「あの時、あの場所に」aftersun アフターサン ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
あの時、あの場所に
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父と娘のたわいもない旅のビデオが、こんなにも悲しくこんなにも感情が引きずられるだなんて思ってもみませんでした。監督は、「今まで生きた中で一番楽しい日々」だけど「一番悲しい日」を作品で昇華したけれど、いまだにあの時あの場所に帰りたがっているのかもしれません。様子がおかしかった父親の自死をどうにか引きとめたかった。ただ、幼すぎた。鬱病という病気も知らなかった。
父親と同じ年齢になってからやっと向き合えたビデオテープ。もしかすると父親は本当に自分を愛していたのではないか?やむを得なくこの世を去ったのではないか?ソフィを包み込む様な優しい笑顔のカラムがテレビに映し出されます。
アフターサン。
父親の手の温もりを思い出すもの。
旅先での美しい景色を映したカメラの色彩がどこか儚げで、まるで夢の中にいるようでした。そして、ポール・メスカルも幻のような影のようなそんな演技ですっかりファンになってしまいました。淡いブルーが印象に残りましたが、あのバリー・ジェンキンスがプロデューサーだったんですね。
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humさんのコメント
2024年7月29日
共感ありがとうございました。
そして私もこのレビューにとても共感しました。人生、家族の時間、ふたりの時間をこえた切なさが胸にしみますね。
この季節にまた観たくなりました。