「公式完全監修の自虐ネタ炸裂」バービー マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
公式完全監修の自虐ネタ炸裂
バービー
米マテル社の創業者の一人
ルース・ハンドラーがドイツ旅行の
みやげに娘に買った「ビルト・リリ」
という人形をもとに1959年に発売
された女児用玩具人形
最終的にはビルト・リリの権利まで
買収し全世界で累計10億体を売る
ロングセラー商品に成長
ちなみに初期の製造は日本で
行われていたという
日本では1962年に初輸入
その5年後にリカちゃん人形を
タカラが販売した
野郎が観に行くような映画では
なかろうと思いつつ予告での
「ドライヴ」「ファースト・マン」
「ブレードランナー2049」等で
ファンになった
ライアン・ゴズリングのアホっぽさ
に惹かれて観に行くことに
でどうだったか
フェミニストの幻想だとか
ネットでは批判の対象にされ
オッペンハイマーとくっつけた
ミームに激おこの日本人もいたり
と騒がれてましたが
まぁ観てねー連中はそんなもの
中身は半世紀のバービーの歴史
そして社会でどのような影響を
産んだか産めなかったかを
マテル社も含めメタく
自虐ネタも満載で楽しめました
まず冒頭のバービーを見て
衝撃を受けた子供たちが
赤ちゃん人形を破壊する
シーンからしてぶっ飛んでます
面白いのは
バービーランドが
「女児のバービーでの遊び方が
反映された世界」
であること
歴代の様々なバービーですから
当然女性優位の社会構造
ですから男人形の「ケン」達は
そりゃオマケ・添え物・引き立て役
なのは男の自分でもわかります
それをフェミニズムの幻想だ
とか言っちゃう奴はちょっと・・
でバービーランドは
そんなですから周囲の小道具も
みんなバービー人形についてくる
部品(おそらく完全再現なんでしょうね)
ですから飲むフリ食べるフリ
人形だから年も取らない
(妊婦型とか売れなかったり
発売中止になったバービーも
ちゃんといるのが自虐的でよい)
そんな世界を謳歌する
(通常型)バービーがそんな
完璧な世界に疑問を感じる
ところから始まります
子供のイマジナリーな世界
ですから矛盾だらけでも
仕方がないんですが
現代社会と当てはめると
毎日繰り広げられる
ポリコレ論争に言葉狩りと
現実世界も混沌した世界
ひどいことも言われるし
老いもある
でもバービーはそんな現実世界に
触れながら「美しい」と
一筋の涙を流します
生きているとはどういうことか
目の当たりにし
このシーンすごくよかったですね
今まで何も「期待」
されていなかったケンが
人間社会で男性社会に目覚め
バービーたちを洗脳して
しまうシーンも男系社会を
逆から描いてるのは面白い
土建も最初から女性がやっている
のなら話は逆になりますし
男性を立てる事が
新鮮に映ってしまうのでしょう
自分はネットでよく見る
話が通じないフェミニストは
まったく毛嫌いしてますが
ガーヴィグ監督の
バービーランドのとらえ方は
考え込まれて面白いです
こうやってテーマとして
あげつらってやってくれれば
いいんですよ
黒人を出せとか
女性を主人公にしろとか
そんな簡単なことではないのだから
簡単にしたがるのは
脳みそが動かないからです
結局バービーは
ランドを取り戻しますが
何も取り柄がない自分に改めて
悩むところで
(マーゴット・ロビーが言っても
説得力がないがみたいな
ナレーションには爆笑した
いちいちメタいんだよこの映画笑)
まさかのマテル創始者が現れ
バービーに創始者にも
わからない未来をを示し
バービーは人間界で生きていきます
ネットスマホの時代
バービー人形に未来はあるのかな
なんて思うことがありますが
売れ行きは相変わらずのようで
驚きました
しかし前述した多様性だ
トランスジェンダーだと
議論に上がる時代に
女の子向けの玩具がどう
付き合っていけるでしょうか
でもひょっとするとバービーが
道筋を示す未来がやってくる
のかもしれないなと
思える映画でした