ミッキー17のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
唯一無二(ワン・アンド・オンリー)のブラック・ユーモア・SF キモかわ侵略映画。
死ぬと前回セーブした記憶を受け継いで蘇るのは萩尾望都の漫画「銀の三角」の様で『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の様でもあるが笑えるポイントが多々あるのがポン・ジュノらしくて「好き」か「まぁまぁ」に分かれるのでは?
中盤 声を出して笑いそうになったのはミッキー18が「その時お前は何と言ってやったんだ!」とぶち切れて尋ねると、ミッキー17は「ごちそうさまでした」とオドオドで答え、怒りが爆発しそうになるシーン。
そして同時進行でカイがナーシャに「だったらミッキー17は私にちょうだい」とおかしなやり取りをコソコソ話す所。
マーク・ラファロとトニ・コレットがややオーバー演技だが、笑える人にはオススメ。自宅だったら大笑いしてただろう。
しかし「どっちがエイリアンだよ」とアメリカ大陸の先住民を殺す白人を思いだしたりして感情が揺さぶられる。
「なんか見たこと有る女優が2人出てたなぁ」と考えてたら、優等生カイを演じたのは『ヴィオレッタ』(2011)、『あのこと 』(2021)のアナマリア・バルトロメイだと鑑賞直後に思いだした。(大人になってる)
良い匂いの髪でミッキー1がボーとなる、拳銃を突きつける女はドラマ「私立探偵ストライク」でロビンを演じたホリデイ・グレインジャーだと後で調べて分かった。(少し老けてる)
SFディストピア映画ではあるものの、半地下に比べるとかなりエンタメ...
哲学的で‼️❓壮大なSF‼️❓歴史に残る名作‼️❓
ポン・ジュノのアメリカン🇺🇸な快作
ロバート・パティンソン(ミッキー)、そして「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」のナオミ・アッキー(ナーシャ)をメインに置いてのブラックなSFエンターテイメント。
これは面白かった。
傑作ではなかろうか。
宇宙船に乗って遠く離れた惑星に移住する人々。新天地に向かう人々を先導するのはマーク・ラファロとトニ・コレットの怪し過ぎる最狂カップル😱
そう、この4人のキャスティングが最強だった‼︎
死んだ都度リプリントされるという契約を結んで宇宙船に乗り込んだミッキー。過酷な任務を課せられ、ひたすら死んでは生き返るミッキー。
ミッキーとナーシャのフィジカルな関係が好きだった。肉食のナーシャが好きだった。二人の間に存在する確固とした愛が好きだった。彼らの「反撃」が好きだった。
ハリウッドのポン・ジュノ、調子に乗ってきた感じ。ハリウッドでしか作れない快作を撮った。「殺人の追憶」や「母なる証明」を思うと複雑ではあるのだけど。
評価された監督
トニ・コレットの伝統顔芸
ある時点から誰もが期待するラストに向けて物語は進んでいく。
意外性はないが、大スクリーンならではの迫力と音響を感じながら予定されるお仕置きへのカウントダウンを心の中で数え始める。
人体を複製して記憶をアップロードするというプロットは、古典的SFの匂いがするが、原作は2022年出版と知って意外に感じた。
このテクノロジーがあるんだったら、強靭な肉体を持つ人間をスキャンだけして、複製を宇宙に連れて行けばよさそうだけど、それを言ったら話が始まらない。
トニ・コレットとマーク・ラファロのバカ夫婦のやり取りを見ているといろんな騒動を起こした人たちを思い出さずにはいられない。トニ・コレットの顔芸は、相変わらず無形文化財級の面白さ。
地鳴りをあげてうねる先住生物の大群は、ナウシカのあるシーンを思い出す。海外にも主という概念があるのかはわからないが、主の怒りは恐い。
映像と音で楽しむ作品なので、IMAXをお薦めします。
タイトルなし(ネタバレ)
大好きなポン監督の新作!おまけにスティーブンもラブなので待ってましたー。
今回は中々採点するのは難しい内容、
完全に個人的ですがSF要素がどうも苦手なもので、、、。
前半はのめり込みましたが
後半に向けクリーパー大量出現辺りは
ちょっと退屈、まさかの会話するとは、、、。
ミッキーとナーシャのラブシーンもなんか要らない気もした。
それでも一度観たら一生忘れないだろうなと思うクレイジーな作品!
ミッキー迷走
バーホーベンかブロムカンプか
ハリウッドで作ると厳しいのかな
題材面白い、役者頑張ってる、音楽結構いい感じなんだけど、編集?脚本がイマイチで、ちょっと途中飽きてくる展開です。寓話っぽい感じで、絵作りも悪くないんだけど結局何が言いたかったの??って思ってしまいました。面白くなくもないけど、面白くもない。やっぱり脚本が良くないのかもしれないすね。もっと17と18の掛け合いを見せて18のパーソナリティを見せないから最後ああなってもカタルシスが無く、意図も見えない結末になったのかと。
ポン?ボン監督ってハリウッドで作るとイマイチと感じます。才能はあると思うので、韓国でまた撮ってもらいたいです。
意外とあのダンゴムシ可愛いですね。
リプリント⁉️
今でも私にとっての韓国映画ナンバーワン「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督の新作‼️死んでも死んでも、次々と複製される男の姿を描いた、SF大作と言うよりはブラック・コメディですね‼️フツーの人間ではやれない、つまり確実に死ぬ任務に何度も何度も挑まねばならない男の姿を通して、現代の底辺での労働環境を批判するメッセージが込められてると思います‼️マーク・ラファロ扮する独裁者も、某国の主席や大統領を揶揄してるともいえますね‼️そして植民地の惑星の生物クリーパーとのやりとりは、西部劇のインディアンじゃないですが、侵略者と先住民族の定番ですね‼️ちょっとクリーパーが群れをなすシーンが「ナウシカ」の王蟲を思わせる‼️結論から言うと今作は、様々なテーマを擁した優れたSF作品だと思いますが、肝心のミッキー17、ミッキー18が揃ってしまったことによる面白さがイマイチ感じられない‼️愛する人と3Pが出来ることを喜ぶナーシャは面白かったですけど‼️その後の展開を考えると、ミッキーが二人いなければならない必要性をあまり感じない‼️もう少し同じ人間が二人いることの面白さがアクションやサスペンスに活かされればよかったのですが・・・‼️そしてラストのハッピー・エンド‼️ハッピーエンドもいいのですが、ミッキーの見る夢みたいにマーク・ラファロが次々と複製され、独裁者は滅びる事は無い、みたいなバッド・エンドでもよかった気がします‼️
なんですかこれ?(想像と違っていたので)
タイムリープのような物を想像していたが、全く違ってさらには、エイリアン映画とは。
しかし、とにかく監督のやりたい放題という感じの映画。 エイリアンと翻訳機使って会話できるかいな? あとストーリーも細切れで没入しにくく、さらに、主人公の一人称で語る場面の多い演出に少し戸惑った。さらには終始、薄暗い映像でまたストレス溜まってしまった。
月に囚われなかった男
『月に囚われた男』を意識したのかしてないのかわからないけれど、どうしても比べちゃうよね。
聞こえてくる予算、監督の評判から、まあ超えては来るだろうし、どうせ大作っぽい味付けがされるなら、ストレートなラストでスカッとできればいいな、そんな感じで頭を空っぽにして、鑑賞。
面白かった!けど想像の粋は出ず、スカッと感もぼんやり。
当然超えても来なかった。
初見だったら面白かっただろうなー。いや、何度も言うけどテーマが似てるだけでリバイバル作品ではないだろうから、初見に違いないのだけど。
それもこれも『月に囚われなかった男』を見てしまったから。大好きな映画との出会いは、呪いにも似ているのかもしれないな。
結論としては、面白くて人に勧めたいのは『ミッキー17』、大好きかつ10年後にふと思い出して見たくなるのは『月に囚われた男』。
深み無く生命を題材にした娯楽作
死んで生き返って 繰り返される諸行無常
ポン・ジュノ
1969年大韓民国生まれの映画監督
大学を出てから映画アカデミーに再入学し
2019年「パラサイト」は作品賞・監督賞・
脚本賞を受賞
いわゆる"386世代"
(1990年代に30代・80年代の
民主化運動に関わった60年生まれ)
進歩主義的でIT分野の先端を韓国が
席巻していくキッカケを作って行った
世代と言われハリウッドを
意識した重厚な作りの映画を撮り
パニック映画から社会派から
何でも撮り韓国映画のイメージを
変えていった
元々は漫画家志望だったそうで
コンテを切って制作しているかのような
画にこだわった印象的なシーンが
多い監督である
というジュノ監督最新作はSF
果たしてどうだったか
相変わらず階層構造を織り込み
強欲な支配者に支配される主人公が
葛藤を抱えながら答えにたどり着く
様はさすがでした
ストーリーは
極寒の未知の惑星ニフルヘイムへの
移住計画をぶち上げそこを開拓する名目で
地球で民衆の支持を得られなくなった
愛人イルファの言いなりの
空っぽ政治家のマーシャルが
支配者になる野望をもち
環境を調べるために
死んでは「リプリンティング」で再生され
使い捨て「エクスペンダブル」労働者ミッキー
危険な船外活動で死に
惑星で身体にウイルスを取り込んで死に
何度も何度も実験で死に
死ぬたびに番号が増えていき
主人公は「ミッキー17」となります
ミッキーは地球でどこまでも
追いかけてくるという借金の取り立て屋から
逃れるために友人ティモ(こいつもカス)と
マーシャルの移住計画で地球から
逃げようとしますが希望者で一杯
無資格のミッキーは良く知らないのに
うっかり志望部署に「エクスペンダブル」
と書いてしまいあっさり搭乗が決まります
なにせウルトラブラック部署ですから
ミッキー17は使い倒されますが
ナーシャという女性といい仲になったり
そう悪い事ばかりでもありません
ところがある日惑星活動でクレバスに落ち
ティモにも見捨てられ謎の生物
(王蟲にクマムシくっつけたみたいな)
クリーパーに食べられて終わりかと
思いきやクリーパーはミッキーを
地上に戻してくれました
( ゚д゚)としつつミッキーは
母船に戻り自室に戻るとそこには
もう一人のミッキー「18」が!
通信も途絶えとっくに死んだと
思い込まれてリプリンティング
されてしまっていたのでした
リプリンティング技術は地球でも
簡単に複製されてしまうことが
問題視され倫理的な問題が議論されましたが
そもそも開発者が倫理的に問題があった
ことで禁止されてしまいます
それをマーシャルが人類の開拓のために
地球の外ならやってもいいだろう
と法案を通してしまいます
ただ複製は全面的に禁止され
前の奴が死んで単一の存在になったら
リプリンティング可というルールに
なりました
なんか色々なものを比喩してる感じが
ビンビンするとこがさすがポン・ジュノ
18は17に比べると凶暴ですが
ナーシャにもすぐバレますがナーシャは
逆に喜んで3Pしてしまいます
とことん欲望に正直な18にも
お気に入りですが17はむしろナイーブ
幼少期に母を自分のせいで事故死させて
しまったことも引きずっています
そんなところをエクスペンダブルの
研究者でありながらだんだん惹かれて
いくカイも17と18の存在を知って
しまいますが18はマーシャルが
もはや宗教の教祖と化している
様を見てぶっ〇しに行ってしまい
コピーしていることがバレてしまいます
マーシャルは17と18に爆弾を背負わせ
船団に捕まったグリーパーの
子供を助けるために集まってきた
グリーパーの大群に二人を放り込み
イルファがソースにすると旨いという
グリーパーの尻尾を100匹集めて
戦って負けた方を爆破するという
ゲームをしだします
しかし17はグリーパーに助けられた身
そんな事はできないと思っていると
これまたミッキーをちょっと好きな
研究者ドロシーがグリーパーとの
翻訳機を持たせてくれ
デカいグリーパーと話をすると
「子供を返してくれれば平和に終わる
殺せばお前らの脳を破壊する絶叫をあげて
皆〇しだ」と告げます
17はナーシャに「48手」のひとつを
ハンドサインで伝え(なんでわかるねん)
子供を助け出し
様子がおかしいと出てきたマーシャルは
18の自爆攻撃で爆散します
半年後生き残った人間たちは
ミッキー17にリプリンティング装置を
爆破させ二度とできないようにして
ミッキーはとうとう17が取れ
ミッキー・バーンズとなりました
めでたしめでたし
SFながら限りなくコメディチックに
随所にネタが仕込まれ
人間の欲を隠さない様は
ラストまで皮肉がききまくってました
そのマーシャルの政策でやってる
ことが宗教化していくとこを
リベラルはMAGA同然だと言ってる
ようですがこんなんSFでは普通ですね
幸せの赤いボタン
不老不死が実現した世界は
ユートピアかディストピアか。
近い未来、人類は「リプリント」の技術を完成させる。
身体は、
「ZOZOスーツ」をごてっとしたような採寸用スーツで。
記憶は脳から直にコピーし、煉瓦状のメモリに格納。
当人が死亡したら、保管されているデータから
先ずは身体を出力する。
このシーンが滅法可笑しい。
ガコンガコンとプリンタ(?)内を行き来し、
うに~といった擬音が聞こえそうに押し出される。
まるで前時代の複写機のよう。
直近までの記憶を脳に移植し完成も、
造られた個人は
同一人物のハズなのに、何故か性格に違いが出ることを
『ミッキー17』と『ミッキー18』で
我々は目の当たりにする。
以前の個体については、
恋人『ナシャー(ナオミ・アッキー)』の言に依るばかりだが、
四年の間に産みだされた十六人にも相当の差異はあったよう。
では、なぜ彼『ミッキー・バーンズ(ロバート・パティンソン)』は
短期間に死と再生を何回も繰り返したのか。
それは、一種の人間モルモットにされたため。
新薬の開発や未知のウイルスへの耐性を調べるには、
なるほど実験動物よりも生身の人間の方が都合は良い。
夢の技術の「リプリント」は、
なぜかしら個人を不幸にすることに機能している。
未来の地球は荒廃し、人類は新しい惑星に移植を開始。
主人公は借金を返せぬことでサディストの資産家から付け狙われ、
逃れるように移民船に乗り込む。
乗船の条件が、「リプリント」による身体的な貢献だったわけだ。
また生き返られると分かっていても、
死への恐怖は普通に襲ってくる。
生と死は常に一直線上に在り、
同一人物が同時に複数存在することは法律で禁じられている。
が、思わぬ出来事から『17』と『18』が併存したことから、
物語りは大きく動き始める。
『ヒトラー』を彷彿とさせる、
移民団を率いる政治家に反撃の狼煙を上げるのだ。
「タイムリープ」ものでは直接の共闘が不可だし、
〔TENET テネット(2020年)〕でも
互いに触れることはできない。
しかし本作の設定なら、それも可能に。
死と再生の繰り返しは
〔オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年)〕でも。
先作はスキルアップが引き継がれ、
次第に強靭な人間に変わって行くが、
本作ではコピーされた時に弱っちければ以降はそのまま。
そうひた設定も上手く考えられている。
自分がもう一人居たらとは、
誰もが一度は持つ妄想も、
「いやまてよ」と、ハタと気づくに違いない。
やりたくないことは押し付け合い、
結局は自身が一番大切で、
まるっきり同一個体でも究極の他人。
とは言え、二人同時に危機に陥った時は、
遺伝子の持つ本能が発露する。
『ミッキー』の最大のトラウマは、
幼い頃に母親が運転する車の助手席で
目の前に在った赤いボタンが気になり
つい押してしまったことが事故に繋がり、
母を亡くした原体験。
長じてもそれを引きずり、
贖罪と諦念に囚われ続けている。
身体が変わっても
負の感情が薄れることはない。
彼はそれを払拭できるのか。
辿り着いた惑星での体験が鍵を握っているのも見どころの一つ。
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