「確かに今年最高かもしれない。」バービー MR POPOさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに今年最高かもしれない。
率直に観た方がいい映画。
これグチグチいうヤツは現実で手のつけようない面倒くさいヤツになりかけてるというリトマス試験紙になる。
と言われるのもわかる気がする。
女の子は勇気をもらうだろうし、男は脱げない鎧がほろっと外れる経験が出来る。
オッサンの私には食指が動かないなと思ったが、帰りにはマグマカップとパンフレットを40にもなって買って帰った。
フェミニスト映画だと思い込んでる人いるが、私も少し構えていた。だがすぐにスタートと共にこれは違うと気付いた。これは全方向にありとあらゆるモノを皮肉っている。
そして物語の着地には、男女関係なく問われるもので非常に秀逸だった。バービーという一つの人形を通してたくさんの人の物語を映し出し、それをコミカルにユーモアたっぷりに描く。
バービーランドと人間界の境界線、映画を観てる私達との境界線。ここが非常にうまい。俯瞰しやすい作りになっている。
何より秘書の女性だったかな、彼女の演説が痺れる。
誰もが人生で吐き出しかったこと。
ここはもう愛する人が隣にいたら、強く手を握りたい。
あと内容とは別で、
マーゴットの演技が抜群に上手い。昔から好きな役者だが明らかに成長を感じた。この映画で不動の地位、新しいアイコンに確実にしたなと感慨深いもんがあった。
そして賛否あったがライアンゴズリングについてだが、やっぱりディズニー出身の彼のダンスや歌、そして幅の広く演じられる力。彼が出るべきだったし、彼の作品選びは流石だと思った。
見ない人も見た人の中にも粗探ししたい人もいるだろうけど、それこそ不毛だし、あなたの事を愛してる人はそんな事望んでいないし、なりたかったあなたはそんなあなたではないハズ。
素直に私はこの映画に拍手を贈りたい。
そしてこれは協調性や同調圧力、所属意識の強い日本人に対して響くと思う。
余談だが、幼かった頃、私はキティちゃんや、セーラームーン、りぼんが好きだった。それをひた隠し男社会で生き、したくもない男の子の不毛な競争をした。
気付いていたら好きだったモノを手離し思い出しもしないまま、社会人になり男らしさを着て男の役割を真っ当しようと背負い込んでいた。
私は女性が好きだし、marvelのような映画もオッパイも好きだ。だけどこのバービーを見てそんな自分のいつの間にか着込んだ鎧がこんなにも重くなってる事に気付いた。
だからピンクのハートの取っ手が付いたバービーマグカップを私は買った。