劇場公開日 2025年3月28日

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「ロバート・パティンソンの新たな魅力を引き出した」ミッキー17 kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ロバート・パティンソンの新たな魅力を引き出した

2025年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「パラサイト半地下の家族」のポン・ジュノ監督がハリウッドで制作したSFコメディ。
パラサイトで感じた盛りだくさんでテーマが定まらず、結果、中途半端な印象が今作でも感じられた。
どこかで観たことがあるようなシーンも多くオマージュなのだろうが、気になって集中できないし、ハリウッドの制作費を得たSF作品なのだから誰も観たことのないイメージを観たい。
何をやっても失敗続きの人生を送ってきたミッキー(ロバート・パティンソン)は何度でも生まれ変われる仕事で一発逆転を狙うが、契約書をよく読まずにサインしてしまう。
地球では政治家を目指すが何度も落選してしまい地球外の植民星で独裁国家を作ろうと企む富豪夫婦のプロジェクトに参加するも、危険な実験のモルモットとして使われ、何度も死んでは生き返る日々を繰り返すことになる。
ところがある日、任務から命からがら死なずにコロニーに戻るとすでに死んだと思われ、彼のコピーが現れる。
法律で2人のコピーが存在することは禁じられているためどちらかは死ななければならない、また、移民星の先住生物との間である事件が起こり、事態は深刻になってくる・・
SF映画でクローンが登場する話は古典的で新しいものではない。
人間が他の星に移住し、先住生物との戦いや共存のようなテーマもSFの定番だ。
そこに新しいイメージやアイデアはあまりないのでスケールが小さいようにも感じてしまう。
しかもコメディ要素を散りばめてくるのでわちゃわちゃ感が否めないし、笑えない。
一体何を描きたいのか・・
貧富の差や社会の底辺でもがきながら生きていく人たちを描くのがポン・ジュノ監督の一貫したテーマなのだと思うが、ここまでこねくり回すとボケてしまう。
今作の収穫は今までクールな役がほとんどだったロバート・パティンソンの情けないコメディタッチの役がはまっている事。
彼の演技の幅が広がった。

kozuka
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