劇場公開日 2024年6月7日

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「この人がスポ根?と思いきや」チャレンジャーズ La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

この人がスポ根?と思いきや

2024年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 同性愛の二人の男性をコッテリ描いた『君の名前で僕を呼んで』以来、『サスペリア』『ボーンズ アンド オール』とコッテリした愛憎世界を描き続けて来たルカ・グァダニーノ監督が撮ったテニス映画と聞いて、「何で、あの人がスポーツ映画を?」の興味が募っていた作品が公開です。

 場面中で突如始まる劇伴を繰り返して物語にドライブ感を増し、時制の複雑な往復を見事な編集で混乱なく見せ、テニスシーンを迫力の映像で描き(特に、カメラに向かって飛んで来るボール)、そして、ゼンデイヤのキレキレ・ボディを強調してと魅力が溢れてはいるのですが、「男二人を翻弄する女の三角関係とスポ根という単純にも見える映画を何故この監督が今更撮るの?」と不審に感じながら観ていました。すると、終盤に、「くぅ~、やっぱりそう来たかぁ~」の展開で、降参しました。テニスは或る種のメタファーだったんだね。ルカ・グァダニーノ監督とはこれまで決して相性はよくなかったのですが、本作は遣られました。

La Strada