夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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日本の会社ってこんなに優しいのね。
上白石姉妹は萌音より萌歌ちゃんの方が好きなんだけど、そんなのどうでも良いと思いながら着席。
始まってすぐ、社会人成り立ての萌音演じる藤澤美沙、何だコイツ、わがまま放題の自己中すぎるぞ!と思ったら、病気のせいだった。女性しかならないPMS、こんなの初めて知った。もし自分の近くにこんなの居たら感じ悪いよなって思ってたら、その会社辞めて別会社の社員になり5年が経つ。あら、今度は頑張れる会社なのかなって、思ったけど、何にも変わらず、イライラしまくってた。そこで入ったばかりの後輩の北村北斗演じる山添に文句。炭酸水ばかり飲んでないで仕事しろっ!ん、ちょっと待って、一日中、仕事しないで水ばかり飲んでる奴なんてすぐ首になっちゃうんじゃね。と、思ったけど、これ、病気のせいでそう感じちゃってただけなんだろね。ちょっと変な奴だなと思ってた山添は、パニック障害のせいだった。そりゃ生きるの大変だわ。この2人の助け合いがメインなんだけど、凄いなぁって感じたのは、会社の同僚達。2人の病気の事は知らされてないのに皆んな凄く優しく感じた。特に光石研演じる社長の栗田さん。素晴らしかった。この映画を観た外国人は日本の中小企業で働きたくなっちゃうんじゃないかな。プラネタリウムでの最後の仕事もとても楽しかったです。確かに夜が無かったら人類は宇宙に興味を抱かなかったかもね。
モヤっとしたのは最初の数分だけ、後はずっと優しい展開で、とても心を癒されました。
あたりまえで、特別な時間
2時間の上映時間。慌ただしい毎日に、特別な時間を体感じさせてくれる不思議な作品です。
大きな事件も、どんでん返しの展開もありません。
色んなひとが、苦しみ傷つきながらもなんとか前を向いて生きている日々を静かに感じさせてくれます。
主人公のお二人(以前に戦時中の夫婦役を演じている)の空気が本当に自然で、演技を感じさせません。恋愛にもなりませんし、誰かが亡くなったりする場面もありません。仲間が辞めても、当たり前に毎日が繰り返される場面で終幕です。
見終わった後に少々物足りなさもありましたが、時間が経つにつれ心に「ぬくもり」が沁みわたって来ます。
映像にこだわりがあるのか、わざと画質の荒い映像になってます。温かみを感じますが、美しい画が撮れているので、今の時代、鮮明な画でも見たかった気がします。
大規模ロードショー向きではない地味な作品で、興行的には苦戦しそうですが、名作だと思います。
無理しないで
大川景子の編集が良い
人は皆、完璧な生き物ではない。何かしら心身にかけているものがあり、それを怪我や障碍、病などの言葉によって区別、判別しようとする。しかし、その言葉にもグラデーションがあり、人は思い込みによって見誤ってしまうかもしれない。今作はメンタル面での当人の葛藤や同僚たちの助け合いによって病を克服するのではなく、どう付き合っていくのかが問われてくる。惜しむらくはその当人である山添(松村北斗)や藤沢(上白石萌音)の苦しみを理解できない人が現れない、登場人物すべて良い人というリアリティの欠如がもどかしい。こんな快適な職場なんてあるわけないでしょ、というと身も蓋もないが、精神を患う人を蔑む人もまた、言葉で表せない心の疾患があるのだ。そこに “夜明けのすべて” という主題が込められていると感じる。もっと脚本を練り直す余地はある。良い作品を作る意味で原作改変はあっていい、むしろあるべきである。
主演ふたりの演技は印象に残る。さらに大川景子の編集が良い。今後の活躍に注目したい。
朝の光に洗われるような わずかな微笑み
原作未読で映画館告知でよく見たので気になって見に行きました
全体的に静かに物語が進んでいってとても良かったです!染みるように心のなかに入ってきました
病気はすぐには解決できないけど徐々に向き合い徐々に周りの人とも向き合っていくところが良かったな〜
上白石萌音ちゃんの発作が現れる前のスイッチが入るような表情はリアル感ありました
松村くんの徐々に笑顔が出てくるとこ凄い良かった
二人の微妙にズレた会話何気に好きでした😀
友情愛情ではない関係性 同士?みたいな感じがうまく現れていたかと
主役周りを固める役者が渋かった!
会社の人達は町工場のリアル感あって好きでした
淡々と日常が進んでいってあーこのまま終わるのかな〜と思ってたけどプラネタリウムの語り部分が心に来ました 泣けました
上白石萌音ちゃんの優しい語りがまた良いのよ…
世の中には色んな事情を抱えた人がいると思いますが、知って理解してお互いに助け合って生きていくことが大事だと改めて思いました
日常を感じた
それでも夜明けはやってくる
大好きな映画「ケイコ 目を澄ませて」の三宅唱監督の最新作。またもやあんな優しい映画が見れるだなんて。予告の段階で期待値爆上がりです。主演の上白石萌音は、映画出演が実に4年以上ぶり。久々にスクリーンでお目にかかりました。松村北斗は言わずもがな。今や日本映画を牽引する、実力派俳優となりました。
作風的にそれほどヒットするような映画では無いように思いましたが、初日動員はまさかの2位。公開3日目の本日も60%以上の動員でした。やっぱり、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を岸井ゆきのが手にした効果が大きかったのでしょうか。感想としては、良くも悪くも三宅監督らしい作品であるということ。期待していた通りのものが見れたという点に置いては満足度が高いですが、色々と気になる点があるのも事実。よくよく考えると...とどうしてもなってしまいます。
あの作品は耳の聞こえないボクサーを主人公にしているため、〈静〉の描写がすごく美しく感じたけど、この作品ではどうももどかしい。正直、パニック障害やPMSについてあまり理解出来なかった気がしました。タケシ映画のような、言葉数の少ない作品は個人的にかなり好みで、本作もかなり愛おしくはあったんですが、テーマとしてはそれが仇になっているかなと。恐らく、監督がこの映画で目指したところは理解されにくい病気を少しでも多くの人に知ってもらいたい、ではなく、この映画が彼らにとっての居場所となってもらいたい、では無いかなと思いました。
現実はそう甘くないだろうけど、この映画の中ではホッと安心して息がつける。きっと誰かの拠り所になるんじゃないかな。自分の考えが正しければ、満点の映画に仕上がったと思います。周りが優しすぎるところに違和感はあるけど、居心地はものすごく良かった。16mmフィルムとオレンジがかった映像の言葉では表せない魅力。それでいて、上白石萌音と松村北斗の最高の雰囲気。光石研や渋川清彦のような現実にいて欲しい上司、そばにいる人間の在り方が示されているような人物。こんな世界を見て、心から救われた人は多くいるはずです。
点数低めにしたけど、映像作品としては4.5。気になるところはあれど、いい作品であることには違いないです。夜についてのメモ。社長の弟さんの話がとても胸に刺さりました。ドラマで見たかったなぁ。
生きづらさと無縁の人ほど観るべき良作
予告から、心の病気をもつ人々のヒューマンドラマを期待して鑑賞してきました。なかなか見応えがあり、本作を通して初めて知ることもあり、多くの人に観てほしい作品だと感じました。
ストーリーは、PMS(月経前症候群)のため定期的に情緒不安定になる藤沢美紗が、そのせいで前の会社を辞め、今の会社に転職してしばらくした頃、同じように転職してきた山添孝俊の些細な行動にまたもや腹を立ててしまうが、彼もまたパニック障害を抱えて悩んでいることを知り、自身と似たようなものを感じた二人は、互いの存在に少しずつ救われるものを感じるようになるというもの。この二人の関係に恋愛を持ち込まなかったところが、本作の価値を高めていると思います。
恥ずかしながら、PMSというものを初めて知りました。生理に伴うということで人には話しにくく、知らない人も多いのではないかと思います。そうでなくても、自分の持つ病気はなかなか口に出しにくいし、とりわけ心に関する部分は外見からもわからないので、周囲も気づきにくいと思います。もしかしたら自分のまわりにも、心の病気で苦しんでいる人や大きな苦しみや悲しみを抱えている人が何人もいるかもしれません。もっと心を開いて話せる雰囲気が生まれ、互いにわかり合えるような職場や社会になるといいなと感じます。
そういう意味では、藤沢と山添の職場は、一つの理想形だと思います。二人の持つ病気を理解し、必要以上に踏み込まず、それでいて温かく包み込むような職場の雰囲気がすばらしいです。藤沢がこの会社に勤め続けることができているのは、まさにそのおかげだと思います。そして、山添との出会いも、彼女にとって大きな支えになったのでしょう。苦しみを慰め合うのではなく、助け合って前に進もうとする様子が素敵です。一方の山添も、転勤した頃の無愛想な態度が和らぎ、心を開くようになり、元の会社に戻ることをやめ、この会社に残ることを決めます。藤沢との関わり、同僚との出会い、離れても親身に寄り添う元上司のサポートが、彼の心を少しずつ解きほぐしていったのでしょう。
そんな二人の絆や生き方を象徴するかのように、プラネタリウムが印象的に描かれます。中でも、プラネタリウム上映中に藤沢が語る「夜の暗闇があることで外の世界に気づくことができた」という言葉がとても印象的で、なんて素敵な考え方だろうと思いました。暗闇の中だからこそ見える星があるように、苦しい時だからこそ気づけるささやかな優しさがあるのです。「夜明け前がいちばん暗い」のなら、星の瞬きのような優しさは、最も苦しい時ほどたくさん降り注がれているのです。そして、それらすべてが夜明けへと繋がっているのだと、本作のタイトルが伝えているような気がします。
主演は、松村北斗くんと上白石萌音さんの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ペアで息ピッタリ。脇を固めるのは、光石研さん、りょうさん、渋川清彦さん、芋生悠さん、藤間爽子さんら。中でも、渋川さんの演技が秀逸で、思わずもらい泣きしてしまいました。
今回は上映後に舞台挨拶中継がありました。萌音さんはコメントの端々から優しい人柄が伝わってきたり、光石さんは栗田社長同様に現場を和ませていたという話が聞けたり、三宅監督は強面の見ためと違って周囲への感謝と気遣いを忘れない手紙が素敵だったりと、作品に負けない温かみのある舞台挨拶でした。
暖かい陽射しが素敵な映画
明けない夜はないと言うほど単純ではなくて
原作未読。ただ、瀬尾まいこさんの「そして、バトンは渡された」を読んでいたので、誰かが誰かを思いやるような作品を期待しており、その期待は裏切られませんでした。
山添(松村北斗)と藤沢(上白石萌音)がお互いに相手を知ろうとしたり、「会社のいいところ?どこかな~?」とズバリと言葉にできないような、周囲の人々が彼らに向ける視線や優しさが、穏やかな夜明けの薄ぼんやりした淡い光を感じさせる映画でした。
明けない夜はないと言うほど単純ではなくて、この先も同様に悩まされていくとしても、一人ではないと思えることが救いになることがあるかもしれないと思えました。
ひとつ分からなかったのは、栗田社長(光石研)の弟。あのナレーションから感じられる彼はウィットに富んで、余裕もありそうに思えるのに何故?
主演の2人は役に非常にマッチしていました。特筆すべきは、光石研さん。いつもアイドル主演映画で脇をビシッと固めてくださるのですが、今回も秀逸。彼の悲しみと優しさがこの映画を一段上に上げていると思いました。あとは、丘みつ子さんがテロップ出るまで分からかったのと、りょうさんがこの年齢の役?というのが驚き。
移動式プラネタリウム、行ってみたいな。
人のやさしさ、あたたかさ
PMSのため月に一度、イライラが抑えられなくなる女性。
パニック障害のため転職してきた男性と同僚となる。
その二人は、最初は互いに苦手意識を持ちながらも、
恋愛感情や友情ではなく、お互いが持つ症状を少しずつ理解、
まるで同志のようにお互いに支え合っていく。
そして、その二人を温かく見守り、時には助ける、中小企業の社員たち。
素敵すぎでしょ、この二人の関係、そしてこの会社の人たち。
私もそこまでメンタルが強いわけでもない、平凡な人間であるが、
この映画を観た人がそれぞれいろいろな感想を持ち、そして救われる、
とても素敵な作品でした。
夜明けの直前が一番暗い、でもその後に新しい明日がある。
周りが支えてくれる日常の大切さ
お守りになる映画
今を生きるみんなへの贈り物
生きた例を知らないと共感難
正しく知ること。
栗田科学は理想郷だった
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