夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
全353件中、101~120件目を表示
邦画の良さがギュっと詰まった大傑作
(試写にて鑑賞)
観終わった瞬間から、周りに優しくしようと思える作品。
それぞれの苦しみは当人にしかわからないけど、少しでも手を差し伸べる努力はできるのではないか。夜明け前の最も暗い瞬間にいる人々にとって、栗田科学は一筋の希望の光のようで…。
そして作中に散りばめられた気の抜けるような笑いの瞬間たちが、本作をほっこりとした雰囲気にしてくれていた。
主演の二人が下手に目立たず、周りと程よく溶け合っている様が非常に心地よい作品でした。
歩きみかん…^_^
やさしい時間をありがとう。
持ちつ持たれつ、お互いがお互いを自由に。
PMSに悩まされる藤沢さんと
パニック障害に悩まされる山添くん。
生きたいとは思わないけど死にたくはない。
そんなふうに思いながら生きていくのは
とてもつらくて毎日が退屈で苦行。
電車に乗れず行動できる範囲が狭く世界も狭い。
ひとりの世界に閉じこもるような山添くん。
普段は温厚で人当たりが良さそうな藤沢さんは
月経の前になるとまるで人が変わる。
ちょっとしたことですごく怒る。
炭酸水を開ける音にさえ怒る。
そんな2人が徐々に心を開いていって
お互いがお互いの世界を広げてあげるような話。
そのきっかけになったのは…
山添くんの髪の毛を藤沢さんが切ってあげたこと。
なのではないか?と個人的に思っている。
このシーンはゆるいオーダーを受けて
あとは北斗さんと萌音さんのアドリブだったのか?
と思うくらいに自然だった。すごく面白かった。
北斗さんの笑い方がほんとに弾けていました。
山添くんはPMSを理解しようと
パニック障害のかかりつけのクリニックで
本を借りて読んでみたり…
藤沢さんは電車に乗れない山添くんの
行動範囲が広がればと乗らない自転車をあげたり…
あたたかな人間関係がおだやかに築かれていく。
観ていて心が和やかになっていきます。
山添くんと藤沢さんが勤めている
中小企業の方々もすごくアットホーム。
一緒に働く方にも2人は恵まれていたと思う。
僕も昔、中小企業に勤めていたんだけれど
なんだかとても懐かしかったな。(余談)
生きても死んでもどっちも良さそうな山添くんが
希望を見出して「すごくないですか⁈」って
前職の上司に仕事の話をしていたシーンは
僕もその上司と泣いていました。
出会う人、出会う環境よって、
人は変われる。生き方が変わる。
山添くんと藤沢さん以外の登場人物も
重い問題を抱えているのだけれど
みんなで支え合って生きているという描写が
しっかりとあって全体を通してあたたかな作品です。
エンドロールがこれまた良かったです…
山添くん、これからもゆったりと生きてね。
藤沢さん、辛くなったらまた戻ってきなね。
そう、声をかけたくなりました。
全てが優しい良い映画だった。俳優陣全員素敵で、上白石さんが特に良か...
三宅唱らしさは所々にあって。でも彼特有の若さ・瑞瑞しさ故の荒々しさ...
三宅唱らしさは所々にあって。でも彼特有の若さ・瑞瑞しさ故の荒々しさはなく。ベテランのような、巨匠のような。「きみの鳥はうたえる」のラストの素晴らしさが大好きな自分にとっては寂しいけれど、
しかし彼の作品を見るには今が一番いい時かも知れない。嵐と静粛の間。
未だ頭の隅にひっそりと
3回観ました。1回はコメンタリー付き上映です。
主人公ふたりはあるきっかけをもとにお互いが「相手に何かできないか」と考え
始めることでストーリーが動きだします。
ふたりが恋愛には発展しない物語というのは知ってたとはいえ、お互いを気遣い
相手の為に一生懸命何かをしてあげたり、ふたりきりのシーンが多いと普通なら恋愛に
発展しない訳はないと思うのですが、目を合わせて会話することがほとんどなく、
萌音さんと北斗さんの自然な演技で「このふたりは無いな」と思わせてくれます。
ふたり以外の登場人物もとても魅力的に描かれていて、そんな優しい人ばっかり
いるわけない!ではなくどこかに優しい人がたくさん集まった場所がひょっとしたら
あるのかもしれないと希望が見えました。
静かに、贅沢に、心に残る余韻にずっと浸れる作品です。
自分には合わない
人生の接点での深い出来事
生きづらさを感じる人たちと社会の距離感
生き辛い、しかし、生きたい
うつ病が心の風邪と言われて久しいが、実態は何も変わっていない。本作は心の病に苦悩しながらも、社会と向き合い懸命に生きようとする二人の男女の物語である。
人間は一生の間に色々な病に罹る。治癒する人もいれば、持病として一生その病と闘う人もいる。それでも、大抵の人は、普通の社会生活を送ることができる。日本の社会もそれを認めている。しかし、一つだけ日本の社会が許容できない病がある。心の病である。
本作の主人公は二人の男女。PMS(月経前症候群)で、月に一度、月経前に精神状態が不安定になり発作が起きる藤沢美紗(上白石萌音)と、パニック障害で、突発的な発作が起きる山添孝俊(松村北斗)である。二人は転職先の会社で隣り合った席になる。そして、ある日、山添のある行動が美紗の発作を誘導してしまう。そのことを切っ掛けに二人は自分の境遇を打ち明け、友達とも恋人とも違う互いに助け合う関係を築いていく・・・。
二人の距離感が絶妙。発作が起きた時には助け合う。普段は自己主張をぶつけ合うが、喧嘩にはならない。心の病に罹った者同士の相互理解、相互信頼ができ、心の病と闘う戦友と言うべき関係だから。
生き辛い、しかし、生きたい。という文字が画面に映し出された時には、はっとした。二人は心の病に不寛容な生き辛い社会に絶望せず懸命に生きようとしている。挫けていない。胸が熱くなった。
二人は、出会ってから徐々に生気に溢れ、プラネタリウムの企画では、見事にミッションをクリアする。生まれて初めて二人が生きている喜びを感じた瞬間だろう。
二人が出会った転職先での仕事仲間達は、二人の病に寛大で、出来過ぎ感、違和感があったが、社長もまた心の闇を抱えた人間だと知り得心した。己の痛みを知るものは他者の痛みを理解できるのである。
日本社会の心の病に対する不寛容は、過去の偏見と理解不足が生み出したものである。心の病を熟知し、心の病に罹った人達が生きがいを感じる社会作りが喫緊の日本社会の課題だろう。
社会の中で苦しんでる人を知ってもらうことも映画の魅力
パニック障害、PMSなど見た目では認識できない病が沢山あります、私達が認識することで優しい社会になっていくんだと思った。
零細企業の社長役の光石研さんがとても優しい、それが社員に連鎖していく。
そんな優しさに上白石萌音、松村北斗の心も穏やかに周りのことも見られるように変化していく様子がわかりやすく描かれている。
中でも松村北斗が会社や同僚に否定的な態度だったのが、自転車に乗り、会社の作業着を
着るようになり、出先から差し入れを買って帰る。
病で苦しんでる人だけでなく、精神的、家庭環境に苦しむ人を助けるのも周りの人なんだな。周りの人の優しさは伝わり、連鎖するように。
夜を苦しみに例えるならば夜明けは優しさという太陽により夜明けが来るとさえ思えた、人に優しくなれる映画でした。
やや単調
自分と向き合う映画
じんわり
ドキュメンタリーを観てるよう
全353件中、101~120件目を表示