夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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このキャストで良かった
とにかく優しくて暖かい映画でした。
主演の二人はもちろん、他のキャストの方たちも演じている感じが全く無くて日常を見ている様でした。
台詞のないところも表情と音で伝わってくるのが良かったです。
大きな声の人のばかりだから
とても優しいテイストの心地の良い作品。無理に解決しようとも、無理に話を進めて盛り上げようともしない、そんな劇的なことは日常的に起こらない。人は生きづらさ、行きにくさを抱えて生きている。同じではないがどちらが大変ということもない。劇的に変化する訳ではないので、うまく付き合っていくしかない。そんなことを丁寧に淡々と伝えてくれているように感じた。主人公二人の距離感がとても良かった。周りも無理に支援しないと躍起になってないところが実は自然に受け入れてということなのだろう。そのスタンスとても大事だな。
⑨H-10
良質で素朴な優しい作品
何より、お二方の演技が素晴らしい。そこにいるのは、山添くんと藤沢さんです。実在するかのような二人の自然体な姿が、見ていてドキュメンタリーを見ているような感覚になります。
そして、その周りの俳優さん、演出もすごく良い。優しさが厚かましくなく心地よい。素朴なのに心の奥にぐーっと入ってくる、そんな作品です。
内容は重いものを扱っていて、しっかりその病や苦しさについては伝わってくるのに、終わったあとは重くならず、むしろ軽やかさを感じられて。
あったかい気持ちになり、心の奥に残る映画でした。
生きづらさだけじゃない
原作がとにかく素晴らしいため、映像としてどう描かれているのかと不安と期待が入り混じりつつ鑑賞。
原作とは違う設定、原作にない場面も多数あるけれど、演出、脚本、役者さん全てにおいて秀逸。
余白も含めとても丁寧に大事に描かれている印象。
みんな生きづらさを抱えている。それでもその生きづらさだけが人生ではないのだと、藤沢さんと山添くんの出会いが生き様が物語っている。
それぞれに病気や過去を抱えて生きている藤沢さんと山添君やその他の登場人物たちが、特別肯定する訳ではなく、互いに自然に受け止め認めあっているような空気感が日常を通して流れていて、とても不思議な温かさと心地よさに満たされる。現実もこんな世界で満ち溢れてほしいと願わずにはいられない。
登場人物たちが言葉を交わすシーンは勿論のこと、セリフのないシーンもどこをとってもその登場人物たちの人間性や関係性が透けて見えてくるのが良い。
何より、藤沢さんと山添君もユーモアに溢れていて、原作で描かれているクスッと笑える2人のやり取りが映像として観ると想像以上におかしくて面白くて最高。
上白石さんの藤沢さんと松村さんの山添君が本当にピッタリで、これ以上のキャスティングもこれ以上のお芝居もないのではと言うほど素晴らしかった。
凄く良かった‼️
映画って観てみないと分からないですね。こちら度々映画館で予告編をみていてイマイチ期待してない作品だったんですが、一応の拝見でした。ただ原作が瀬尾さんだったんでもしかしたら?とはありました。
いやー最初から最後まで観い入ってしまいました。
映画を見てる感じではなく、面白いドキュメンタリーをみてるような釘付け。
今回、改めて心の病の大変さを知りました。
皆んなが生きやすい、居場所がある世の中、日本でありますようにと願うばかりです。
鑑賞後温かく爽やかな気分になれる映画
とてもシンプルで淡々と毎日が進む。
エンタメ的なドタバタはほぼない。恋愛もない。
でも、確実な変化がある。
静かだけど観ていて飽きないし、くすっとするところもあって、ほろっとして、心が温まる。
いい映画見たなと思える時間をありがとうございました。
ただそこにある日常
ゆったりと穏やかに観ていられる映画。病気で順風満帆だった歩みの行き先変更を余儀なくされた2人だけど、無理なく自分に出来ることを見出だしていく様に励まされる。原作からの変更があったにも関わらず、見終わったときの余韻は原作を読み終えた時と同じでした。何度でも観たくなる映画です。
自分の住む街や生活がほんの少し愛しく思えるかも
「普通に生きてるだけでもみんなそれぞれいろいろあるよね」という当たり前のことを、みんながあたたかく受け入れて助け合っている。
「いろいろある」部分を描いているので、多少辛く苦しい面の描写もあるが、それが主題ではないし、笑えるやりとりもあって、苦しいなという部分に囚われ続けることはないんじゃないかと思う。
16ミリフィルムで撮影した映画を見たのは初めてな気がする。光がふわっとしていてあたたかくてすごく綺麗だった。
画だけでなく音もナチュラルで街の息遣いが聞こえてくるようで、自分の暮らしと栗田科学で勤める人たちの暮らしは地続きな気がした。
ハレでもケでもなんでもない日常にぴったりの映画。
いい漫画を読んだら漫画を描きたくなるし、いいライブに行ったら楽器を弾きたくなる。それと同じで、あったかい世界に触れたら自分もあったかい人になりたくなる。そんな映画だと感じました。
じんわり温まってフッと軽くなる映画
特別な何かが起こるわけでもなく
何かが解決してハッピーになるわけでもない
でも、観終わったらなんか軽くなったなってフワッと浮き上がるような気持ちになる。
最初からずっとリアルな苦しさで潰されそうになるけど
それでも前向きに自然に過ごす温かさとユーモアに触れて笑顔になれる。
上白石萌音さんと松村北斗さんの醸し出す自然な空気感に静かに笑って泣いて二人と出会えてよかったと静かに思えるそんな静かだけどずっと心に響いて残るふんわりとした映画
三宅唱考
彼の映画は静止画を一枚一枚パラパラ漫画のように綴って、ゆっくりゆっくりめくっていくようで、何気ない日常で始まり何気ない日常で終わる。劇的な変化はないけれど、少しずつ少しずつ感情や情景を変化させ、細やかな希望が見えるとこで終わる。
きみの鳥はうたえる、ケイコ目を澄ませても同じである。
米国寄りというより欧州寄りの作風
本作でもやはり安心の安定感というべきか
観たあと暗闇も悪くないなと思えますよ。
ひとを思いやり、優しくすることは、自分を思いやり、優しくすることでもある。
とにかく優しいストーリー、日々、生きていくにあたって感じている悩みなどを優しく包み込んでくれるような作品。
自分ではどうにも出来ない症状を抱える主人公たちはひとに対してなら思いやり、優しくすることが出来ていることが印象的だった。
そんな彼らの生きる姿をみていると、ひとに優しくすることは、結果的に自分をやさしくすることに繋がるのではと感じた。
淡々と物語が進む作品であるが感動するシーンが多い。そのシーンも感動を押しつけるような演出ではなく、ユーモアが盛り込まれており、深刻にはならない演出であり前向きさのある演出に感じた。
劇場ないで笑い声が多く生まれる、重くなりすぎない前向きな作品だと思った。
ヒーリング効果あり!
パニック障害を抱える山添と、PMS(月経前症候群)を抱える藤沢の2人の男女の関わりを軸に、周囲の人達の温もりのある接し方を描いた実に癒される人間ドラマでした。浅学非才のためPMSという症状があることを知らず、この映画で初めて知ることになりましたが、妻に聞いてみると友人にもこうした症状を持つ人がいるそうで、意外と身近な存在のようです。パニック障害に関しては、かつての自分の同僚にもいたのですが、果たして本作の山添や藤沢が勤める会社の栗田社長や同僚のような優しい接し方が出来てたかと言えば、全く逆だったような気がして、今さらながら反省することしきりです。
話を作品に戻すと、藤沢が山添に対して「お互い頑張ろう」と言うところ辺りから、てっきり2人が恋愛関係になっていくのかと思いきや、全くそんなことにはならず、それでいてお互いを支え合うという関係性が続いたことが、本作を単なる恋愛ドラマではない、ヒーリング効果抜群の人間ドラマにした主因だったように思えました。
またもう一つの本作の特徴は、登場人物がみんな良い人だというところ。現実の世界には中々こうした状況はないようにも思えましたが、何となく観た後に優しくなれたような気がしたのも本当のところ。ヤクザ映画を観た後に肩で風を切って歩くのとは逆の効果が、本作にはあったように思えます。
俳優陣では、やはり主役の2人、山添役の松村北斗と藤沢役の上白石萌音が、非常に良かったです。普段は極々普通なのに、一旦パニック障害やPMSの症状が出てしまうと、人柄が豹変して別人のようになってしまうところをメリハリを付けて表現していました。また栗田社長役の光石研も、過去に弟を自死で亡くしたという心の傷を抱えつつも、2人を暖かく見守る役柄にピッタリの演技でした。
BGMについても、マッサージ店などで掛かっているようなリラックス出来るヒーリング音楽が掛かっており、これも癒し効果を増していたように思えました。
最後に、内容には関係ありませんが、監督や出演者の舞台挨拶が全国の劇場に配信された回に観に行くことが出来ました。三宅唱監督は、敢えて説明をしない映画であると言っていたので、少し身構えて観ましたが、そんなに分かりにくい作品ではなく、安心しました。映画館もほぼ満席で、このままヒット作となるといいですね!
そんな訳で本作の評価は★4とします。
無理しない、誰でもそうだと思うけど、、、
とても優しい映画でした。
パニック障害やPMSは知っていますが、重度だとこれだけ大変たのだと初めて知りました。
私も仕事のストレスでパソコンに向かうことが苦しくて、精神科を受診したことがあります。家族や友人の支えもあって、今はストレスとの距離のとり方を学びました。
精神科に行くのは勇気が必要でした。心療内科とかカウンセリングなど、もう少しハードルが低いと良いのですが。
無理しない、
誰でもそうだと思うけど、
ってところが大切ですね。
また、周りに理解者が1人でもいるとどれだけ救いになるのか。思い知りました。
とても高評価の映画ですが、北斗効果もあるのかもしれません。ちょっと辛いシーンもありましたが、優しくて良い映画でした。
ドキュメント映画のようでした
上白石さんの天然さがキャストの設定にベストマッチしており見ごたえのある作品でした。
前半はのんびりと眠りを誘うシーンが多かったのですが、後半はスクリーンに引き込まれるようなストーリーになっており、とても良い作品です。
鑑賞後プラネタリウムに行きたくなりました。
夜明けはすべての人に訪れる
そこにある日常
どこかにある街の景色
自分以外のものに目を向けた時に気づけることが きっとあると教えてくれる作品
優しい、とか温かいだけじゃなく肌で感じるものは自分の一部だと思わせてくれる作品
まだまだ受け取りに行きたいので、今日の評価は4.5★
前作ケイコと変わらぬ世界観でした
素晴らしかった。瀬尾まいこ原作と聞いて、松村・上白石と聞いて、やっぱりもっとメジャーな感じの三宅監督作品かと思っていたのが、予告編がやけに地味だな、と思っていたけど、完全に三宅監督作品でした。前作と同じくフィルム撮影。
原作がどんなものかは知らないですが、この伝えたいもやっとした孤独や光や未来やら人生やらをストレート言わせないで、障害を持つ若者と、それを預かっている経営者の会社での日常が細かく描かれている。職場がプラネタリウムやってるという設定がよく、狭い中と広大な宇宙と過去と未来を立体的に交差させる。男女が主人公であるが、愛だ恋だではない私たちの友情みたいなものがいい。不機嫌でとっつきづらく、初対面ではウザっと思ってた世界が180度変わった瞬間の喜び。
この伝えるべき物語をどストレートに自分の映画文法で伝え切る三宅監督と俳優陣に感銘受けました。
少なくとも会社や上司には説明しよう
PMSを抱える藤沢さんと同僚でパニック障害を抱える山添君の共助の話。
重度のPMSにより職場で爆発し、更に薬の副作用で仕事中に居眠りし、就職して2ヶ月で退職してから5年後、再就職して働く藤沢さんが後輩の山添君に当たってしまい巻き起こっていくストーリー。
最初は病気マウント?みたいな発言もあったけれど、PMSとパニック障害に死後鬱等の誰でもなりうる精神的病を題材に、みんなで受け入れみんなに優しくという感じのお話しですね。
当事者が受け入れられるのは当たり前という意識はないし、自身で決めつけることを否定している描写もあるし、それでいて周りは受け入れて当たり前と醸しているし、まあこれはこれで良かったけれど、何だか妙に世の中がキレイ過ぎて、当事者達の一人相撲感があるような。
進行にしても終盤は優し過ぎちゃって欠伸ものだし。
どうも自分はメンタルが激強らしいので、本当の意味で理解出来ていないんだろうな…今のところ。
見る度に心が綺麗になれる気がする映画
優しさだけで出来た世界に心がほっこり。
人はみんなそれぞれ色んな傷や苦しみを背負っているけど、同情ではなくお互いに心から寄り添って支え合うことが出来ればこんな優しい温かな世界を現実世界でも作ることが出来るのかな…。
優しい人になりたいな、他人の痛みや苦しみに気付きちゃんと寄り添える人になりたいな、そんな風に思わせてくれる映画。
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