「複雑さと魅力の狭間で揺れる物語」チャレンジャーズ 山のトンネルさんの映画レビュー(感想・評価)
複雑さと魅力の狭間で揺れる物語
レイトショーで見たら途中から眠くなってしまった。
●独特な物語構造と演出
本作では時間軸を行き来する独特な構造によって、アート、パトリック、タシの3人の関係性が徐々に明らかになっていく。この手法は、彼らの友情と恋愛の変遷が単純なものではなかったという印象を鑑賞者に与えている。しかし、時間軸の行き来がわかりづらく、混乱を招くこともあった。
全体として、単純な物語を複雑に見せようとしているため、ストーリーの理解を難しくしている点があげられる。スポーツと人間関係のメタファーを追求するあまり、キャラクターそのものの深掘りが不足している点も気になった。
例えば、タシの野心や、アートの自信の欠如、パトリックの挫折感などが、もう少し掘り下げて描かれていれば、より共感できたかもしれない。
音楽面では、テクノ調のサウンドトラックが印象的で、テニスの緊張感を表現するのに効果的な役割を発揮していたように思う。しかし、後半になるにつれて音楽の使用が過剰に感じられ、やや飽きてしまったようにも感じた。
これらの要素が相まって、全体としては野心的な試みではあったものの、その複雑さゆえに眠くなってしまったように思う。
ファランドルさん。
確かに、映像の美しさには目を見張るものがありましたが、その一方でストーリーの入り組み方が眠気を誘う原因になったかもしれません。ルカ・グァダニーノ監督の作品には独特の魅力がありますが、今回の作品では131分という時間の中で、すべてのキャラクターの人間関係をバランス良く描くのが難しかったのかもしれません。あくまでも自分の解釈次第ですが、その点が評価の分かれ目になったように思います。