夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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ADHDとPSMを持つ私より。
あの世界は理想郷だけど、この映画と出会えたことは理想郷への入り口だった気がする
生きづらさを描く作品が増えてきて、天邪鬼もあり観るのを先送り。
その人の苦しみに共感でも、受け入れるでもなく「寄り添う」。静かに、誠実に、温かく物語が描かれているからこそ、胸の奥にストンと登場人物の言葉が落ちてくる。
PMSしんどいよ、どうしても強く当たってしまう。
ADHDしんどいよ、どうしても集中できない。
強く当たってはいけないことを覚えておけない。
今にも崩れそうななかで、どうにか踏ん張ってる。
そんな私に、そんな誰かに、この映画自体が寄り添ってくれる。本当にありがとう。周りが敵に見えても、きっとこの映画だけは味方でいてくれる。
太陽と星と差し入れ
上白石萌音さんを初めて見たのは、映画「舞妓はレディ」でした。その頃から演技も歌もダンスも上手だった。今回のこの映画でさらに素敵に深く大人になったなあと思いました。
ストーリーとしては恋愛系にならなかったことが良かったし現実的だったし、主役の二人だけでなく登場人物のそれぞれが痛みや悲しみを抱えていることにとても共感できた。
上白石萌音さん演じる藤沢さんのような、自分自身お菓子が大好きで差し入れもマメで上手な人は凄いなあと尊敬します。方向音痴でも空を見上げて、昼間は太陽の位置で、夜は星を見て自分がいる場所、向かう場所がわかる・・・はずなのにできない自分に少しがっかりします。
私にとっては大切になった時間
誰もが同じ気持ちになる、そんな映画ではないように思えて。
逆にこの映画でしか受け取れない独自性は、その芯に確固たるものとしてある。
そんな印象を受けました。
淡々とした生活の中でも、それぞれに生きづらさを感じる所はきっとあるけれど、
それを他人と共有する場合もそうではない場合も、何か生きづらさを感じていることを
分かってもらえたら嬉しい。
社会の一員として存在するからには、さすがに個人的な事情や感情ばかりを
表に出すことはもちろんできないのだけれど、
それでもお互いに補い合うことが出来る。
理想論かもしれないけれど、それでもそういう世界が、存在していたなら。
物としての豊かさよりも、心の豊かさや人との繋がりを改めて温かく感じることが出来た
素敵な映画でした。
暗くなるテーマなのに全く暗くない
でも松村北斗がプラネタリウムに元上司を誘う場面の顔、あれどういう顔なの。
悔しいのか悲しいのか、嬉しいのか全くわからなかった。なんで泣いてるの?とか言われてね。むかついてるのかと感じたよ上司が。
そこだけ理解できなかったな。
まあ悲しい顔だったのかな、、。
松村の再就職先を嘘で繋いでたけど、そんなの用意できるわけねーのに口先だけで言っていたわけだしね。
全般的にかなり面白かったし、物語全般で選択のミスをしている藤沢が最後の最後もミスしたっぽいのが皮肉くさい。
私なら藤沢の転職を確実に止める失敗しか見えないから。でも個人の選択としてはこれでいいのだろう。
優しい映画
監督の人を見る目の優しさが映画全編に流れてる。ただ私は、世の中ここまで人に優しい人間ばかりではないと、少しおとぎ話的に観ていたのでリアリティはそれほど感じなかった。
自分は汚れてしまった人間なんだなぁ、と。
純粋な人たちが観る為のいい映画だと思った。
幸せに暮らすために
PMS(月経前症候群)という病気で突発的にイライラして、周りにあたってしまうヒロインを上白石萌音。彼女の同僚となるパニック症候群のイケメンを村松北斗が演じます。
初めは、お互いを理解できない二人ですが、徐々に歩み合い、一緒に会社のイベントを作り上げる。互いの病気のことも、性格も分かり、良き理解者になっていく。
じゃあ、この二人が恋人になるのか?というと、上白石は母親の介護のため、会社を去り、村松は会社に残る選択。特に大きな盛り上がりがあるわけでなく、穏やかな日常に戻っていく。
地味ですが、とても味わいのある作品です。二人が働く理科の教材を作る会社がかなり丁寧に描かれます。二人とも前の会社では、病気や発作のため上手く働けなかったのが、この教材会社では、周りの支えで認められて活躍する。だからこそ、二人の成長や幸せを築いた会社をちゃんと描きたかったのかな。
この二人の関係も、恋人でも家族でもなく、友情以上のおせっかいな関係。単純に言えば「助け合い」なのですが、こういう関わり合い方がかけているのかな、とも。
あと、あえて「病気」という言葉を使いましたが、元気いっぱいでなくても、幸せに暮らせる世の中でありたいですね。
相互理解には全人的な愛が必要
原作を読んで、パニック障害とPMS(月経前症候群)の男女が、お互いの病気を理解し合い助け合う様がとても印象に残った。男女いや人間は、お互い表面的に見せてる部分で良好な関係を維持しようとしがちだ。裏の部分はなるべく見たくない。その裏の部分で相互理解をするには、恋愛とか夫婦愛とかではなく、全人的な愛が必要なんだと痛感する。
映画では、松村北斗と上白石萌音のキャラが、この相互理解のモードに見事にマッチしていた。
脇を固める、ふたりの職場の社長役の光石研、母親役のりょうらも、そのモードを踏襲していた。
会社という組織においては、なかなかふたりの病気は理解されないだろうけれど、原作と同じくそこを暖かく包みこむ会社の存在があり、とても安らかな気分になれた。
人の痛みに寄り添うこと、人を理解すること大切さを感じさせてくれた、三宅監督の心優しき映像も、いつまでも心に残った。
優しくて、あたたかい
他人の人生を近くから見てるようなそんな映画。この映画を見て、劇的に何かが変わるわけでも、大きな何かが得られるわけでもない。でもちょっとだけ人に優しくなれるのだと思う。ここからは個人的に、ですがカムカムコンビの再演がとても良かった。この2人の演技があってこそ、この作品の柔らかさと優しさが出てる。
自分自身を受け入れて生きていく
自分ではコントロールできない心や体の障害を抱える人達が、それを受け入れて生きていくやさしいストーリー。
重たいテーマなのに、なぜか穏やかでどこか自然で
最後にはみんなの顔が生き生きしているのも良かった。
プラネタリウムの美しい星空にも癒されました。
観る度に違った印象を受けそうな作品
視覚効果が印象的な作品だった。日常がフラッシュバックするような、どこかで経験したことのあるような場面がいくつかあって
あれ、なんか知ってる、って感情に度々なる作品だった
映画のことは詳しくないので正解かは分からないけど、
繰り返しのBGMと情景描写が多くて、特に情景に関しては一点から捉えて景色をぼーーっと眺めているような感覚を与えた
そのぼーーーっという時間の中には、それぞれ何を考えるんだろう
観る人によっても違うし、観るときの心によっても変わってくるんだろうなと思った
そう言う意味で、何度見ても違った印象を受けそうな作品だなぁと思った
内容に関しては、私の感想は多分捻くれた間違いなのだと思うけど、率直に、病名ついてるのいいなぁ。って思った
病名がついているから人が心配してくれる、正当化できる、そこには辛さの反面、楽さがあると思うんだよね
私も自分をうまくコントロールできない
けど、それって単なる甘えであるし、やらないだけ、とも捉えられる
自分でもよく分からない。本当にできないのか、本当に辛いのか、
よくわからない
ただそれに正当な理由をつけてもらえることは自己肯定になるし、出来ることとできないことの見分けがついて生きやすくなるんだろうなぁと思った
その点で、いいなぁと感じた、
思えば、もしかするとあのとき苦しくなったこと、電車でうずくまったこと、訳もなく悲しくて泣いたこと、必要以上に人に当たったこと、
たくさん思い当たる節があったし、自分と重なる部分があった
けどその部分が果たして病気の部分であるのか、人間とはそういうものなのか、は分からないじゃない
私は結局いつまでも生きづらいままなんだなと悲しくなった
絶賛な評価に期待してたわりには、、な印象 入りがナレーションとクレ...
絶賛な評価に期待してたわりには、、な印象
入りがナレーションとクレジットで映像に入り込みにくい感覚で、文字表記もあったりと思ったより病気の説明が強め。
主人公の挨拶しないとか歩きながらみかん食べるとか普段の行動が理解しづらかった。
エキストラがやけに目につく写り方してのも気になった。
病気の理解と共感が難しい色んな人がいるってことを知ることがこの映画の趣旨でもあるのかな。
後半は比較的一気に心地よく進んだ。
病状を緩和させるのは医者でも薬でもなんとか療法でもなく、理解し助けようとしてくれる"人"。
最近やたらめったら病名つけられるけど、病名は主張する物にならなければ、自分を安心させられるし相手に知ってもらいやすい良い物だと思う。
穏やかな気持ちになる
どんな人でも受け入れてくれる。
あんな会社実際あるのかな。
皆優しい。
私は病気ではないけど辛いときあんな風に背中をさすってもらえたら嬉しいと思いながら観た。
知らなかった病気を知り興味を持ったのでもう少し調べてみたくなった。
グループセラピー
主人公はお互いPMSとパニック障害を抱える美沙と孝俊。美沙は少々自意識過剰気味で職場の上司が女性にもかかわらず自分の病の相談もできずに結局は辞職する羽目に。孝俊も周りには自分の病気のことを話してない。
いまの職場では周りはそれとなく気づいてるけど特に過剰に心配などせず普通に接してくれる。それが二人には居心地よかったんだろうけど、美沙はやたらと職場に茶菓子を差し入れたりして気を使いすぎだし、孝俊にもおせっかいが過ぎた感じ。でもそんなおせっかいに孝俊も次第に打ち解け始める。
自分の病気のことをわかった風に言われて気分悪い、なんて思った孝俊も相手の病気のことわかってないなと気づく。そうして自分のことだけでなく相手のことも気遣えるようになる。
彼らの職場の社長や孝俊の前の上司はグループセラピーに通っている。皆、家族のことでつらい体験をしたため同じつらい思いをした者同士がそれをお互い吐き出すことで気持ちが楽になったりする。グループセラピーは互いの悩みを他人に話して共感しあい、相互作用によって傷ついた心を癒す効果があるという。
一人よりも二人、二人よりも三人。一人で悩んでいても何も解決しない。流れる水は腐らない、流れが止まった澱みはたちまち腐ってしまうというように人の心も同じ。一人で心を閉ざすよりも他人を受け入れて自分の心の中に新鮮な空気を入れてあげればいやな気分も押し流されていくはず。
美沙と孝俊はグループセラピーには通わないものの、二人の関係はまさにセラピーそのもの。プラネタリウムの企画を共同する傍らでお互いの病気のことやお互いのつらさを分かち合って、それで二人の心は楽になったんだと思う。
ゆっくりとした時間が流れる作品。周りは少しづつ変化してゆくけれど、けして置いてきぼりになんかなってない。自分は自分の人生の時間の流れの中で生きていけばいい。焦ることなく病気と付き合ってゆけば、いずれは肩の荷が下りるように楽に生きられるようになるはず。
美沙と出会ってから孝俊の表情が徐々に明るくなっていくのがとても印象的。
苦しい闇が続いても、夜明け前には優しい星が降り注ぎ、夜明けへすべて繋がる。
「夜の暗闇があることで外の世界に気づくことができた」
暗闇の中だからこそ見える星があるように、
苦しく暗い闇の途中だから気づける優しい心がある。
「夜明け前がいちばん暗い」のなら、星の瞬きのような優しさは、最も苦しい時ほどたくさん降り注がれている。そして、それらすべてが夜明けへと繋がる。
自分にとって、だれかにとって、優しい場所であるところを見つけられたらいいな。
優しい世界はまだまだきっと広がっている。
ヒーリング効果のようなもの
心地の良い映画だった。
たぶん、みんな癒されに行くのだと思う。
ヒーリングミュージックのようなものが流れ、
穏やかな景色が映っていた。
渋川清彦、久保田真希、すごく良かった。
ただ、安定した不安定のように思えて、
少し物足りなかった。
眠くなってしまう私のような人間が
こういう人たちを傷つけているのかもしれない。
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