる彼女など、アメリカ映画では中々お目にかかれない魅力的な人々がしっかりと描かれておりました。
そんな中にあって1番目を引いたのが主役であるミッキーを演じたパディンソン。
イケメン枠の役者であるはずの彼が、白目を剥いたり、ゲロを吐いたりとメチャクチャな扱いを受けてます。
パディンソンはイケメンである事を忘れてしまったかのような姿を連発して、観客にもすぐにそれと分かる程の「情けない人物」をきちんと表現しておりました。
同時に彼は「気の荒い人物」も演じており表情の違いだけでそれと分かる演技を披露していました。
凄い方ですね。
ただSF映画としてはやり尽くされた感じが否めなかったのも正直なところ。
芋虫のような異生物が可愛らしく見えてくるのも宮崎アニメで味わい尽くしてますもんね。
個人的にはSFに仕立てた必然性とオリジナリティが欲しいと感じました。
イマイチハマらなかった
ポン・ジュノ監督ってことで期待しすぎたW
半地下の空
パティンソンの芸域拡張。
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