バービーのレビュー・感想・評価
全497件中、361~380件目を表示
Girls Just Want to Have Fun
Girls Just Want to Have Fun
と生きる意味。
これはR指定の作品。
残酷描写はない(バービー創世のシーンは人によっては耐えられない?)が、
テレンス・マリックとか、
ピーター・ウィアー作品他、
映画で扱われる最多命題ともいえる。
扱い方のパターンの変遷も繰り返されてきた。
生きる意味を、
生身の俳優が演じると難解だ、
と言われるのを避ける為に、
仮面やスーツを主人公につけて、
世界観にフィルターを掛ける。
それでも説教臭いと言われるので、
ロボットや人形、絵で汗臭さ、
血生臭さを脱臭する。
そして、人生、愛情、友情を、
正面から直球で投げる。
それもそのうちに、
飽きてきて一周回って、
生身の人が演じる。
そんな繰り返しを経て、
バービー人形。
you talkin' to me
の、
you とme は、
入れ替わりながら、
フォースの効き目も、
永遠ではないので、
オマエは、
オモチャなんだよ!
お・も・ち・ゃ・!
なんて言われたりもする。
グレタ・ガーウィックの人間万歳
監督がグレタ・ガーウィグとあって期待していた一本。
流石にバービーで遊んだことも馴染みもなかったのですが、バービーは早くから69年には黒人のキャラクターが登場し、職業も工事現場の職人から医者、パイロットに果ては大統領まで、性別にとらわれず多様性の高い点がアメリカでの成功の要因なのでしょう。
だからマーゴット・ロビー演じるバービーは実世界でバービーが女の子の自立に役立ったがどうか問うたのでしょう。
ガーウィックらしく、母娘の微妙な関係と男社会を多少風刺あるものの、最後の最後には人間、女性に成れたバービーの幸せそうなこと。やっぱり女性万歳なのかな。
それにしても制作に大きく関わったマテル社の太っ腹なこと!これは本当に株が上がりましたね。
ツルペタ(210億円の下ネタ)
ガーウィグ作品に共通するテーマは「女性の生き方」な訳ですが、昨今のフェミの様に精鋭化する事なく、普遍性すら感じられる、実はベタでベタベタなメッセージが好き。
今回は、男性社会がどーたらこーたらでも、女性の社会性の毀損でもなく、ドカンとジェンダーから離れて、「らしく生きてる?」ですから。
いやいやいや。
若草もレディバードも、同じっちゃー同じですけどね。と言うか、同じなのは「尻すぼみのオチ」だって言うw
ただし、今回のラストカットには笑かしてもらいました。婦人科??えぇ?えぇっ?えええええー?そのネタで、この話を締めます?下ネタでっせ、それってw
実態を伴わぬ、形ばかりの女性の社会進出への皮肉的なスタンスも、ガーウィグらしい現状認識。男社会と、そこに依存する楽さに女性達が慣れきっている事への警告。
てなてなヤツは、次々に描写されていきますが。主題は、そこを突き抜けた先にあると言うのが、最高。
自分らしく生きる。バービーワールドの「雛型」として「作られた」自分の、存在の意味とは何なのか?
答えを見つけられそうにないバービーは、人間の世界に居を移すことを選択する。で、下ネタで壮絶に落とすと。その勇気には脱帽、脱力ですw
現代奇譚的な概念ワールドを、トーイの世界観で描いた114分は、あっという間に過ぎていきます。全ての女性に見てほしいガーウィグの会心の一振り。コレは面白かったです。
良かった。
とっても。
語るに値する、年一候補でした!
ーーーーーー
8/16 追記
ラストカットの意図が分かった気がするかもです。
そこに「付いているモノ」が何であれ、自分らしく生きれば良いだけのことでしょ?
って事?
まあ、ツルペタの方が雑念も煩悩も無くて良いかもw
いずれにしても、ジェンダー、ジェンダーと騒ぐな、ウザい!
って言う事で。ガーウィグ、流石です。
意外と面白かったし思い切った作品だと思います
新旧映画へのリスペクトやパロディ的なものが盛りだくさんで、始まりも軽やかで、感動的な部分もありながらも、終始ピンクの軽やかさを失わなかったこの作品は、かなり思い切った作品だったなぁと、楽しむと同時に結構感心してしまいました。
内容は決してこども向けではないけれども、基本こどものお人形さんというところを崩さない演出や絵作りで、笑いどころも決してぶれない軽さで終いには相当笑ってしまいました。
シニカルでパロディ的なところ満載で社会風刺的でもあるので、大人向けなのかなと思ってしまうのですが、こどもも十分楽しむことができる要素満載で、相当考え抜かれてチャレンジした作品だったのでは─。正直、予告を見ても全く見る気がしなかったですからねー。
非常に面白かったです。
ビリーアイリッシュのMV流してたほうがマシw
だが生きろ、か。落涙。
イデオロギーに寄りかかると馬鹿になる
鑑賞後に「こんな映画を作りやがって、フェミニストめ!」とか言ってる男性も、「ガールズパワー最高!バービーこそこれからの女性社会の象徴だわ!」とか言ってる女性もいるんでしょうね。日本にもいるくらいだから、アメリカにはもっと沢山いるんでしょう。
監督はそういう人たちを見てため息をついてるんでしょうか。それともほくそ笑んでるんでしょうか。
個人的には後者であって欲しいなぁ、それくらい性格悪いと笑えるなぁ、なんて思ったりもする、多層構造の悪意とシニカルな視点に満ちた映画でした。
男性社会への批判・立ち上がる女性達への賛美、というポリコレあるあるなフリをして、いつの間にかその矛先は男女を問わないアメリカの狂祭的なジェンダーイデオロギー全てに向けられていく。男女の表裏こそあれ、現代社会もバービーランドも、結局歪んだ奇妙な世界でしかなく。どっちにしたって馬鹿っぽいイデオロギーからの脱却と主体性/個別性の獲得を監督は説くわけだが、まぁそれがどこまで伝わるかどうか。
あんなに馬鹿丸出しだったケンだって「ケンはmeだ!」って言ってんのにね。気付かない人達はケンよりお馬鹿ってことで。
ジェンダーのみならず、多様性やポリコレ界隈、戦争までも論じてみせる、とても懐深い作品。イデオロギーの見本市みたいなアメリカ社会を嘲笑う視点は、GTA的だったり、デッドプールやゾンビランドを思い出したり。「バーカ、バーカ、全部バーカ」みたいな。
と、そんなメッセージだけに頼らない演出や美術などの映像づくりも素敵でした。映画としてのバランスの良さは、ショーン・レヴィを彷彿とさせる感じ。ハイレベル。お見事です。
面白いファンタジーブラックコメディ
ケンダム
色彩感覚疑うようなドピンク主体なバービーランドで医者や大統領、はてはノーベル賞受賞バービー達と日夜キラキラガーリーな日々を何の疑いもなく過ごす定番バービーは唐突に死について考え、足の裏が地面につきーのセルライトが気になりーの異変に襲われて原因究明のため人間世界へ向かう(オマケ付き)、、、。
まー映画にするんだから起承転結色々盛り込まんと二時間はもたんのだろーけど色々キツイ!
申し訳程度にLGBTキャラやら妊婦だの有色人種だの紛れ込ませて多様性に配慮してますよアピールしつつ要は女性は偉大だ、なのに実世界では苦労してます!もっと認められるべきだっつー被害妄想フェミの憤懣浄化カタルシス映画でしかなかった。
予想はしてたけどね。
訴えたいならちゃんとして。
解って観たけどメッセージが強すぎて若干ゲンナリしながら鑑賞。
★が3なのは好みの問題。ミュージカル系好きじゃなかったわ。
男も女も大変だし、地位が上の人はそれなりに努力もしてるし責任が伴う。3Kとか言われてる職業だって無ければ社会は回らない。お互い尊重しあって楽しくやろうぜベイビー💗と考える切っ掛けになるような夏映画。
マテル社の創始者が脱税で有罪になったり、上層部が全部男性役員なのをネタにしてるのも皮肉が効いてる。
日本でバンダイナムコを舞台にして、ガンプラが自我を持った映画を作ったとして「パナマ文書に企業名載ってまーす」なんて絶対やらないだろうな。
家族で観たらいろいろ考えさせられただろうけど、デートムービーのつもりで観たカップル鑑賞後別れるの出そう。
好みで数字は辛いけど、テーマをポップに笑えるよう見せたのに公式のやらかしでケチ付いたの本当にもったいない。
もっと、もったいないのは、架空の地図をあれにする必要あった?
バーベンハイマーについては「ウッカリ乗ったら大変なことになりました」と言い訳できるけど、作中にあるあの地図は意図があると考えられ、一部のアジアの国で上映禁止になるのは致し方なし。
訴えたいことがあって広く見て欲しいなら神経質になり過ぎはないと思う。
クライマックス、お母さんの愚痴は共感出来た。
男性に置き換えたら「自信を持って堂々としても偉ぶるな。女性の良いとこを褒めろ。でも、容姿のことを言ったりイヤらしい目で見るな」と男女ともどないせっちゅーねん!な矛盾と理不尽の中、それに文句言いながら生きていくしかない。
そういう生き辛さはお互い様なのだから、どっちが良いとか偉いとか無しに尊重しようよというのを解りやすくしてるのに、監督とスタッフ、公式とマテル社ちゃんとして。
娯楽と社会性の見事な融合
マーゴットロビーの魅力が発揮されてない
ピンク色のバービーランドで暮らす住民は、女性はみんながバービーで、男性はアラン1人を除いてみんながケンと呼ばれていた。そんなバービーランドで、オシャレ好きなバービーは、ボーイフレンドのケンと幸せな日々を過ごしていた。ところがある日、彼女のかかとがぺったんこになってしまった。困った彼女は変わり者バービーの助言で、人間の世界へと旅に出たところ、ケンが車に乗り込み付いてきた。ロサンゼルスにたどり着いたバービーとケンは奇抜な衣装からか人間たちから好奇の目を向けられ・・・てな話。
何とも冴えないストーリーでがっかりだった。
マーゴット・ロビーは人形みたいに手脚が長くスタイル良いのはわかるが、ハーレイクイーンやバビロンで見せてくれたちょっと腹黒さを持った魅力的な彼女の良さは本作では発揮されてないと感じた。
ノーマルバービーは彼女じゃなくてもスタイル良い白人女性なら誰でもいい感じがした。
他に気になったバービーは小説家バービーのアレクサンドラ・シップくらいかな。
人種や男女間の差別を無くそう、自分の大切なものを見つけよう、とのメッセージは感じたが、それだけ。
イマイチだった。
追記 23/8/20
前回は吹替版だったので、マーゴットロビーの声を聴こうと字幕版で再度観賞。
不思議なことに、ストーリーはわかっているためか、初見では見えてなかった所や、前回感じた違和感も多少薄れ、また本人の声が聞けて良かった。
評価を+1の3に変更します。
日本語の声優をどうこう言う気はないが、日本語にするとくどい場面でも英語だとそう思えないのは日本語の脚本のせいか?
それに、バービーの声優をやった高畑充希は声が低いのでマーゴットに合っていたとは思えなかった。
この作品も字幕版をお勧めします。
ツルペタ
本作のヒット具合でその国のジェンダーレベルが明らかに
たかが人形ひとつから、とんでもなく深淵な世界観まで分析してしまった圧巻の傑作映画。とことんキュートでおしゃれなのに、性差の概念を解き明かす最先端の側面と、「オズの魔法使い」のような原理主義的クラシック大作の両面を持つ、極めて重大な問題作でもありました。
そもそも映画「トランスフォーマー」に関わるのが米国第二位の玩具メーカーであるハズブロ社である。この日本生まれの玩具を全米で展開し販売し、さらに勢いに乗るマーベル関連の玩具も手掛けている。この競争相手企業の現状に、全米トップの玩具メーカーであるマテル社の忸怩たる思いは想像に難くない。そのマテルが遂に自社最大の資産であるバービー人形をモチーフにした映画に参入、ってのが粗々の本作のプロセスでしょう。
本作の冒頭で「2001年宇宙の旅」の壮大なパロディが堂々と再現され「ツァラトゥストラはかく語りき」が鳴り響き、ベビー人形が次々に破壊されてゆくドキモ抜くシーン。従来の女の子の人形と言えば赤ちゃん人形で、お母さんになってベビーのお世話をすると言う女性の概念の固定化を、一挙に打ち破り登場するのがバービーだと、製造元が堂々と宣伝する。言うまでもなく八頭身のスレンダーな美女で、金髪碧眼の成人女性の着せ替え人形が人気を博する。
当然に大ヒットの裏には功罪もあり、女性の概念を打ち破ったハズなのに、常に美しくあらねばならない脅迫概念まで植え付けてしまった負の部分までも、本作では遠慮なく暴いて行く。こりゃ本気ですよ、マテル社は。白人オンリーから肌の色・髪の色・目の色までも多様性に鑑み拡張し、妊婦までも登場させた失敗談まで語るのですから。
マーゴット・ロビー扮するバービー人形の生きる世界は、女性ありきの世界。だからライアン・ゴスリング扮するケンはバービーの下僕同然。ところが人形にあるまじき老いの先にある死の概念がよぎったことから、リアルの人間社会にバービーとケンが侵入し騒動が起こる。リアルの世界では男性優位、マテル社の役員はすべて男性で、シルベスター・スタローンのマッチョ信仰から、「ゴッドファーザー」の家父長制まで引用する。当然にケンはすっかりミソジニーに染まりバービーランドを様変わりさせてしまう。
結局はバービーもケンも自身の性に固執の利己の世界から利他の概念に気付かされ、肯定感に満ちたと言うか進化を遂げる域まで描く。こうした性差をセリフでは勢い堅苦しくなるところを、超ポップなデコレーションなセットを背景に、臆面もなく群舞とミュージカルまで総動員して映像化する。これこそが革命的でなくてなんであろう。ここまでの正論を導く高等戦術には舌を巻くしかない。翻って、堂々たるバービー人形のコマーシャルになっている事をも思い知る、だから凄いと。
マテル社の壮大な賭けを大成功に導いたのは脚本・監督のグレタ・ガーウィグ、そして制作・主演のマーゴット・ロビーなのは間違いない。逆に言えばここまで掘り下げないと、表層的な矛盾に行きあたってしまうから、なのでしょう。21世紀のこの段階で女性差別に対する論理を打ち立てた事がとんでもなく素晴らしい。たかが人形に社会の概念の分水嶺かもしれない領域を提示され、この映画のヒットの度合いによって、その社会(国)のレベルがわかってしまうでしょう。ましてや本作は原爆のゲの字も関係なく、大ヒット作2作に喜んだ一部の米国のファンの無知な投稿なんぞによって、本作を見ないとは勿体ないし残念、実に。
それにしても、ライアン・ゴスリングの演技力が後半を支えているのは確か、しかも弾き語りので披露の素晴らしさは認めますが、個人的にはリアム・ヘムスワース(ソー役のクリスの弟)の方がいかにもケンと思うのですが。でも、もしそうなったら主演の2人ともがオーストラリア出身ってのもマズイのかも。アジア系の代表のような扱いで登場のシンチーことシム・リウが良い味わいなのが特筆もの。八頭身とは言い難く、イケメンとも言い辛い、でも妙な愛敬が本作のコメディ調を支える。
軽いノリのおふざけコメディに終わらなかった本作は間違いなく映画史に残るでしょう、それくらいの重要作品なのです。
深く掘り下げよう
この作品がもたらした社会的な意義は大きいのでは。
満員御礼のカナダや米国、Twitterでのフェミニズム批判に対して炎上している日本。それはきっと、バービーが映し出したテーマに対しての社会的受容度の違いではないのかな。欧米でのフェミニズムとか、LGBTQとか色んな社会問題に対しての民衆の感度の高さ。逆に日本でのフェミニズムに対する批判をすることをただ悪とするようにsns上で盛り上がるだけ。そして残りはきっとこの作品を見ても何も感じない人たち。国民の社会問題に対する感度の違いが、もろ国によっての映画の評価に繋がりそうだな、て思った作品です。
こういう社会性を帯びたテーマに対して、真向から挑んでいること。そしてそれをあえてバービーという子供向けポップさ溢れるシリーズでトライし、世界観を壊さず、かつ楽しいユーモアも織り交ぜながら作品作りに取り込んでることに驚きと感動。
なんせ、マーガットロビーとライアン・ゴズリングだよ。この2人にこんな演技をさせたこと自体が映画的に唯一無二を感じます!
ただ、個人的にはこのフェミニズムと囚われるようなテーマがここまでポップに分かりやすく伝えないと、響いていない、こんな形で出てきてしまう、という現代社会に対して哀れみの気持ちが芽生えてしまう...
全497件中、361~380件目を表示