劇場公開日 2025年3月28日

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「ディズニーによるエンタメ支配に〃抗え〃!」ミッキー17 ジャージー夫人さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ディズニーによるエンタメ支配に〃抗え〃!

2025年6月13日
iPhoneアプリから投稿

「ミッキー」と聞いて誰を思い浮かべる?

ミッキー・カーチス?
ミッキー・ローク?
ミッキー・ゴールドミル?

世界中、誰に聞いてもミッキーマウスだよね。
冒頭、切断された手首が宇宙を彷徨うシーン、
あれ、ミッキーマウスの手そのもの。

ミッキーが「使い捨てクローン」として何度もコピー(生産)されるのは、ディズニーがエンタメ業界を支配し、そこから生まれる「ディズニー的」な型にはまった映画やキャラクターの量産体制へのメタファー。

(量産型)ザクとは違うのだよ!
ザクとは!
というポンジュノ監督の声が聞こえてきそうな、
ブラック・シニカルSFコメディ。

格差社会を描いてるのは誰でも分かる。
問題はどこにあるのか?

深刻な社会問題や不快な現実を避けるディズニー的(善悪二元論/個より家族やコミュニティ重視/再生と贖罪/奇跡と祝福など〃某宗教的価値観〃が物語の根幹をなし多様性は表面的)な作品が蔓延することは、社会に深刻な影響を及ぼすという問題提起があると思う。

宗教は貧困や弱者に寄り添うものであったけど、歴史を振り返ってみても、また現在も、権力と結びついて格差を肯定している。特に某宗教は、貧しい者は幸いだと言い、この世で抗う気持ちを削ぎ、天国での救済を説く。

天国を夢の国と読み替えたらいい。

GANTZ、ナウシカなど……特に駿さんの影響を強く感じた。駿さんは「楽しませるのだけがエンタメではない」という考えがあり「答え」より「問い」を重視する、ディズニー的な価値観に抗う人。物語の構造的に、ポンジュノ監督と近しいものを感じる。

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ジャージー夫人
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