バービーのレビュー・感想・評価
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女性の生きづらさだけに止まらない
母の叫びで泣いてしまいました…本当に女として生きるのは大変です…
ただ、この作品はよくある女性讃歌に止まらず、
男性社会への思いやりや歩み寄りを忘れません。
性別を超えた、それぞれのアイデンティティの確立を落とし所にしたのが素敵です。
作中に登場する『男の喜ばせ方』はまさに!って笑えましたし、
『男に賞賛されるのを喜ぶ女』もまさしく!って共感の嵐でした。
意地悪な眼差しをコメディに昇華できている点が素晴らしかったです。
マテル社は懐が深い
毀誉褒貶が激しい作品ですね。
映画は好き嫌いがあるので、どうしても合わなかったというのは仕方ないですが、本当に映画を観てるの?といった感想が多いようにも感じます。
基本的にはフェミニズムをテーマとしたコメディ映画で、声を上げて笑える場所もいくつかあるし、クルマや映画について男が得意げにやっちゃう仕草には過去を思い出して赤面。
セットと音楽も秀逸で、席はガラガラでしたが、もっと客が入ってもいいのに!
最後の方は、まぁこう来るかと感じたので、個人的には尻すぼみになったのですが、大画面とよい音響で観て欲しい作品です。
コミカル
かつて赤ちゃんのお人形しかなくて女性はお母さんになるんだよって決めつけた世界をかえるため女性は何にでもなれるんだ!って思いで発売されたバービー人形。何にでもなれた女性が世界で幸せに暮らしている……とバービーランドに住むいろんな情勢から作られたバービーたちは思っていた。
しかし、なぜかおかしくなった主人公バービーが原因を知るために人間界へ。そこは……。
カーアクションも割と良くてユニークな内容。ダンスシーンも良かった。
マーゴット・ロビーさんよかった。
Girls Just Want to Have Fun
Girls Just Want to Have Fun
と生きる意味。
これはR指定の作品。
残酷描写はない(バービー創世のシーンは人によっては耐えられない?)が、
テレンス・マリックとか、
ピーター・ウィアー作品他、
映画で扱われる最多命題ともいえる。
扱い方のパターンの変遷も繰り返されてきた。
生きる意味を、
生身の俳優が演じると難解だ、
と言われるのを避ける為に、
仮面やスーツを主人公につけて、
世界観にフィルターを掛ける。
それでも説教臭いと言われるので、
ロボットや人形、絵で汗臭さ、
血生臭さを脱臭する。
そして、人生、愛情、友情を、
正面から直球で投げる。
それもそのうちに、
飽きてきて一周回って、
生身の人が演じる。
そんな繰り返しを経て、
バービー人形。
you talkin' to me
の、
you とme は、
入れ替わりながら、
フォースの効き目も、
永遠ではないので、
オマエは、
オモチャなんだよ!
お・も・ち・ゃ・!
なんて言われたりもする。
グレタ・ガーウィックの人間万歳
監督がグレタ・ガーウィグとあって期待していた一本。
流石にバービーで遊んだことも馴染みもなかったのですが、バービーは早くから69年には黒人のキャラクターが登場し、職業も工事現場の職人から医者、パイロットに果ては大統領まで、性別にとらわれず多様性の高い点がアメリカでの成功の要因なのでしょう。
だからマーゴット・ロビー演じるバービーは実世界でバービーが女の子の自立に役立ったがどうか問うたのでしょう。
ガーウィックらしく、母娘の微妙な関係と男社会を多少風刺あるものの、最後の最後には人間、女性に成れたバービーの幸せそうなこと。やっぱり女性万歳なのかな。
それにしても制作に大きく関わったマテル社の太っ腹なこと!これは本当に株が上がりましたね。
こんな時代だから出来た映画なのか?
始まりはバービーあるあるコメディと思いきや、社会風刺現代アンチテーゼ映画。思い込めすぎてポリコレ化して女性受けしてアメリカ大ヒット。もうちょっと楽しく終わって欲しかった。
意外と面白かったし思い切った作品だと思います
新旧映画へのリスペクトやパロディ的なものが盛りだくさんで、始まりも軽やかで、感動的な部分もありながらも、終始ピンクの軽やかさを失わなかったこの作品は、かなり思い切った作品だったなぁと、楽しむと同時に結構感心してしまいました。
内容は決してこども向けではないけれども、基本こどものお人形さんというところを崩さない演出や絵作りで、笑いどころも決してぶれない軽さで終いには相当笑ってしまいました。
シニカルでパロディ的なところ満載で社会風刺的でもあるので、大人向けなのかなと思ってしまうのですが、こどもも十分楽しむことができる要素満載で、相当考え抜かれてチャレンジした作品だったのでは─。正直、予告を見ても全く見る気がしなかったですからねー。
非常に面白かったです。
ビリーアイリッシュのMV流してたほうがマシw
冒頭の「2001年…」のパロディから、バービーランドでの、歴代衣装完璧コスのモブやバービーの基本設定ギャグはめっちゃ期待度上がったが、映画の主軸が男女間の平等って古っ!w そして現実の人間の方が漫画みたいでナエ(笑)全般内容が寒すぎて全く面白く無かった。
こういう作品は「セックスアンドザシティ」のようにゲイ受けするシニカルな内容にしないと面白くないね👎
ビリーアイリッシュのMV流してたほうがマシw
だが生きろ、か。落涙。
男らしく女らしく、
恋愛至上モテ信仰、
自己実現出世努力志向、
消費社会参加牽引、
凡ゆる社会呪縛を商用人形を材に論考解体再構築する野心作。
経済成長からバブルを青年男子で生きた私はケンの哀切に同調し落涙。
その上で未来は楽ではない、だが生きろ、か。
私的年テン入り当確。
イデオロギーに寄りかかると馬鹿になる
鑑賞後に「こんな映画を作りやがって、フェミニストめ!」とか言ってる男性も、「ガールズパワー最高!バービーこそこれからの女性社会の象徴だわ!」とか言ってる女性もいるんでしょうね。日本にもいるくらいだから、アメリカにはもっと沢山いるんでしょう。
監督はそういう人たちを見てため息をついてるんでしょうか。それともほくそ笑んでるんでしょうか。
個人的には後者であって欲しいなぁ、それくらい性格悪いと笑えるなぁ、なんて思ったりもする、多層構造の悪意とシニカルな視点に満ちた映画でした。
男性社会への批判・立ち上がる女性達への賛美、というポリコレあるあるなフリをして、いつの間にかその矛先は男女を問わないアメリカの狂祭的なジェンダーイデオロギー全てに向けられていく。男女の表裏こそあれ、現代社会もバービーランドも、結局歪んだ奇妙な世界でしかなく。どっちにしたって馬鹿っぽいイデオロギーからの脱却と主体性/個別性の獲得を監督は説くわけだが、まぁそれがどこまで伝わるかどうか。
あんなに馬鹿丸出しだったケンだって「ケンはmeだ!」って言ってんのにね。気付かない人達はケンよりお馬鹿ってことで。
ジェンダーのみならず、多様性やポリコレ界隈、戦争までも論じてみせる、とても懐深い作品。イデオロギーの見本市みたいなアメリカ社会を嘲笑う視点は、GTA的だったり、デッドプールやゾンビランドを思い出したり。「バーカ、バーカ、全部バーカ」みたいな。
と、そんなメッセージだけに頼らない演出や美術などの映像づくりも素敵でした。映画としてのバランスの良さは、ショーン・レヴィを彷彿とさせる感じ。ハイレベル。お見事です。
バービーで遊んでない
バービーで遊んで無いから面白さが今一つわからなかった!個人的に残念
バービーに目を付けたのは面白いと思う
マーゴットロビーが見たくて鑑賞した
面白いファンタジーブラックコメディ
評判が良さそうなので予告では興味が全くなかったバービーを鑑賞。
「レディ・バード」「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のグレタ・ガーウィグ監督脚本のファンタジーコメディ。
最初の1960年代の名作映画のパロディシーンはかなり強烈で過激なコメディ作品になってます。
女性を被害者、高圧的な男性を卑下するだけの作品ではなく、深く社会問題に切り込んでる印象です。
女性が見たほうが共感を得る作品だとは思いますがライアン・ゴズリング演じるケンにも悲哀があり男から見ても
共感できて笑えて意味のある作品になってます。おススメ度はかなり高いです。大人が楽しめるファンタジーコメディです。
訴えたいならちゃんとして。
解って観たけどメッセージが強すぎて若干ゲンナリしながら鑑賞。
★が3なのは好みの問題。ミュージカル系好きじゃなかったわ。
男も女も大変だし、地位が上の人はそれなりに努力もしてるし責任が伴う。3Kとか言われてる職業だって無ければ社会は回らない。お互い尊重しあって楽しくやろうぜベイビー💗と考える切っ掛けになるような夏映画。
マテル社の創始者が脱税で有罪になったり、上層部が全部男性役員なのをネタにしてるのも皮肉が効いてる。
日本でバンダイナムコを舞台にして、ガンプラが自我を持った映画を作ったとして「パナマ文書に企業名載ってまーす」なんて絶対やらないだろうな。
家族で観たらいろいろ考えさせられただろうけど、デートムービーのつもりで観たカップル鑑賞後別れるの出そう。
好みで数字は辛いけど、テーマをポップに笑えるよう見せたのに公式のやらかしでケチ付いたの本当にもったいない。
もっと、もったいないのは、架空の地図をあれにする必要あった?
バーベンハイマーについては「ウッカリ乗ったら大変なことになりました」と言い訳できるけど、作中にあるあの地図は意図があると考えられ、一部のアジアの国で上映禁止になるのは致し方なし。
訴えたいことがあって広く見て欲しいなら神経質になり過ぎはないと思う。
クライマックス、お母さんの愚痴は共感出来た。
男性に置き換えたら「自信を持って堂々としても偉ぶるな。女性の良いとこを褒めろ。でも、容姿のことを言ったりイヤらしい目で見るな」と男女ともどないせっちゅーねん!な矛盾と理不尽の中、それに文句言いながら生きていくしかない。
そういう生き辛さはお互い様なのだから、どっちが良いとか偉いとか無しに尊重しようよというのを解りやすくしてるのに、監督とスタッフ、公式とマテル社ちゃんとして。
娯楽と社会性の見事な融合
多様性なバービーの世界観を元に現代女性の苦悩を様々な角度から描かれて、ワンシーンワンシーン本当によく考えて作られていてびっくりした。
フェミニズム、そしてそれを越えようとした主義、思想をエンターテイメントにまで昇華した映画は過去に無い画期的な映画になっていると思う。
この映画に付いて語りだすともの凄く長くなってしまうので割愛するけど、それほど奥が深い。
マーゴットロビーの魅力が発揮されてない
ピンク色のバービーランドで暮らす住民は、女性はみんながバービーで、男性はアラン1人を除いてみんながケンと呼ばれていた。そんなバービーランドで、オシャレ好きなバービーは、ボーイフレンドのケンと幸せな日々を過ごしていた。ところがある日、彼女のかかとがぺったんこになってしまった。困った彼女は変わり者バービーの助言で、人間の世界へと旅に出たところ、ケンが車に乗り込み付いてきた。ロサンゼルスにたどり着いたバービーとケンは奇抜な衣装からか人間たちから好奇の目を向けられ・・・てな話。
何とも冴えないストーリーでがっかりだった。
マーゴット・ロビーは人形みたいに手脚が長くスタイル良いのはわかるが、ハーレイクイーンやバビロンで見せてくれたちょっと腹黒さを持った魅力的な彼女の良さは本作では発揮されてないと感じた。
ノーマルバービーは彼女じゃなくてもスタイル良い白人女性なら誰でもいい感じがした。
他に気になったバービーは小説家バービーのアレクサンドラ・シップくらいかな。
人種や男女間の差別を無くそう、自分の大切なものを見つけよう、とのメッセージは感じたが、それだけ。
イマイチだった。
追記 23/8/20
前回は吹替版だったので、マーゴットロビーの声を聴こうと字幕版で再度観賞。
不思議なことに、ストーリーはわかっているためか、初見では見えてなかった所や、前回感じた違和感も多少薄れ、また本人の声が聞けて良かった。
評価を+1の3に変更します。
日本語の声優をどうこう言う気はないが、日本語にするとくどい場面でも英語だとそう思えないのは日本語の脚本のせいか?
それに、バービーの声優をやった高畑充希は声が低いのでマーゴットに合っていたとは思えなかった。
この作品も字幕版をお勧めします。
ツルペタ
ジェンダーとかフェミニズムとか仏教的な生老病死とか、掘り下げればいくらでも深いテーマは含んでるけど、そこらへんはあまり掘り下がっておらず、ポップな漫画が表に出てくる。カラフルなスラップスティック・コメディとしては楽しい。
本作のヒット具合でその国のジェンダーレベルが明らかに
たかが人形ひとつから、とんでもなく深淵な世界観まで分析してしまった圧巻の傑作映画。とことんキュートでおしゃれなのに、性差の概念を解き明かす最先端の側面と、「オズの魔法使い」のような原理主義的クラシック大作の両面を持つ、極めて重大な問題作でもありました。
そもそも映画「トランスフォーマー」に関わるのが米国第二位の玩具メーカーであるハズブロ社である。この日本生まれの玩具を全米で展開し販売し、さらに勢いに乗るマーベル関連の玩具も手掛けている。この競争相手企業の現状に、全米トップの玩具メーカーであるマテル社の忸怩たる思いは想像に難くない。そのマテルが遂に自社最大の資産であるバービー人形をモチーフにした映画に参入、ってのが粗々の本作のプロセスでしょう。
本作の冒頭で「2001年宇宙の旅」の壮大なパロディが堂々と再現され「ツァラトゥストラはかく語りき」が鳴り響き、ベビー人形が次々に破壊されてゆくドキモ抜くシーン。従来の女の子の人形と言えば赤ちゃん人形で、お母さんになってベビーのお世話をすると言う女性の概念の固定化を、一挙に打ち破り登場するのがバービーだと、製造元が堂々と宣伝する。言うまでもなく八頭身のスレンダーな美女で、金髪碧眼の成人女性の着せ替え人形が人気を博する。
当然に大ヒットの裏には功罪もあり、女性の概念を打ち破ったハズなのに、常に美しくあらねばならない脅迫概念まで植え付けてしまった負の部分までも、本作では遠慮なく暴いて行く。こりゃ本気ですよ、マテル社は。白人オンリーから肌の色・髪の色・目の色までも多様性に鑑み拡張し、妊婦までも登場させた失敗談まで語るのですから。
マーゴット・ロビー扮するバービー人形の生きる世界は、女性ありきの世界。だからライアン・ゴスリング扮するケンはバービーの下僕同然。ところが人形にあるまじき老いの先にある死の概念がよぎったことから、リアルの人間社会にバービーとケンが侵入し騒動が起こる。リアルの世界では男性優位、マテル社の役員はすべて男性で、シルベスター・スタローンのマッチョ信仰から、「ゴッドファーザー」の家父長制まで引用する。当然にケンはすっかりミソジニーに染まりバービーランドを様変わりさせてしまう。
結局はバービーもケンも自身の性に固執の利己の世界から利他の概念に気付かされ、肯定感に満ちたと言うか進化を遂げる域まで描く。こうした性差をセリフでは勢い堅苦しくなるところを、超ポップなデコレーションなセットを背景に、臆面もなく群舞とミュージカルまで総動員して映像化する。これこそが革命的でなくてなんであろう。ここまでの正論を導く高等戦術には舌を巻くしかない。翻って、堂々たるバービー人形のコマーシャルになっている事をも思い知る、だから凄いと。
マテル社の壮大な賭けを大成功に導いたのは脚本・監督のグレタ・ガーウィグ、そして制作・主演のマーゴット・ロビーなのは間違いない。逆に言えばここまで掘り下げないと、表層的な矛盾に行きあたってしまうから、なのでしょう。21世紀のこの段階で女性差別に対する論理を打ち立てた事がとんでもなく素晴らしい。たかが人形に社会の概念の分水嶺かもしれない領域を提示され、この映画のヒットの度合いによって、その社会(国)のレベルがわかってしまうでしょう。ましてや本作は原爆のゲの字も関係なく、大ヒット作2作に喜んだ一部の米国のファンの無知な投稿なんぞによって、本作を見ないとは勿体ないし残念、実に。
それにしても、ライアン・ゴスリングの演技力が後半を支えているのは確か、しかも弾き語りので披露の素晴らしさは認めますが、個人的にはリアム・ヘムスワース(ソー役のクリスの弟)の方がいかにもケンと思うのですが。でも、もしそうなったら主演の2人ともがオーストラリア出身ってのもマズイのかも。アジア系の代表のような扱いで登場のシンチーことシム・リウが良い味わいなのが特筆もの。八頭身とは言い難く、イケメンとも言い辛い、でも妙な愛敬が本作のコメディ調を支える。
軽いノリのおふざけコメディに終わらなかった本作は間違いなく映画史に残るでしょう、それくらいの重要作品なのです。
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