「観たい度○鑑賞後の満足度◎ 映像で綴る短編小説のよう。素直に映画って本来こういうものだな、と思わせる。新人監督ながら映画をよく分かっていると云うことで(新人)監督賞を取ったのかな。」aftersun アフターサン もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
観たい度○鑑賞後の満足度◎ 映像で綴る短編小説のよう。素直に映画って本来こういうものだな、と思わせる。新人監督ながら映画をよく分かっていると云うことで(新人)監督賞を取ったのかな。
①映像(ただ撮っているだけではない)・構成・編集・音楽そして少ない台詞(私達だって、“私はね、私はね”と自己主張する時、議論する時、口論する時なんか以外は、日常、家族や友人と話をする時は必要最小限しか話さないものね)で、でも伝えるべきものは伝えて(表現して)いる。そういう意味でとても映画らしい映画。
内容よりも其方の方に感心する。
②11歳の少女にとっての世界は大好きなパパとママと親族と友達と学校(先生も含め)。自分もそうだった。反抗期や今までただ好きだった人の欠点が見えてきたり否定したくなる年頃の少し前。
そんな頃の一コマを捉えた父親が撮ったビデオを観ている、ビデオの中の父親と同じ年齢になった娘。
ただ、それだけの物語。
でもまだ若い父が自分を愛していてくれた事はビデオを観れぱ分かる。
③31歳で11歳の娘がいると云うことは20歳で父親になったということ。
若すぎる結婚、出来ちゃた婚?駆け落ち?娘と暮らせない何かがあるんだろうね。
その辺り何の説明もないけれども、伝わるものはちゃんと伝わってくる。
二人の最後の夜に流れるボウイとクイーンのコラボ曲「Under Pressure 」の歌詞が実に意味深。
④他の映画と比べることはあまりよくないとは思うけど、こういう映画に出会うと一昨日観た『波紋』なんかは如何にもあざとい、作り物の映画に思えてしまう。
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