「リアルな感触の少ない映画でした。」ミッキー17 idwebさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルな感触の少ない映画でした。
以下ネタバレ
予告等を見て、タイムループものかと思ったが
プリンタで主人公ミッキーの複製を繰り返して
タイムリープ的な展開をする映画だったので
主人公ミッキーの記憶データのアップグレードが
キャメロンの「アバター」のような
超自然がコピーに関与していないところは、
ちゃんとコピーされてるか不安な感じが漂っていて
ポン・ジュノっぽいなと思いました。
SF的な舞台での時間表現の傑作
「オール・ユー・ニード・イズ・キル
と比較すると
SF的な舞台の「ミッキー17」は
時間表現の面白みはあまりなく、
主人公ミッキーを見ていて
「本当にそれ耐えれるの?」
という疑問が続く映画でもありました。
主人公ミッキーは複製されるから・・という理由で
「エクスペンダブル」を受け入れているのですが
ブラックジョークとして笑えない展開は
「本当にそれ耐えれるの?」
と思うだけの映画でもありました。
登場人物たちに
共感ポイントはほぼなく、
ハルク役者のトランプを意識したような演技も
極端で、
植民惑星へ移住という
相当な未知へのチャレンジを委ねるリーダーとしての
信頼感はなく、
食事しか楽しみのない閉鎖空間で、
「あんな食事で4年半耐えれるか?」
と思うだけの映画でもありました。
日本では
「風の谷のナウシカ」の王蟲は
基礎教養かと思いますので
あの異星生物は
王蟲のような形状をさせた時点で
相当な表現をしないかぎり
がっかりしてしまうという事を
ポン・ジュノは
わかっていないんだなと思いつつ鑑賞しました。
(グエムルも廃棄物13号のパクリっぽいけど。)
「ミッキー17」は
植民惑星への移動行程や技術に
「スノーピアサー」の列車の保線どうしてんの?
と同様にリアルな感触の少ない映画でした。
植民惑星を舞台にした「アバター」は強引なところもあるけど
植民惑星への移動行程や技術に
リアルな感触があったので、
ポン・ジュノは
メカやSFのディテールを
キャメロンほどには
わかっていないんだなと思いつつ鑑賞した映画でした。