夜明けのすべてのレビュー・感想・評価
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胃がもたれないお茶漬けの味
1 傍目からは健康そうに見えても、心と体の不調を抱える男女が自分なりに歩んでいく様を描く人間ドラマ
2 粗筋はつぎのようなところ
月経前のいらいらが起因する病気により変人と思われる上白石とパニック障害を抱え無気力に見られがちな北村が主人公。上白石が転職していた小さな会社に北村が大企業から一時的に移り同僚となる。些細なことからふたりの関係は険悪となるが互いの病気を知ったことから助け合っていく。そして・・・。
3 本作は、粗筋の内容が主軸となるが、サイドスト-リとも言うべき会社内でのお仕事映画の側面もある。そしてこのことで作品に厚みと温かさが加わった。2人が勤めている会社の社長と北村が勤めていた会社の元上司は肉親を自殺でなくしている。このことで弱者に対する眼差しが優しい。病気のある二人に対しては、あくまでも普通に接しながら能力を発揮できるようバックアップしている。同僚達も気を掛け手を指しのべてくれる。こうした関係性は、最後まで一貫している。
4 映画のテンポはほぼ同じリズムを刻み、各シーンは恬淡にして深堀りすることはなく、切りの良いところで次に繋いでいく。三宅は感情に訴えることをせず、全体的にさらりとした演出で物語を紡ぎ、見る者に安らぎを与える映画にした。
5 上白石と北村の普通っぽさと最初のおずおずもぞもぞした関係性が次第に変わっていく様と光石研の渋い存在感が好印象
6 意地悪かもしれないが、心の中では「北村がいた社員のメンタルヘルスを大事にする会社は物語だけの世界。現実世界では病気を理解 されず、不当に扱われてしまうのではないか」と思ってしまう。
心暖まる映画です。
この映画を観た時間が有意義でゆっくり時間が流れる、また感じたい映画です。
また明日からも頑張ろうと思えました。
パニック障害の方など出会えた時、
私は力になれるのか微々でもなりたいと思えました。
綺麗事だと言われてしまえばそれで終わりですが、この映画を通してそう思えました。
優しい世界
優しい世界であっという間に読了した瀬尾まいこさんの原作と内容は少し変わっていたけど、優しい空気感はそのままでした。
フィルムで撮影されてたのかな、少し荒いぐらいの映像がとても良かった。
萌音ちゃんの心地よい声でのプラネタリウム見たくなったな〜。
みんな
何か抱えながら生きてるんだなと思います。
PMSやパニック障害など名前が付いた症状であったり、名前のつかない症状だったり…親の介護や家庭の事情、人間関係。何も背負ってない人はこの世にはいないので、他人に少しでも優しくできれば良いなぁとこの映画を見て改めて思いました。
あと、ここに出てくる会社ってめちゃくちゃホワイトだよね?羨ましすぎ…と思っちゃいました。
ホリプロ発だけど意外と観れるよ
冒頭の語りが全体を表していると思う。聞き手を想定していながらも、自分に対して言い聞かせて自身を納得させているようなナレーション。自分の中にいる他者というか制御できない部分を常に感じて実務的に対応している。この態度は全編を通じて一貫している。
この映画では病名付き発作性の精神疾患で悩む男女2名の交流を軸に社会的に適応していく、というまぁ、芸能プロダクション発の企画らしいこと。映画ではなくスペシャルドラマ向きなのでは?と感じつつ、この女優演技できるんだ、と驚きました。
最後クレジットの箱庭的な絵がカメラの近くまで飛んでくるボールで絵が崩れるところにはゾクゾクした。この感覚は共有し辛いんだけど...いい映画だと思います。
優しく寄り添ってくれる映画
日々の中でちょっとした息苦しさを感じる2人が主人公。
2人だけでなく、周りの人たちもちょっとずつ痛みを抱えていたり、気づかなくても自分のすぐ近くに起こっていそうな、大きな事件が起こるわけでなく、静に進んでいく。
無理をせず、そっと寄り添うキャラクターたちの作品でした。
すでに今年1じゃないかと思うくらい良作。
2回以上見ることをおススメ
私は原作本を読んでから映画を観たのですが、1度目は、原作との設定の違いが多いことに気を取られて、なかなか集中することができませんでした。
それから、恋愛物でも、アクション系でもない、こういった作風の映画を観ることが初めてだったので、起承転結のはっきりしないものにも不慣れでした。
でも・・・
心にじわっと温かい物が残る映画だったので、パンフレットを読んで、もう一度観ました。
2回目は、登場人物すべての人の温かさに心打たれながら、心地よい時を共有し、「夜明け前が一番暗い」「出会えてよかった」というワードが心に響きました。
他の方のレビューを見ていると、私の初回のような感想の方も結構いらっしゃるようですが、ぜひ、もう一度観ていただきたい。
2度目は、登場人物すべてが愛おしく感じると思います。
結局、今のところ5回も観ていますが、また、会いに行きたいと思っています。
最高の良作
大きな事件が起こるわけでも2人が恋愛関係になるでもなく静かなストーリーなのにこんなに心揺さぶられるとは思いもしませんでした。
原作が大好きで、原作から改変されているところも多いけれど見終わったあと、原作と同じ夜明けのすべての世界観だと思いました。
特に上白石萌音さんの演技は圧巻!PMSになってるだろうイライラ感、体調の悪さなど語らずともその表情で分かるし普段の穏やかな藤沢さんとは別人のようで、少し変わったところも原作の藤沢さんそのままでした。この難しい役を自然に演じた萌音さんは必見です。
人は見た目じゃわからない
一見平凡な人々。でも他人には理解されない体質や悩みや病気などを抱えて日々生活している。この映画では会社や同僚の理解があり、仕事しやすい環境になっている。でもその周囲に甘え過ぎず、自分と向き合い自分のペースで少しずつ改善している。地味だけど自然体で良かった。
上白石萌音が好演
ふだんは周囲に対して、過ぎるくらいに気を遣って生活しているのに、月に一度、PMSでイライラが抑えられなくなって、暴言を吐いてしまう藤沢さんを、上白石萌音が見事に表現していた。
しかし、それ以外の部分が、あまりにも淡々と、坦々としていて、残念ながら自分には合わない映画だった。
穏やかな日常にこそ幸せがある
三宅唱監督のファンです。
やはりこんな時代にこそ必要とされるべき映画で、こんな映画こそ辛い時に見るべき作品だと思いました。
俳優陣の実存感のある芝居、主役のお二人は当前のこと、職場の全員が悩みや、苦悩までが伝わってくるくらいそこにリアリティを感じた。なんて素晴らしい世界観なんだろうと。
青山真治監督の作品に出てくるふたりもいい味出してて泣ける。
プラネタリウムのくだり、もうあの場面は白眉でした。映画でしかできないような、表現に感服。
みな人知れず戦っている
PSMというものがあるのは、この映画で初めて知りました😳
ネットでは時たま女性のヒステリックを揶揄しているのを見かけるが、この病気(?)があるということを知らなければならないですね。。
さて映画のほうは、とても丁寧に心情や苦悩が描けていて見入ってしまった!最後は劇的に何かが変わったわけではないが、2人とも前向きな一歩を踏み出せたのでは。
主演の俳優陣も素晴らしい👍
萌音ちゃんはキレ始める前から、空気が違っててすごかった!
北斗君はメキメキと実力をつけてますね。
もう一度見たい
映画は頻繁に見る方ではなく、好きな俳優さんが出演しているので見に行きました。
序盤は症状がでているのをみて、つらくなりましたが、話しが進むにつれて、クスッとなるところもあり、こちらの心も軽くなっていきました。
ものすごく、ハッピーエンドではないけれど見終わってから、じわじわくる感じ。
明けない夜はない、、、
本作、正直言えば三宅唱監督作品でなければ観ていなかった可能性が高く、逆に言えば鑑賞前の興味はその一点でした。むしろ意外だったのは、旧ジャニーズの方が主演にも拘わらず、初週のシアターはそれほど大きくないTOHOシネマズ日本橋のSCREEN9(同映画館9スクリーン中5番目の座席数)で、実際の客入りもサービスデイの夜回で5割弱。ただ、本作、観ておいてよかったと思える良作でした。
三宅監督の演出、余計なところがなくてとても観やすいです。扱われる題材に対して変に誇張したり、同情を誘うようなことを一切しません。私は当事者ではないのでどれだけリアリティーがあるかは判断できませんが、そもそも必要なことは「理解」だと再認識させてくれます。
昨今では少しずつ「人が抱えることのある症状」の見識が一般にも広がりつつあります。とは言え、それらのことを正しく理解できて、対応できる非当事者は殆どいないと思います。私自身も症状を持ち、通院・投薬されている方と一緒に仕事をしたことがありますが、お互いに負荷がかかっているような状況では相当に削られることもありました。そして今、本作を観たことでより社会全体が理解を深める必要があると再認識しました。(あの人は元気でやっているだろうか。。)
飾り気のないセリフに、思わず吹き出しそうになるユーモアや、ホロリきそうな温かみに救われた気がする作品。特に当事者の方には「引け目」さらには「強迫観念」を思ってしまうことがあると思います。「明けない夜はない」わけですが、変わらなければ同じ朝が繰り返す。だからこそ理解を深めることが重要ですね。
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の...
自分が病を抱えているから人の苦しみを分かるなんてことはなく、自分の方が症状が重いとか、つい他人と比べて自分を不幸にしてしまいがち。
そんな事は意味がなくて、まず「他人の痛みは完全には理解できない」と割り切る事、その上で相手が抱える痛みを知ろうと努力をする事、善意を押し付けない事、それが人と関わる本質なのかな、と感じた。
二人が互いに依存しすぎず、自分の頭で考え、自分の足で立っているところが良かった。
そして何より周囲の人たちの掘り下げが丁寧なのが素晴らしかった。
彼らも大きな傷を抱えていて、二人を支えることで自分たち自身も救われているのだな、と感じさせる眼差しが本当に温かかった。
プラネタリウムの藤沢さんの語りのなんと静謐で雄大な事か、それを深く受け止める山添くんのあの表情を思い出すだけでも心が揺さぶられる。
明けない夜はない、でも今目の前に広がるこの夜もまた二度と来ない。
痛みも苦しみも抱えながら、誠実に生きていこうと思えた。
生き辛さを共に生きる
とにかくどこまでも優しい映画。
16mmで撮られたらしいフィルムの質感からしてすでに優しい。二人の病気にも、会社やサークルの人達の生き辛さにも、とにかくただ寄り添い、生き辛さを共に生きる。劇的な治療とかそういうことでなく。そしてそれをそのままに劇的にせず映画にする。それこそが優しい。
って、監督は「ケイコ 目を澄ませて」の監督じゃないか。納得…
しかしこの規模のメジャー作でここまでやる。それが凄い。
何故に評価が…😓
うーん😔パニック障害の男と生理前にパニックに陥る(初めて聞いた病名)女性が、お互いを尊重しながら成長(回復?元に戻る?)していくストーリー
パニック障害の女性がいた職場を体験しているが、あんな風な生易しいものではない…地獄絵図で有り、映画の中ではまだまだ…
とてもホワイトな会社ではあるが、僕が馴染めるかは…パニック障害の男性にはめっちゃ良かった職場なんだろうけど…
明けない夜はない、止まない雨はないそして、夜明け前が一番暗い(大変だ)と言いたいのだろうけど、後ろと前のおっさんの鼾にはげんなり
試写会評価が多いのかな〰️
優しさの意味
生きづらさを抱えた主人公のふたりを周りも優しく見守り、自分らしく生きていく。
だけど、この映画は、誰かの優しさは、誰かの助けになり、それは連鎖しているものなんだと伝えているように思えます。
本当に優しく、そして温もりのある作品でした。
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