「ぬくもりと痛みと」aftersun アフターサン lllさんの映画レビュー(感想・評価)
ぬくもりと痛みと
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すごい映画を観てしまった。直接の説明は何もなく婉曲表現が多いので初回は分からないことが多かったが、この映画についてのレビューや考察を読んでから2回目を鑑賞するととんでもないものを観てしまったとしか思えなくなる。
家族の自死をこんな表現で描くなんて。姉を自死で失っている私は胸が塞がる思いだった。
カルムはソフィの父親であると同時に31歳の青年。おそらくうつ病に苦しんでいる。希死念慮と生きたい気持ちの板挟みでずっとずっと苦しかっただろうな。愛する娘の成長を見守り続けたかっただろうな。でも。
11歳という子供でも大人でもない少女を自然に演じたフランキー・コリオ、そして難しい役どころを見事に演じきったポール・メスカル。直接描写を一切用いずに、遺された家族の痛みをも描く演出。
久しぶりに忘れられない映画と出会った。
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