劇場公開日 2024年6月7日

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「情熱と舞台が見合ってない」チャレンジャーズ 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)

2.5情熱と舞台が見合ってない

2025年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

タシの情熱。タシを愛し翻弄される2人の男。
10年に渡る愛。に対して、久しぶりに2人が対戦する舞台がショボく感じて、熱量はそんなものかい?と感じてしまった。

スポ根ものだとしたら、タシと結婚したアートは登り調子で、別れたもう1人は成績が落ちて行き、
だけど嫉妬かあるいはタシへの変わらぬ愛で、
再び勝ち上がり全米オープン決勝でタシを賭けてぶつかる。

これくらいやってくれると非常に分かりやすく見応えが
あったのだけど、そんな擦られた手法は古いのかな?
これが新しいリアルな10年に渡る愛の形なのか、
ボクには分からなかった。

特にパトリックの嫌らしいじっとりとした視線と、
嫌味たらしい実力と成績が伴ってないのに自信家の
笑顔が気持ち悪くて、コイツの良さを教えてくれよ
と思った。
アートはアートでトップテニスプレイヤーになったのかも
しれないけど、タシの前では弱々しく自分で行動を決められない子どものままで、こいつもまた魅力がなかった。

ただ、三通りの2人きりになった時の何が起こりそうな怪しげな空気感と雰囲気は「君の名前で僕を呼んで」の監督と言う事でなるほどと思いました。

ラストのテニスの試合のシーンは
スローモーション使い過ぎてスゴい怠く、
今まで時間軸をバラバラにして、
ボクには分かりづらい演出だったけど、
3人の関係性を緻密に繊細に機微を描いて来たのに、
ラストカットで急に大雑把で派手なスポ根テニス映画でも
ここまではやらんだろ!と言う演出で、
今までの物語はここで笑わすためのフリで
コメディだったのか?と思っちゃいました。

奥嶋ひろまさ