劇場公開日 2023年6月23日

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「供述者が知りえない情報を供述の中で描くのはアンフェア」告白、あるいは完璧な弁護 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5供述者が知りえない情報を供述の中で描くのはアンフェア

2023年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

評価が高かったのであまり予備知識なく観たけれどすごく面白かった。さすがなんでもアリの韓国映画と思ったがオリジナルは2016年にスペインで製作された「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」でイタリアやインドでも既にリメイクされていて本作は4本目だそうである。チラシなどではサスペンススリラーという呼び方をしているがミステリー要素が強く、アガサ・クリスティの「アクロイド殺し」の如く叙述トリックが駆使されていて作者(映画監督・脚本家)の視点が明らかに観客をミスディレクションするちょっとずるい手法なのだが、そう思い込んで観てしまうのはやはり観客の自己責任なので二転三転と翻弄されるのが快感でもある。韓国映画につきものの暴力描写を極端に抑えていて、クライマックスで主人公のソ・ジソブが怒りに任せてテーブルの上の書類を払い落とすだけのアクションでドキリとさせる演出が秀逸。オリジナルのスペイン版が気になってU-NEXTで観たのだけれど、韓国版は更にトリックを幾つか加えていてやはりサービス精神旺盛であるが結末はオリジナルのほうがあっさりストレートで良かった気もする。殺される不倫相手役のナナがロングヘアとショートカットで演じておじさんにとってはかなり魅力的で良かったです。

たあちゃん