「他人のために涙を流さない二人」夜明けのすべて やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
他人のために涙を流さない二人
基本的に主人公達、とりまく人々の演技はとても良かったんですが、脚本、演出に疑問が残りました。
「まず主人公達の関係性について」
互いのプライベートな悩みや弱みを正しく理解するってのは男女を問わず人間関係構築の早道と考えてます。
本作の主人公達の悩みは、互いに社会生活の継続に支障をきたすような重篤な疾患(パニック障害、PMS)であることから、彼らの「関係の深まり方」に個人的には期待(何を:笑)してたんだけどなんだかとても肩透かしでした。
異性を部屋に上がらせながら互いに異性を意識さえしないのもアレ?ですけど、相手のことを何より思い遣って率先して行動するという流れが脚本でも示されてたのにねえ。
やはり、自身の疾患が完治しない、する見込みさえ確かでないのでそれどころではないかもしれません。ですけどラストの「互いに全然関係ない方向に向けた笑顔」が、私にはドライ過ぎて、言い方悪いけどどっちも自分本位にしか見えず・・・違和感が酷かったです。
「そして彼らの周囲の恩人に対して」
少なくともお世話になり生きるための筋道を作ってくれた関係各位(全方位の限りなく良い人々)に対して時に涙くらい流したっていいじゃない、と思うのは野暮なことなんでしょうか。表現、演出が上部だけなんですよね、何事も。
では。
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