「突然庭球のごとくテニスも恋も相手との関係の中に互いの存在を失うこと」チャレンジャーズ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
突然庭球のごとくテニスも恋も相手との関係の中に互いの存在を失うこと
何歳になっても何か熱中できるものを?ボールを打つことだけ…ファック!ペナルティ。カモーン!!
誰もが君に恋する。(制作も兼ねる)ゼンデイヤとジョシュ・オコナーが大好きなので、目当てなところがあって実際2人は無論最高だったが、2人に比べるとやや損(?)な役回りでもあるマイク・ファイストにも恋してしまいそうになった。いや、むしろ彼こそ本作の影の功労者と言っても過言ではなさそうなフィフティーン・ラブ。アートと口角の下がったタシの関係もいいね。そんな才能溢れる魅力的なキャストによる"略奪愛"三角関係が繰り広げられるわけだが、時に長回しなども用いながら、口論シーン等なんともスリリングなシーンが多かった。勿論ルカ・グァダニーノらしいキモ編集も観られますよ!それらを強固に支え、形作っているトレント・レズナー&アッティカス・ロスによる素晴らしいスコアが効果的に用いられていて(時にシーンを支配するような大音量ガンガン)、最後までダレることなく目が離せなかった。
なんとも魅惑的で、こういう大人の色気のあるような三角関係モノの中では、本作は素直にハマれたほうだ。実際見進めていくと手のひらの上で転がされるような主導権争いパワーゲーム感は、そこまで色濃くなかったかも。この時をかけ複雑に絡み合った友情と恋路、そして勝負・勝利への渇望と葛藤の行き着く先は?一生現役、生涯勝負ごと、自分本位か愛する誰か他人優先か。そして、そうした3つの時間軸による積み重ねが結実したあの素晴らしいラストシーンが、ボールを打つ音やキュッキュッという靴の音の記憶にこだまする。
I
TOLD
YA
↑このTシャツほしい
勝手に関連作品『突然炎のごとく』『ドリーマーズ』『ウィンブルドン』『恋のエチュード』『マルコム&マリー』
P.S. 早速サントラ聴き込む!
本作に関係ないけど、リチャード・リンクレイター&グレン・パウエルの『HIT MAN』が世界的には本公開日と同日にNetflix配信だったから、凄くすごーく楽しみに待っていたのに、どうやらここ日本では配信開始されていないらしく凄くすごーーくショックです。カモーーン!!