「乗り換え上手」告白、あるいは完璧な弁護 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
乗り換え上手
韓国映画はアクションも優れていますが、サスペンスも強い印象なので期待値高めで鑑賞。リメイク元やそれらのリメイクは見ていないので完全初見です。
結構凝っているサスペンスものだなと思いました。映像そのものがフェイクというトリックには多々驚かされましたが、それやりすぎたらなんでもアリでは…?とも思ってしまいました。
序盤では全員、冷静で色んな物事にも大人な対応をできているのに、終盤に進んでいくにつれて動揺し、感情的になっていくのが人間味があって良いなと思いました。
主人公が頭良さそうだし機転も利いてるんですが、真実だったりをペラペラ喋っちゃうんで、その度の種明かしが何度も続くと、こいつさては賢くないな…?と思ってしまうシーンが後半は乱れ打ちの如く存在していました。生きていた被害者をテンパって殺してしまうのも、結局ラストで墓穴を掘ってしまうのも、そこまでの完璧人間がザザッと崩れていくようでした。
弁護士も車が雪で滑ったり、家から逃げ出そうとしたら頭をぶつけたりと肝心なところでベタなやらかしをするのがどうにもギャグにしか見えなかったのが残念でした。
よく考えたらキムも被害者の父親からの電話をすぐ切れば良かったのに、何故かギリギリまで鳴らして直前で隠すとかいう焦らしプレイをしたのはなんでかなーと思ってしまいました。ベタは上塗りすると被れてしまうので、やりすぎは勿体なかったかなと思います。
役者陣の立場の変化による立ち振る舞いや、表情の使い分けなどが観ていてとても見応えがありました。最小限の喜怒哀楽が各シーンに深みを増しているようでした。
絶賛とまではいきませんが、頭フル回転で観れる作品は久々で、スクリーンに目一杯集中できたのはとても良かったなと思います。
鑑賞日 7/2
鑑賞時間 16:30〜18:25
座席 E-13