「支配からの“卒業“・・・by尾崎豊」チャレンジャーズ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
支配からの“卒業“・・・by尾崎豊
ラストのアート&パトリックが、試合を放棄して抱き合うシーン、
開放感に満ちていて、アートとパトリックの絆の邪魔者、
タシ・ダンカンの呪縛から解放された幸福感に満ちていた。
これは、女王陛下タシ・ダンカンからの【支配からの卒業】
であり、3人ははじめて対等になった気がして爽やかだった。
そしてタシの叫ぶ、
ブラボー‼️はなんだろう?
「いい加減自分の頭で考えて行動しろよ!!」
的な気持ちだろうか?
とても今時の映画らしくない毛色の変わった作品で面白かった。
監督のルカ・ガルディーノはいい意味で次回作への期待を
ぶち壊してくれる。
「君の名前で僕を呼んで」
で、美少年の初恋が男性の大学生・・・という一夏の成長物語。
期待された次作はなんとシャラメ君が人肉を美味しそうに頬張る
吸血鬼映画の「ボーンズ・アンド・オール」
そしてまた最新作はなんの関連もないスポーツと友情と、
ひとりの女を好きになる男2人の3角関係。
12年前の学生時代、
試合で大怪我して選手の道を絶たれたカシ、
8年前の、アトランタ、
アートを選び婚約したカシは、その日もパトリックと消えて行く。
★そして12年後の現在。
4大大会を制覇した名声のあるプレイヤーになっているアート。
しかしキャリアは落ち目で勝てなくなっている。
妻はもちろんタシで、リリーと言う娘がおり、タシはアートの
マネージャーとして君臨している。
一方のパトリックは大学に行かずにプロテニスプレイヤーとして
ツアーをする生活を選んだが、12年後の彼は世界ランキング271位。
所持金七十ドルでモーテルにも泊まれずに車で寝泊まりしている有様。
★★そのアートとパトリックが、「チャレンジャーズカップ」の
決勝戦を戦うことになる。
前夜にカシは、「アートを勝たせて!!」と頼みに来る。
アートの引退の花道を作るつもりなのだ。
この最後の試合は、見てるわたしはかなり盛り上がった。
溜めを使った演出で、正直言って長すぎるし、細切れの試合で
回想が何回も入り、進まないのだが、
この古風な演出が結構悪くない。
ゼンディヤの強靭なまでの美貌に男たち同様に、
わたしも平伏す映画だった。
ゼンデイヤの180センチのプロポーションが贅肉ひとつなく、
そのスンナリと真っ直ぐ伸びた小麦色の脚線美は、
ミスユニバースのワールドチャンピオン並みに完璧だ。
主役としてなんの不足もない。
たまにはこんな変わった古風なスポ魂も映画も良いものだ。
ダイアン・クルーガーは好きな女優さんなんです。
あの作品はとても悲しい主人公でしたね。
観る前は不思議なタイトルに感じましたがラストでしっくりきたように思いました。
共感ありがとうございました。
タジの呪縛からの解放、ホントそうですね。
琥珀糖さんのレビューには毎回「うんうん、そうそう」とか「おおお!」となり楽しく読ませて頂いております。
さすが琥珀糖さん、プロレビュアー並みに細かくご覧になれて、深い映画愛が伝わります。
ゼンデイヤはAI並みに信じられないほどのスタイルのよさ、キープするのも大変でしょうねw
最近、同性のイチャイチャが多くて、時代の流れを実感します…。