「良くも悪しくも原作とは味わいが違う」ミッキー17 ぱおうさんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪しくも原作とは味わいが違う
久しぶりに劇場に足を運んだのは、原作が好きだったから。原作は「ミッキー7」のところ、映画は「17」なので、違いを楽しみにしていましたが、確かに結構改変されていました。
主人公の背景事情などの肉付けは丁寧でしたが、原作以上にカリカチュアライズされた嫌な上司や同僚たちが登場して、風刺っぽさが強まっています。一方、遭遇する宇宙生物やオチは、SFとしてマイルドになった印象。
個人的に不満なのは、主人公の「死ぬ」回数が増えたのに、バリエーションはかえって減った点です。エクスペンダブルズ(消耗品)の価値や辛さが、原作ほど伝わってきませんでした。
まあ、予算や映像表限上の制約もあるのでしょうが、7→17の改変に大きな意味が見出せないのは残念。
原作のタイトルは、不幸な主人公の境遇を捉えて、「ラッキー7」をもじったのかなと(勝手に)思っていましたので、そこをあえて変えるからには、それなりの積極的な意味が欲しいと感じました。
全体として、2時間超えの長尺の割にダレることなく観せる監督は流石です。
味わいの好み次第でしょう。
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