「風の谷のナウシカ風のダンゴムシが可愛い!」ミッキー17 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
風の谷のナウシカ風のダンゴムシが可愛い!
いやはや独特な作品でした。前半は主人公の不幸自慢の話ばかりで、ちょっぴり眠たくなってしまいましたが、リプリント(体と精神を再生する)した17番目と18番目の瓜二つの人間が登場するとすっかり覚醒して画面に釘付けになりました笑。そっからはめちゃくちゃ濃密な面白さが増幅していきました。そして宗教家であり独裁者であるマーシャルとの戦いに挑んでいくのですが、そこに登場する風の谷のナウシカのダンゴムシのような生物が、不細工だが愛しくて可愛く見えたのは私だけではないと思います(実際に監督は風の谷のナウシカからインスピレーションを得てオマージュしたようです)。独裁者が地球人を連れて、新しい星にやってきて遭遇した先住種族なのですから、本当は大切にすべきなのに殲滅しようとします。そこに正義の味方のリプリントされた17番目と18番目の2人の主人公が見事に撃破するのです。そして彼らを守り続けた女性が、その星の新たなリーダーになるというハッピーエンドな話なのですが、奥深さが味わえる展開には刮目させられること多しでした。宗教、政治、独裁者、征服、生命の尊厳(人体実験・リプリント)などの人類の課題をダイジェストで見ているような気持ちになりました。あと、主人公が因果論を時々放つのも印象的でした。自分に起こる災難は罰であると言いますが、まさに仏教的で親近感を感じました(ボタンを押して母を事故死させた因果。カエルに酷いことをした因果笑)。
追記 ざっくり言ってブラックユーモア的SF作品であると思います。適度なエッチシーンにも釘付けでした笑。
共感ありがとうございます。
ポンジュノ監督、ハリウッドだと題材縛りでもあるんでしょうか?もっと小さなモノ、半地下だってそうですよね。
アメリカ人ダンゴムシ平気なんですかね。