「バカな権力者への反撃と異生物との共存」ミッキー17 苦大さんの映画レビュー(感想・評価)
バカな権力者への反撃と異生物との共存
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「二人の復讐劇」というキャッチコピーから想像するものとは少し違った作品だった。コピーされたミッキーは同じ記憶を持っているが、性格や気性などは異なっており、今回スポットが当たっていた17と18は全く反対であり相入れない感じで、終始協力してる感はなく。死んでも複製できる肉体と記憶。この設定故に描かれる命をゴミのように扱う科学者たちの描写が見ていて気持ち悪かった。その中で特に光っていたのがナターシャだった。彼女は優しく、ミッキーの命を軽んじず、優しさを、愛を注ぎ続けていた。結果、人体複製システムを破壊し、ミッキー17はただ一人のミッキーとなった。とても面白く一切退屈はしなかったのだが、1つだけ引っかかったところがミッキー18が命を投げ打った事である。彼の性格なら17を殺してでも生き残る道を選びそうなものだが。最初は不気味に見えたクリーパーも終盤には可愛く思え、彼らも生命の一つなのだと感じることができた。得体も知れない力を持ったものに対する恐怖から歩み寄りをせずに、殲滅してしまう。力を持った人間がそういった発想や行為に至るのは自然なのかもしれないが、誰かが声をあげればそんな事をしなくても済むのかも知れない。
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