ミッキー17のレビュー・感想・評価
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正直少し残念な作品
ブラックコメディとして楽しめたが?な部分も
使い捨てにされる人間の命の扱いの雑さや、上っ面だけの空っぽ過ぎる支配者層など、これでもかというくらいにバカバカしく描かれ、グロテスクなブラックなSFコメディとして楽しめました。
トニ・コレットのささやき女将とか完全にギャグですし。
リアルにいそうな為政者や全体主義、植民地主義を揶揄するような描写も面白かったです。
ただ、悪役が戯画的過ぎるような、単純過ぎるような気もしました。
科学者の中の眼鏡女子が善良さを発揮するとかも、キャラクターがベタというか。
ミッキー二人が鉢合わせたあたりまではどんな展開になるのかと思わされましたが、クリーパーが艦内に現れたあたりからは予定調和な印象になってしまいました。
18番は生成の途中で、自己批判的な感情とか怒りを抑える部分とかが欠落した状態になったのだろうと解釈していますが。
ミッキーの中で抑えられていた怒りの象徴のようなキャラクターなのだろうかと。
しかし、クライマックスで自己犠牲的な行動をしたのは、急に何故?と思ってしまいました。
根本にはミッキーの人の良さがあったということなのか、指導者に対する怒りの復讐を優先したということなのかもしれませんが。
ナーシャが指導者を面と向かって批判する場面も、急に?そういうキャラだったのか?と思ってしまいました。
それまで指導者の信者ではないものの批判的な言動はなかったと思うので、唐突な気も。
とは言え、批判した時の主張は真っ当でスカッとしました。
クリーパーの腹側の気持ち悪さとか動きなどはリアルで良かったです。
クライマックスの雪原でのクリーパーたちとのくだりは、ちょっと長いようにも感じましたが。
クリーパーのビジュアルや、クリーパーの子供が捕らえられて吊るされるところなどは、やはり「風の谷のナウシカ」を連想してしまいました。
ポン・ジュノ監督、驚きのパワーアップ
映画オタクが作ったと思われる社会派SF映画
原作は読まずに映画を見てきました。ストーリーの後半が面白くて、時間が短く感じられます。カップルのいちゃつくシーンが1つの伏線になっていたり、二択スイッチが登場したり、丁寧に作られた映画だと思いました。この監督、映画オタクなんだろうなと思うシーンがいろいろ出てきます。クリーパーは「デューン」を彷彿とさせるし、クリーパーとの会話は「メッセージ」のようだし、リプリントしてできたクローンが突然変異体で、「ジキルとハイド」のようだったり、ヒッチコックっぽいシーンがあったり、いろいろな発見があり、ストーリー以外にも面白い見どころがありました。
プロジェクトリーダーのマーシャルは、靴の裏にひっついたガムのような胡散臭さ満載で、いつの時代もこういう奴がしゃしゃり出て、世の中仕切って、またこういうのに騙されていいように使われているのが大勢いて.. 皮肉が伝わってきます。
クローン、体制と反体制、新型ウイルス、最先端技術等、面白いテーマを扱っています。でもブラックユーモアでうまく包んで重苦しさは無し。ナーシャがいなけりゃ、暗いディストピア映画で終わっていたと思うので、ナーシャがいてくれて良かったです。ロバート・パティンソンの演技は素晴らしかった。
それは何度も生き返れる「夢の仕事」のはずが
トラウマによる多重人格の形成に、スワンプマンの思考実験の要素を加えることで物理的に存在させている。
ミッキーはリプリントされる度に性格が異なる。
いわば多重人格が順番に肉体を得ているような状態であり、死とリプリントを繰り返すことでまた次の人格へと入れ替わっていた。
ミッキーは他の人格を全く理解出来ないと評する一方で、司令官は死を恐れるのは自分と同じ人間だからだと諭す。
この様な矛盾を最後まで何度も突きつけられる。
ラストではミッキー17が主人格の名を得る。
では18の死は人格との決別か、それとも1人の人間の死か?
ミッキー1はミッキー17の中にいるのか、それともミッキー2の誕生前に既に死んでいたのか。
スワンプマンを知らないと、荒唐無稽に見えてしまうだろう挑戦作。
予告編MAX映画でした。
半年前から予告編を観てずっと楽しみにしていました。「パラサイト」のポンジュノ監督という事もあり、
もしかしたら今年度No.1に面白いかも!?と期待して本日映画館へ。
しかし!本作はその期待に反して、
内容はダラダラと長く、
ユーモアもどれもしょうも無く、
悪役のキャラはイマイチで、
肝心のミッキーの設定自体は最高なのに、
それをコメディにしたいのか、シリアスに問題提起したいのか、フラフラとどっち付かずの脚本と演出で、
笑うに笑えない、泣くに泣けない、
ただただ眠くなる時間が長く、
終わってみて、結局何が言いたかったんだ、、??
という不完全燃焼感が半端無かったです。
エンドロールがこんなに長く感じたのは久しぶりです。
悪役の大将も、どこぞの国のトップを揶揄するような、それを皆んなでシニカルに笑うという文化は日本にあまり無いというのもあるかもですが、なんだかそのイジり方にもセンスが感じられず、とにかく笑えない。劇場にいた数名の外国の方は笑ってましたが、うーん、私はどれも面白くなかったです。
前々から凄く期待していた分、ガッカリ感が大きくなってしまいました。
そして余談ですがこの感じ、何かに似てるなと思ったら、、インスタ広告に流れて来るゲームがなんか面白そうだからダウンロードしてみたら、中身全然違うやんけ!!のそれでした。
そんな訳で、
予告編の素晴らしいテンポもストーリー展開も、
本編には全く無く!予告編がMAXの映画でした、残念!
まぁそれもこれも私の好み、もありますので、
是非、いや面白かった!という方、
面白みを具体的に伝えて頂けると幸いです。
私は映画館を出て、「ウィキッド」観れば良かったな、
と夜空を見上げて思ってしまいました。
ハードな“お死ごと”
時間の関係で4DX吹替にて観賞。(+1,000円はイタい…)
4DXは2回目だが、アトラクション要素は求めてないし、最後揺れすぎてウザいので今後も積極的に回避したい。
借金からの逃亡とか契約書を読まなくてとか、導入の回想はテンプレの割にやや冗長。
物語開始時点で既に“17”なので、そこはテンポ良し。
ここでバレるバレないとか自分同士の駆け引きとかをコミカルにやるかと思ってたら、即バレ。
マルティプルに関わる開発者の話も、結局どうなったかが描かれないにも関わらず結構ガッツリ。
個人的には比重の置き方がビミョーかも。
リアルタイムで記憶データを採ってるのに、死亡確認しないままリプリントしますかね。
冴えないハズのミッキーがやたらとモテるし。
終盤には翻訳機やら遠隔リモコン付爆弾やらがどこからともなく現れるなど、色々雑です。
まぁその辺さえスルーすればなかなか面白い。
ただ、胸クソ描写が物足りない(ある程度は「元々そういう仕事」だし)ぶんスカッと感も薄い。
ミッキー以外のエクスペンダブルズが出てこないので、対比による奥行きも無し。
何度も「教団」とか臭わせといて何もないのは拍子抜け。
長尺の割に使い方が惜しかった印象です。
クリーパーは某ジブリが引き合いに出されてるが、未見のためダンゴムシにしか見えず。
可愛く見えてきた矢先に口内や腹を見せて「あ、やっぱ無理」となるデザインや動きはのバランス好き。笑
エンドタイトルで数字が名前に変わる演出は良かった。
終盤ナーシャをサポートした人達は何者だっけ?
これもまた人としての尊厳の話
メタファーと揶揄に満ちた現代社会の映し絵ってイメージ。
ツッコミどころはいくつかあるけど古今東西のSFやアニメの名作を継ぎ接ぎした展開はたぶん90分で収まるな。
現在の話から過去に遡って現在に戻るっていう構成もファーストエンカウントを印象的にしたいとしても完全に完全に無駄だったな。試写で誰か指摘しなかったのかな?
半地下の時みたいにあん時のあれがあれで…みたいな驚きがあるなら別だけど結構期待しちゃったから。
面白いか面白くないかと言ったらまあ面白い。
とはいえAIに格差社会をテーマにいくつか食わせて
チョチョイって感じに見えなくもないから映画って難しいね。
あと、ブラピの映画製作会社のPLAN Bが関わってるけど
PLAN Bといえば老舗のスケートデッキメーカーだろ?
バットで殴り殺されて以来嫌なヤツの役ばかりもらってるなグレン?
スティーブン・パークも代表作が増えて何よりにだ。
これからは日本人もハリウッド大作撮れるようになるといいな。
それではハバナイスデッド!
じゃねえやハバナイスムービー!
プリンティングはオリジナルの内面が様々に表層化するのかな?
これ、予想以上に面白かった。
宇宙と未知の惑星が舞台になっているけれど、内容的には、完全に今の社会への風刺であり、近未来への警句でもある。
プリンティングは、完全なるコピーではなくて、オリジナルの内面が様々に表層化するもの、と考えると物語の展開の面白さが、より一層味わい深くなる気がします。
2人のミッキーをどうやって撮影したのかも気になった。
未知の生物も、不気味だけれど愛嬌があって可愛い。
何がいいたかったのか?
この監督とは相性が悪い
「パラサイト半地下の家族」もつまらない作品でしたが、本作はそれに輪をかけてつまらないです。この監督はシリアスな内容にユーモアを絡めてきますが、それが絶望的につまらないです。もうポン・ジュノ監督の作品は観ないと思います。
おもろかったよ
風の谷のナウシカ風のダンゴムシが可愛い!
いやはや独特な作品でした。前半は主人公の不幸自慢の話ばかりで、ちょっぴり眠たくなってしまいましたが、リプリント(体と精神を再生する)した17番目と18番目の瓜二つの人間が登場するとすっかり覚醒して画面に釘付けになりました笑。そっからはめちゃくちゃ濃密な面白さが増幅していきました。そして宗教家であり独裁者であるマーシャルとの戦いに挑んでいくのですが、そこに登場する風の谷のナウシカのダンゴムシのような生物が、不細工だが愛しくて可愛く見えたのは私だけではないと思います(実際に監督は風の谷のナウシカからインスピレーションを得てオマージュしたようです)。独裁者が地球人を連れて、新しい星にやってきて遭遇した先住種族なのですから、本当は大切にすべきなのに殲滅しようとします。そこに正義の味方のリプリントされた17番目と18番目の2人の主人公が見事に撃破するのです。そして彼らを守り続けた女性が、その星の新たなリーダーになるというハッピーエンドな話なのですが、奥深さが味わえる展開には刮目させられること多しでした。宗教、政治、独裁者、征服、生命の尊厳(人体実験・リプリント)などの人類の課題をダイジェストで見ているような気持ちになりました。あと、主人公が因果論を時々放つのも印象的でした。自分に起こる災難は罰であると言いますが、まさに仏教的で親近感を感じました(ボタンを押して母を事故死させた因果。カエルに酷いことをした因果笑)。
追記 ざっくり言ってブラックユーモア的SF作品であると思います。適度なエッチシーンにも釘付けでした笑。
元ネタ多すぎ?
なかなかなかなか
ミッキー18が出てくるまでが長く、ラストの先住民との対決は某名作アニメを思い出してしまった
2025.3.31 字幕 イオンシネマ京都桂川
2025年のアメリカ映画(137分、G)
原作はエドワード・アシュトンの『Micky 7』
クローン技術にて使い捨て要員となった男を描いたSF映画
監督&脚本はポン・ジュノ
物語の舞台は、2054年の地球
クローン技術を用いた複製技術を確立した人類は、その運用についての議論が白熱していた
そこで容認派の政治家・ケネス・マーシャル(マーク・ラファロ)は、地球外にて「エクスペンダブル」限定の運用を考案する
各種団体から資金を得たマーシャルは、コロニーを飛び出て、惑星エフルへイムを目指すクルーを募集し始めた
一方その頃、高利貸しからの借金に首が回らなくなったミッキー(ロバート・パティンソン)と友人のティモ(スティーヴン・ユアン)は、期日が迫り脅迫を受けていた
二人はなんとかして逃げようと考え、その宇宙船の乗客に応募する
そして、ティモはフリッターと呼ばれる運送機のパイロットとして潜り込み、ミッキーはエクスペンダブルとして乗船することになった
エクスペンダブルは、記憶を抽出して保存し、肉体はリプリメントとして再生することになり、特に危険な仕事に従事することになっていた
宇宙放射線の人体への影響を調べたり、惑星で生きるための人体実験などに使われていた
ミッキーが死ぬと、新たに肉体は再生されて、継続した記憶を持つように注入される
それによって、思い出したくもない記憶を呼び起こすこともあり、情緒不安定にもなってしまうのである
映画は、そんなミッキーは船内警備班のエージェント・ナーシャ(ナオミ・アッキー)と出会って、体の関係を重ねるようになっていく
空虚に思えた任務も、彼女との出会いで癒されるようになり、4年の航行を終えることができた
ナーシャはミッキーが複製されるたびに関係を持つのだが、その性格は毎回違っているという
それらも全て受け入れていく中で、ミッキーは17回目のリプリメントを受けることになったのである
物語は、この17人目のミッキーが船外活動にてクレバスに落ちる様子が描かれ、そこでティモがあるものを見たことによって「ミッキーは死んだ」と報告する場面から描かれていた
それによって、ミッキー18が生まれるのだが、実はこの時にミッキー17は死んではいなかった
ティモが見たのは惑星に生息する生物で、彼はてっきりその生物に食べられたと思い込んでいた
だが、その生物は彼を巣穴から出して助け、それによってミッキー17は宇宙船に戻ることができたのである
この状況をマルティプルと言うようで、それが見つかった段階で、両方が廃棄されると言うのがルールとなっていた
これはプロジェクトを行う上での約束事であり、それを知ったナーシャと、エージェントのカイ(アナマリア・ヴァルトロイ)が良い争う場面があったりする
見つけた者には報告義務があると言うものだが、そもそもここまでに技術を要しながら、生体追跡はおろか、ミッキーが死ぬのも目視だったりする
マイクロチップの埋め込みとかで生体反応が消えてから複製すると言う技術はなく、あくまでもローカルなものとなっていて、それゆえに起きたヒューマンエラーのようなものだった
クリーパー(先住民)との会話も即席翻訳機で難なくできるようなガバガバな世界観なので、真面目に観ると損をするかもしれない
映画のラストはどんでん返しのようなものに見えるが、その意味が分かっても、生き残った方がどうなったのかとか、複製されたアレがどうなったのかは描かれない
それゆえに終わったのかどうかもわからないと言うぶつ切りにも思えるエンドになっていた
いずれにせよ、実はイリファ(トニ・コレット)が元々マルティプルの存在となっていて、その片方が生き残ったまま、夫を複製すると言うエンドなのだが、それだけで再度マーシャルの天下になるとは思えない
このシーンはラストの機械の破壊の際にミッキー17が思い出すシークエンスなのだが、そこからセレモニーの間に、イリファダブルとマーシャル2がどうなったのかはわからない
さらに、唐突にこの技術は「ある連続殺人犯の作った技術だった」と説明されるのもナンセンスで、色々とツッコミどころが多いように思う
人類が手にしている技術と、細やかな描写が詰められておらず、過剰カロリーを消費しているミッキー&ナーシャが生体的に疲弊しないとか、過剰な食料を得る過程なども説明セリフで終わっていたりする
また、予告編の最後の方にちらっと映っているクリーパーについては、個人的には「ナウシカの王蟲」だと思ったし、その後の展開も「王蟲の怒りを鎮めるには王蟲の子どもを群れに返す」と言う、そのまんまやんと言うツッコミが入ってしまった
それゆえに、新しそうに思えるものも全て古臭く感じられるので、映画館に足を運ぶほどの作品なのかは微妙だなあと思った
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