劇場公開日 2025年3月28日

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ミッキー17のレビュー・感想・評価

全312件中、1~20件目を表示

3.5人間の愚かさや醜さをブラックユーモアで包んだ作品

2025年4月14日
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鑑賞方法:映画館

笑える

ジャンル分けをするとしたら、ブラックユーモアたっぷりのSFコメディと言ったらいいんだろうか。
見終わった後、なんと表現したら良いのか難しく、好き嫌いが別れそうな作品だなというのが率直な感想だった。

死んでは生き返らせ、文字通りの使い捨てワーカーとして働かせる究極のブラック企業の世界観は斬新。けれどそんな世界観の中に過去の歴史や現在の社会問題が見え隠れした。

清々しいほど好感度ゼロの権力振りかざし夫婦は、ヒトラーや某国のトップを思い浮かべたし、人間が人間を実験台にする姿は、ホロコーストや第二次世界大戦の捕虜への仕打ちに思えたし、クリーパーへの仕打ちは先住民を追い出した侵略者たちに思えた。
一部の雇用主が、人権無視の労働を従業員に強いて、周りも職業による差別をし、本人もその環境に麻痺して受け入れていく様子も、現代の闇と近い。

そんな人間の愚かさや醜さのオンパレードで胸焼けしそうになるけれど、シュールな演出と主役のミッキーのキャラクターのおかげで、暗くなりすぎないで見ることができた点は良かった。

あと、私の中でヴァンパイアの恋愛もので記憶が止まっているロバート・パティンソンの、ミッキー17と18の演じ分けは素晴らしかった。表情や話し方だけで瞬時にどちらなのか判別できるので、見ていて楽しい。

しかし「そのシーンいる?」と思うところが何シーンかあったり、モノローグに頼りすぎやしないかい?と思ったり、モヤモヤする部分もあった。
見終わった後に、あれは結局なんだったの?と置いてけぼりをくらった感じにもなり、不完全燃焼感が否めなかった。

原作を駆け足で描いたゆえの脚色かもしれないが、個人的には可もなく不可もなくの評価でおさまる作品だった。

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AZU

3.5韓国作品のが面白いけど

2025年4月30日
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鑑賞方法:映画館

ポン・ジュノ監督はアメリカでもしばしば作品を発表しているのだけど、やっぱり韓国で作る作品の方が面白いなと思ってしまう。とはいえ、この作品がつまらないということはなく、充分に水準以上の娯楽作品に仕上がっているとは思う。
何度も死んでやり直すというアイディアは、『All You Need is Kill』に共通するけれど、あれは自分の運命を切り開くために、死んだらリセットできるその能力を活用していく。こちらは、他人がそれをやるために生体データと記憶をコピーして再現可能にしてしまうというもの。未知の惑星には人類にとって未踏の危険がいっぱいなので、人柱にさせられるのである。
なかなかにエグイアイディアなのだけど、ポンジュノらし諧謔さで重苦しく見せていない。上流階級の人々の滑稽さ、人類の傲慢さを皮肉たっぷりに描いて、自分が自分であるために必要なものは何かと問う。
身体は3Dプリントで、記憶もコピーだが、それでも自分は自分なのか、人間の範囲が拡大していく時代にふさわしい作品だった。

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杉本穂高

4.0おなじみのジャンルでも彼が撮ればこれほど面白く輝く

2025年3月28日
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鑑賞方法:試写会

生と死の弛まぬ反復。自分と全く同じ容姿を持つコピー(代用品)との対峙。そんなSFモノの定番をこれまで何度も観てきた気がするが、いざポン・ジュノ監督によるストーリーが起動すると、いささか説明の不可欠な主人公の紆余曲折が実に流麗かつ小気味よいタッチで語られていく様に驚く。さらに感激するのはパティンソンの起用法だ。従来のハリウッドでいかに彼の才能が無駄使いされてきたかがよくわかるほど、この監督はパティンソンの鈍臭いまでのフツーさを巧みに抽出し、これまでにない形で見事に輝かせている。加えてあらゆる面で『パラサイト』より大規模でありながら、常にリラックスして決してリキまない。だからこそ我々はラストの高揚に至るまでゆったりと身を委ねつつギアを上げていくことができる。このペース配分もハリウッドの教科書にはない独自の匙加減。決してポン・ジュノの最高傑作ではないが、名匠らしさが詰まった秀作なのは確かである。

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牛津厚信

4.5傑作映画群を想起させる特徴的な物語要素と描写

2025年3月25日
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鑑賞方法:試写会

笑える

悲しい

興奮

ポン・ジュノ監督が「スノーピアサー」や「パラサイト 半地下の家族」などで描いてきた格差社会への風刺や底辺で生きる人々の悲哀と闘争が、最新作「ミッキー17」でも反復される。原作はアメリカ人小説家エドワード・アシュトンが2022年2月に発表した「ミッキー7」(3年ちょっとで映画化・劇場公開というスピードにも驚かされる)。

ざっくりくくるなら、ブラックユーモアの効いたSFコメディだろうか。SFやファンタジーのファンなら、過去の傑作・話題作を想起させる場面に出会うたび、にやりとさせられるだろう。本作の肝となる空想科学のアイデアである人間の身体だけでなく記憶もコピーする技術は、クローン技術をさらに発展させたものと位置付けられるが、フィリップ・K・ディック原作でタイトルもずばりの映画「クローン」や、ダンカン・ジョーンズ監督のデビュー作「月に囚われた男」などを思い出させるし、人間扱いされない“使い捨て”の存在が宇宙での過酷な仕事に従事させられる点では「ブレードランナー」も近い。

惑星ニヴルヘイムの先住種族であるクリーパーについては、監督自身が「風の谷のナウシカ」をインスピレーションの1つに挙げている。地球外生命体とのコミュニケーションに関しては、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作「メッセージ」も思い出した。

大航海時代にヨーロッパ人がアフリカや南北アメリカで繰り広げた植民地政策(征服と収奪、先住民族の大虐殺や奴隷化)を宇宙時代に再現させたような地球人の蛮行は、「アバター」シリーズ2作でも見られた。「アバター」ではまた、ネイティリがジェイクを抱きかかえる構図がミケランジェロの彫刻「ピエタ」を再現していたが、これとよく似た構図が「ミッキー17」でも反復される。人間の業を引き受け命を落としては復活するミッキーに、イエスを重ねるキリスト教圏の観客も多いのではないか。

独裁者的リーダーがアメとムチで派遣団の人心をつかもうとするあたりは、ポール・バーホーベン監督がアメリカ的愛国主義を皮肉った「スターシップ・トゥルーパーズ」に通じる。「ミッキー17」の開拓団のリーダーであるマーシャルの優生思想は当然ヒトラーを想起させるものの、トランプの時代にも重なって見える。民主党支持者で反トランプ発言でも知られるブラッド・ピットが製作総指揮に、彼のプランBエンターテインメントが製作会社に名を連ねていることと、米国の政治情勢からの影響が少ない外国人監督が起用されたことも、けっして無関係ではないだろう。

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高森 郁哉

2.5SF仕立てのブラック・コメディでありながらも「人間らしさ」とは何な...

2025年5月18日
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鑑賞方法:映画館

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怖い

カワイイ

SF仕立てのブラック・コメディでありながらも「人間らしさ」とは何なのかを真っ向から描いている作品でした。
「人間」を描くにあたり、アメリカ人とは違う監督の持ち味も存分に発揮されており、卑劣な友人、自己中な統治者、美食のために他を顧みないファースト・レディ、すぐ感情的になる彼女など、アメリカ映画では中々お目にかかれない魅力的な人々がしっかりと描かれておりました。
そんな中にあって1番目を引いたのが主役であるミッキーを演じたパディンソン。
イケメン枠の役者であるはずの彼が、白目を剥いたり、ゲロを吐いたりとメチャクチャな扱いを受けてます。
パディンソンはイケメンである事を忘れてしまったかのような姿を連発して、観客にもすぐにそれと分かる程の「情けない人物」をきちんと表現しておりました。
同時に彼は「気の荒い人物」も演じており表情の違いだけでそれと分かる演技を披露していました。
凄い方ですね。

ただSF映画としてはやり尽くされた感じが否めなかったのも正直なところ。
芋虫のような異生物が可愛らしく見えてくるのも宮崎アニメで味わい尽くしてますもんね。
個人的にはSFに仕立てた必然性とオリジナリティが欲しいと感じました。

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かもしだ

2.5イマイチハマらなかった

2025年5月2日
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鑑賞方法:映画館

星2.5か3か迷うくらいの面白さでした。
最初の設定と結末ありきで、中身がひどい気が…
パロディぽかったり色々矛盾してたりテキトーだったりするのはわざとなのでしょうか。
私には真面目なのかふざけてるのかよく分からない作品でした。

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おまけ

3.0ポン・ジュノ監督ってことで期待しすぎたW

2025年4月30日
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鑑賞方法:映画館

「パラサイト/半地下の家族」のポン・ジュノ監督作品。
気になるよねーってことで鑑賞。
結論から言うと、あれ?って感じ。
主人公ミッキーの反撃がショボいW
18がもうちょっとクレバーに動くのかな、
と勝手に期待してしまった。
17もさ、そんなに何度も生き返ってるんだから、
もうちょい考えて生まれ変わろうよW
面白いっちゃあ面白いんだけど、
「パラサイト」の時みたいに、もうちょいヒネりがあればなー。

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KENKEN

4.5半地下の空

2025年4月27日
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鑑賞方法:映画館

あれ?めっちゃ好きかも。実は「半地下〜」はそこまで嵌まらなかった人。SFだしパティンソンだしで来てみましたが好きだ、コレ。ちょっと演出にしつこさ(胃もたれ)を感じるのは監督の味としても、「半地下〜」も嫌いにはなれなかった"監督の視点"みたいなものが肌に合ってるのだろうなぁ。登場人物の大体を中盤までには嫌いになった挙げ句に終盤には全員を"好き"とは言えないまでも「あ〜、ちょっと分かるかも」になっている不思議も監督ならではの手腕。確かに好みは分かれるかもしれないけども一見の価値はある作品でした。
"わかりあえ"なくても"ゆるす"事はできる。

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lynx09b

4.0パティンソンの芸域拡張。

2025年4月27日
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SF大作ブラックコメディです。凄く面白かった。
アジア人が少ないからポンジュノぽく見えませんがヒューマニズムやシニカルな笑いなど彼らしい作品だと思います。この位の規模の作品をハリウッドでドーンと作れる監督に成長したという事です。
主役のロバートパティンソンがミッキー1〜18を演じ分け楽しそうにみえました。軽かったり気弱だったりサイコだったり芸域広げまくりです。マークラファロの悪役も良いし、「ファイヤーブランド」見て最近注目してるパッシーフェランもオタク科学者役でハマってました。

虫が少し王蟲ぽい事はポンジュノ宮崎ファンという事でまあ許します。

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masayasama

4.0地獄に落ちると「ミッキー∞」になる?

2025年4月26日
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何度でも再生することを条件に、危険な仕事をさせられて死に、そして蘇る、を繰り返す男を主人公としたSF映画です。
最初は何かの不条理映画かと思っていたら、後半になるに従ってドキドキハラハラし、ラスト間近では思わぬどんでん返しも待ち構えています。
「スノーピアサー」や「パラサイト 半地下の家族」に比べたら、最も後味良く終わります。

ふと思ったのは、子供時代には誰でも「悪いことしたら死んだ後に地獄に落ちる」と言い聞かせられることでしょうが、自分は後になって「死んでいるんだからどんなにひどい目や苦しみに遭っても、死ぬことは無い」とも思うようになったものでした。
この映画を見て、「本当に地獄があってそこに落ちたら、主人公のような経験をするんだろうか?だとしたら、やっぱり地獄に行くのはまっぴらごめんだ」と思いました。

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furu

3.5面白いが死ぬって怖いことなの的な問いと格差社会、侵略などのテーマの...

2025年4月24日
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笑える

楽しい

斬新

面白いが死ぬって怖いことなの的な問いと格差社会、侵略などのテーマの重さが勝ってしまった
ブラックユーモア周りもちょいと空回りぎみと思った
ロバートパティンソン凄いな。TENETのWhat's happened~台詞の時の顔といい今回といい格好良すぎ好きな役者だわ

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UPtwHmNNLjBjFuAF

3.0ちょっとグロかった

2025年4月23日
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かなり話の内容が飛んでいます。
でも飽きないで観ていたので、それなりに面白かったです。でも自分にはグロかったです。

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nami

3.5ポン・ジュノ監督ってデストピアSF雪景色が好きなの? スノーピアサ...

2025年4月22日
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ポン・ジュノ監督ってデストピアSF雪景色が好きなの? スノーピアサーも似たようなシチュエーションだったけど、ロケ背景を白にして予算抑えてるのか?
あのオームみたいな生物がキモカワイイ。

ミッキー18がクールで良かったです。

ロバート・パティンソン好きであろう女性客が単独でちらほら居たが、スクリーンいっぱいにクールパティンソン+優男パティンソンが映し出された日にゃ最高でしょう

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Mk.plass

2.5自分自身は唯一無二の存在

2025年4月21日
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怖い

難しい

死んだ人が何度も生まれ変わり、そして同じ人物が二人(英語でなんだっけ?)となってから話が深まる作品
立体(3D)プリンターで人を複製する発想が凄いし、地球を出てだんご虫(宇宙人)が住んでいる惑星で新たな生活を送るといった発想が凄過ぎ
更に人間(神)のモラルを超越した、近い将来あり得る話だなーと思いながらも平和☮️の大切さを謳った作品でした

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ろくさん

3.0好物の設定だが、冗長。

2025年4月21日
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137分か、どうりで。削れるところはたくさんあり得たと思うが。原作が良作とのことで、詰め込みすぎなんだろう。
 クローンやループ(今作は異なるが)で問題解決コンボを決めていく好きな設定だが、目新しさはなし。オール・ユー・ニード・イズ・キルやセブンシスターズ等、を改新してくれる展開はなかった。つまらなくはない。

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maku1

3.0思ったよりもコメディだった。気軽に見られるね。

2025年4月21日
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楽しい

単純

たまたま吹替しか時間が合わなくて、吹替版で見たけど、これロバート・パティンソンの声で見るべきだったなー!演じ分けが良いし、「悪魔はいつもそこに」のパティンソンがかなり好きだったので、今作とても良かったです。 一人で二度美味しいロバート・パティンソン。

思ったよりコメディ寄りで、ツッコミどころはありつつも、ストレートなテーマとわかりやすいキャラクターで、重いテーマなのに軽く見れて良かったかも。軽過ぎると言えば軽過ぎるけどもw

クリーパーことグソクムシさん達可愛かった。意外とみんなミッキーのこと雑に死んでも生き返れるし気楽だよねーみたいな扱いなのに一部の人は心配してくれたり、本気で怒ってくれたり。割と愛に満ちてた。

でもまぁ、期待通り予想通りな感じで、ちょっとハードル上げすぎてしまったかも。SF的なとこも結構地味。細かい設定もチラチラ出てきてその辺は分かりやすく面白かった。ほんのりスターシップトゥルーパーズ味を感じる世界観はすごく好き。

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ゆたかちひろ

4.0倫理観

2025年4月20日
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とても倫理観の勉強にもなる。やはり、昔の言葉にあるように驕れる者は久しからずだなと感じる映画。後は、やはり書面はしっかり読まないといけない。生きる上で大事なことが凝縮されている気がする映画。やはり、自然の摂理が大切だと思った。

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あにょぬ

2.5期待を超えることはない

2025年4月19日
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登場人物の誰にも共感は出来ない。

キャラの立てすぎた悪役やエイリアンがどうしても作品をチープにしている。
凄いよくできたB級映画という印象。

特に盛り上がるところもなく
関心するようなストーリーでもない
かといって退屈でもないが平坦なまま終わった。

コンセプト、アイデアは面白いが
活かしきれてない印象。

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みやもん

4.0なんでこの男がモテるのか

2025年4月19日
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18メロすぎ あと痛い 見てて

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ふぬ

3.0ヘタレなパティンソン

2025年4月18日
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笑える

楽しい

ドキドキ

パティンソンの役の幅が広くなったなという観点では良かった。ただ期待値がズレてくると違和感がある映画になってしまうかも。

ストーリーは風刺も効いていて、ブラックなユーモアもあって。ディストピアなSFの雰囲気も良く、総じて良かった。

しかしリピートしたいかというと難しいところ。

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cue
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