「韓国作品のが面白いけど」ミッキー17 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
韓国作品のが面白いけど
ポン・ジュノ監督はアメリカでもしばしば作品を発表しているのだけど、やっぱり韓国で作る作品の方が面白いなと思ってしまう。とはいえ、この作品がつまらないということはなく、充分に水準以上の娯楽作品に仕上がっているとは思う。
何度も死んでやり直すというアイディアは、『All You Need is Kill』に共通するけれど、あれは自分の運命を切り開くために、死んだらリセットできるその能力を活用していく。こちらは、他人がそれをやるために生体データと記憶をコピーして再現可能にしてしまうというもの。未知の惑星には人類にとって未踏の危険がいっぱいなので、人柱にさせられるのである。
なかなかにエグイアイディアなのだけど、ポンジュノらし諧謔さで重苦しく見せていない。上流階級の人々の滑稽さ、人類の傲慢さを皮肉たっぷりに描いて、自分が自分であるために必要なものは何かと問う。
身体は3Dプリントで、記憶もコピーだが、それでも自分は自分なのか、人間の範囲が拡大していく時代にふさわしい作品だった。
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