「【”貴方は、作品設定上の”嘘”と”真実”を見抜けるか!”二転三転四回転半するストーリー展開に、魅入られる韓国サスペンス・スリラー。今作は、鑑賞側に対して様々なトラップを仕掛けてくる作品でもある。】」告白、あるいは完璧な弁護 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”貴方は、作品設定上の”嘘”と”真実”を見抜けるか!”二転三転四回転半するストーリー展開に、魅入られる韓国サスペンス・スリラー。今作は、鑑賞側に対して様々なトラップを仕掛けてくる作品でもある。】
ー この作品の根底は劇中に語られる”子を亡くした親は怪物になる。”という言葉に尽きると思う。-
■IT企業社長のユ・ミンホ(ソ・ジソブ)は、密室のホテルの部屋で一緒にいた不倫相手のキム・セナ(ナナ)の殺人容疑を掛けられる。
証拠不十分で、一端、保釈されたユ・ミンホは100%無罪を勝ち取ると言われる敏腕女性弁護士ヤン・シネ(キム・ユンジン)に弁護を頼む。
無罪の立証のために真相を話す様に促すヤン弁護士に、ユは山中でキム・セナが運転していた車の交通事故が、殺人に関係している可能性があると告白する。
◆感想
・今作は、鑑賞側に対して様々なトラップを仕掛けてくる作品である。
・キム・セナの密室での殺害シーンは、ヤンとユの会話の中で、様々なシチュエーションで何度も再現される。
但し、犯人は都度違っている。
・最初はオドオドしていたユの”真の顔”が浮き彫りになって来る過程の描き方から、何を読み取るかが、鍵である。
■驚きの展開
1.ユとキム・セナが、山中の裏道で鹿を避けるために起こしてしまった事故。運転していた車は無傷であったが、対向車線を走っていた車の運転手の若者は頭から流血して動かない。
ユは若者の車を処理するためにその場を去り、セナがその場に残る。
そこに通りかかった車整備工場を運営している親切な男、ハン・ヨンソク。
2.セナがハン・ヨンソクの家で見た家族写真。そこにはあの青年が写っていた。驚愕するセナ。そして、ハン・ヨンソクが真相に気付いて行く様。
3.一方、ユの別荘に来た弁護士ヤン・シネが、執拗に真相を明らかにするように迫る姿。
4.ユが湖に青年と共に車を沈めるシーン。トランクに入れられていた青年が叩く音。彼は生きていたのである。が、ユはスパナを振り上げる。
5.ユの告白を聞いた弁護士ヤン・シネが、自らの真実の姿を告げるシーン。だが、ユはその前に契約書のサインの違いからヤン・シネではない事を見抜いていた。”アンタ、誰なんだ。” そして、偽のヤン・シネで真実は青年の母親に、自らの肩を撃たせるのである。
<今作は、随所に見る側に対し、ミスリードさせるトラップが仕掛けられている。(例えば、様々なシチュエーションでのキム・セナの密室での殺害シーンである。)
だが、今作がハラハラしながらも魅入られるのは、子を亡くした親の執念が伝わって来るからである。
ユは、ラスト、若者殺害の容疑で手錠を嵌められるが、直ぐにキム・セナ殺害容疑でも逮捕されるであろう。
ハン・ヨンソク夫妻の執念の勝利であろう。
今作は、見応えある、サスペンス・ミステリー作品であると思います。>
なるほど。確かに"おすすめ韓国映画30選"みたいなの見てみたら、やはりポン・ジュノ監督は何作品が入ってましたが他は様々な監督でした。そして韓国映画にはシリーズものはあんまりないような。観る人の基準が高いから作る側もハイレベルを求められるのですかね?
素晴らしいコメントありがとうございます⸜( •⌄• )⸝
NOBUさん 共感ありがとうございます。息子を心配する夫婦の姿、ものすごく伝わって来ましたね。親子でいるシーンはそうないのに、その関係を想像させるような愛情をこうもひしひしと熱にして感じさせるのかと。本当に親切な善人である父が、職業的勘を鋭く働かせる母と共に息子の為に命がけで挑む時のあの目の強さと、哀しきとどめの瞬間が頭から消えません。