「「ほんと男ってバカね!」」バービー たくさんの映画レビュー(感想・評価)
「ほんと男ってバカね!」
本作品の登場人物は、現実の男社会とは対称的に女性が司法・立法・行政を司るバービーランドをクールだと捉える。しかし、これは男女差別に対する本質的な解答にはなり得ない。なぜならば、差別の根本的問題とは「能力のある者が正当に評価されない」ことであるからだ。
人員を男女比率で決定するクォーター制などは論外と言わざるを得ない。問題を解決するためには、男女問わず自身の力が正当に評価される社会をこそ、肯定するべきなのである。
加えて、この映画では過剰にリアリティラインを下げた演出がなされる。特筆すべきは、常にアホな行動を取り続ける男たちである。ケンはビーチのことしか考えていなく、マテル社の上層部は結局バービーランドに来て何がしたかったのかもよく分からない。
女性の素晴らしさを伝えるために、男性の馬鹿さ加減をデフォルメすることが「表現」であるのか、甚だ疑問と言わざるを得ない。
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