「今週の大荒れ枠になりそうな予感でしかない…。」バービー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
今週の大荒れ枠になりそうな予感でしかない…。
今年271本目(合計921本目/今月(2023年8月度)10本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
まぁ、見る前から外部(ツイッターだっけ?)で大荒れしたりとネタにはことかかない映画で、普通に見る分に関しては、「普通に」解釈すれば女児も想定されているんじゃないかな…とは一見思えます。
ただ、問題はそのあとで、多くの方が書かれているように、この映画はその範囲を完全に超えていて、フェミニスト思想の話や(字幕版では「フェミニスト」という語は何度か出る)、人種のお話、さらには車いすのお話(←身体障がいをお持ちの方のお話)といった論点が多々出てきます。
正直ここまでというのは想定しておらず、かといってストーリー的にはどうも現地では女児向け枠になっているのかストーリーの筋はわかりやすいものの、最近のいわゆるポリコレ論を全部もった形になっていて、某映画が「ポリコレワールド」じゃないのかと言われたのと同じように、本映画も「ポリコレランド」じゃないのか、と言われても仕方がないんじゃないか…と思います。日本ではまだどうしても、小学校高学年でやっと扱う範囲かどうかというところであるからです。
場外ファイトは場外ファイトであっちもすごかったのですが、まさかストーリーがこんなポリコレ論ばかりになるとは思わず、こりゃ参ったなぁ(お盆の中に入っている、「人を選んで」地雷枠になりうる作品)というところです。
ちょっとこれは…といったところです。少なくとも、女児向けという解釈は無理なので注意が必要かなといったところです(かといって、誰宛てなのかというのも謎)。
採点はこれらまで考慮して下記のようにしています。
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(減点0.7/ポリコレ論の解釈がいろいろに取れる)
・ フェミニズム思想があることは前提であり(なお、単に「フェミニズム思想」という扱いでも字幕版は「性差別」。吹き替え版はどうなってるんでしょうか…)、さらに、人種問題や身体障害者の扱い(ただ、車いすというのは「よくある」一つの類型にすぎず、例えば内部障害など扱いが少ないものに対しても配慮は明確に足りない)など、ポリコレ論を全部盛りまくったために何がなんだか(これらを盛りまくったためにストーリーの展開はこれらの道徳?の教科書を1つ作れるような状態になっている)という、「ストーリーがあるのかないのか不明」な状態になっています。
ただ、この点は、日本以上にアメリカ等「男女同権思想等の先進国」では当然のこととして扱われているだけであり、日本が遅れている、という批判はどうしても免れることができず、ただ単に「日本だけが遅れているだけで映画は悪くない」というのは一応成立します(なので、この観点でも荒れてしまう。日本では小中高までこういったことの学習について、当事者(児童生徒)の「子供の学習権」の概念は存在しても、実際に行使することが困難か、できない)。
(減点0.3/「最高裁判所」が指すものがよくわからない)
・ 日本では最高裁判所を頂点とする一つの裁判所体系ですが、国によっては、私法(民法や商法ほか)と、公法(憲法や行政法など)の裁判所が別々の国もあります(代表例はフランス)。また、「最高裁判所」といっても、それが実質的に「憲法裁判所」(憲法について論じるのみの裁判所)という国もあります(代表例は、実は韓国)。映画内では明確にどこの国か出てこないので(ただ、原作を尊重するとアメリカ?)、一部の法律ワードの解釈が何とでも取れてしまうという問題もあります(ここは、法律系資格持ちが気にするところ)。これら法律ワードは結構飛んでくる割にストーリーには一切関係しない(出てくるだけでしかないノイズワードになっている)のも、何がなんだか混乱させたりと結構厳しいです。
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