インフィニティ・プールのレビュー・感想・評価
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沼に落ちるサイコーな気分
🏊♀あらすじ
・無名な作家ジェームズが新しいアイディアを求めるために、妻のエムと一緒にリゾートな島で休暇をしていた。そしていつもの繰り返しな休暇中にガビとアルバンに出会う。ジェームズはすぐにガビに惚れ込んで行く。そして、4人の外出帰宅時にジェームズが交通事故を起こす。島での犯罪は死刑とトーマスに言われるが、観光客はお金で自分のクローンを作って身代わりができる。そして、ガビはジェームズを今にない境界のない快楽に落とし込む。
🏊♀良かったところ
・ジェームズが自分の居場所を見つけたようなエンドロールが良かった。
・ミア・ゴスの演技力は表現できない。違和感のない怪奇キャラクター
・先が読めないテンポ
・1カットの絵がすべてきれい
・制限のない自由な描写
🏊♀いまいちなところ
・ガビとアルバンの関係性の描写が少なかった
・非日常な休暇を楽しむ為に島を訪れているのか、本当に島を訪れる理由が欲しかった。
🏊♀考察
・支えてくれるパートナーと引き出してくれるパートナーが別物だなと思いました
・来年のシーンが欲しかった。また、どんな背景の観光客をターゲットにするのかがあってもよかった
◇旅の恥はカキ捨てて現実自己逃避
取り澄ましたセレブな日常の中で、隠され抑圧された欲望を解き放つ為に、裕福な富裕層はリゾート地に出かけてハメを外します。
才能の欠如故に執筆活動は停滞、資産家の妻の尻に敷かれて創作意欲も湧かない小説家にとって、リゾート地での欲望の放出は稚拙な程に哀れで激しいものになりました。
アルコール、タバコ、ドラッグ、セックス、悪戯心の殺人ゲーム。リゾート🏝地で繰り広げられるセレブ達の遊戯はとどまる所を知らずにエスカレートしていきます。
リゾート地の雄大な大自然の海辺の風景を借景した"インフィニティプール"とは、二世監督と二世俳優が創作するアートな人間の本性や欲望が、所詮は囲い込まれたものでしかないことの象徴です。そんな清潔で安全な水面に、ミア・ゴスという凶暴な雌ザメが入り込んで、男たちを噛み殺していくような、そんな恐怖と痛快が入り混じる世界を楽しめました。そして、観る者までもリゾートの奥に広がる野蛮に連れ出して、現実逃避させてくれました。
不穏さがことごとく滑ってる
クローネンバーグ監督作らしい、おぞましさ
主人公に感情移入したら気が重くなってしまった
バリ島風のリゾートにやってきたフォスター夫妻。ホテルで知り合ったバウアー夫妻に誘われて、本来は禁止されているホテルの外へのドライブに行った結果、夫のジェームズがとんでもない目に遭うというホラー作品でした。
本作のキーとなるのは、自分のクローンが作れてしまう技術がある世界のお話であることで、島民を交通事故で殺してしまったジェームズが、自らのクローンが罪滅ぼしのために身代わりとなって死刑に処せられるのをはじめ、何度もクローンが殺されるシーンが印象的でした。
さらにもっと怖いのが、「Pearl パール」での演技が非常に印象的だったミア・ゴスが演じたガビ・バウアー。リゾートでの暇つぶしにジェームズに狙いを定め、気がある振りをして彼に近づき、徐々に肉体面、精神面両方で追い込みをかけて最後は廃人にしてしまいました。人間のクローンを作れるという設定は完全にSFですが、その部分を除けば金持ち女に弄ばれてポイっと捨てられてしまったジェームズの姿を見せられると、心胆寒からしめる恐ろしさを感じずにいられませんでした。
教訓としては、気が乗らないものには靡かず断ること、そして何よりも色仕掛けに気を付けろということでしょうか。
ただうだつが上がらないジェームズに自己投影してしまった私としては、最悪の物語であり、ちょっとゲンナリしてしまいました。ミア・ゴスの演技は相変わらず狂気に満ちており、その点は評価すべきところだと思うものの、どうも気が重くて・・・まあそれだけ観る者の心の隙間に入り込んでくる力のある作品だと言えるのかも知れませんが。
あと、リゾート地を舞台にした作品の割に、その景色の美しさが活かされていないように感じました。昼間の屋外でも全体的に暗い感じがあったのは、映画館の問題だったのか、作品自体がそういう味付けだったのか、いずれにしても映像は今ひとつでした。また音楽や効果音の方も、初っ端から大袈裟すぎてメリハリが感じられませんでした。
そんな訳で、本作の評価は★2とします。
そして私は途方にくれた
240 確かマリネラ国も人を殺めたら例外なく死刑だった
何のためにこんな仕組みを作ったのか?
これで美味しいおもいをするのは誰なのか?
主人公はたまたま対象になったのか、それとも
はめられたのか?
ミアゴスはなんでいつも凄いのか?
あーわからん(笑)
しかーし確かに見知らぬ国に行けば多かれ少なかれ
自分の立場が危うい状況になる恐怖が
常に存在すると思う。
自分が子供のころはトンでも本に香港の店で
着替えをしたらどこかに拉致されて
女性なら売られる、と書いてあり怯えましたよ。
で、本作のような状況になれば私なら
相当病むでしょうね。
ただ金持ちは刺激を求めて何度でも罪を犯す。
自分を何度も殺すだけでなく
あーあそこにいる一見さんをはめようぜ。
二回も三回もドッキリしかけようぜ。
結構理にかなったストーリーだと思います。
70点
MOVIX京都 20240413
過激で面白くて、良かったです!
主人公がどんどん深みにハマっていくのがとても面白く、時々笑えるところもあり、楽しく観ました。ミア・ゴスがますます好きになりました。
クローンを作る技術があるのに、液体に浸かって型取りって楽しいですね!
お父さんと比べられることも多いでしょうが、監督の今後の作品に期待したいです。
罪悪感を負ける者には大金持ちにはなれない
富裕層が行き着いた恐怖の遊び
ブランドン・クローネンバーグの長編3作目は架空のリゾート地を舞台に売れない作家が倒錯した世界に巻き込まれていく、SFサスペンススリラー。
妻と共に孤島の高級リゾートにバカンスで訪れている作家のジェームズ(アレクサンダー・スカルスガルド)は偶然知り合ったファンだというガビ(ミア・ゴス)に誘われて、観光客には禁止されているリゾートの敷地外のビーチに誘われる。
その帰り道、車を運転していたジェームズは現地の人を轢き殺してしまう。
この国では殺人は即死刑という法律なのだが、観光客は大金を払えばクローンを作成し、クローンに死刑を身代わりしてもらえるという制度だった。
ジェームズは妻と一緒に自分のクローンの死刑を見学する・・
ガビは作家の売れないコンプレックスに付け込み、クローン処刑を経験する富裕層仲間に引き込み、ドラッグや愛欲の世界に溺れさせる。
荒唐無稽な悪趣味な設定で、クローン処刑の設定をまあSFだから、と容認しない人にとっては最悪の映画だ。
むしろ、ホラーはコメディと紙一重なので笑えるくらいの寛容さが必要かも。
低予算のB級感が満載で、クローンは不思議な機械で瞬時に生成され、科学的な根拠はない。(そこは主題ではないので受け流さないといけない)
クローン生成やドラッグの錯乱状態のシーンはVFXというよりも照明や映像表現で工夫しており、ヴィジュアルアートの表現で、前作「ポゼッサー」から採用し監督が気に入っている表現だという。
大金を持て余し、なんでも金で解決できると思う富裕層の堕落を風刺しているのだろう。
しかし、この作品の見どころは今やホラーアイコンともいえるミア・ゴスのタガが外れたキレキレの演技に他ならない。
ミア・ゴスが画面に映るだけで、ああ、もう滅茶苦茶にされるんだろうな、と思わせる存在感だ。
低予算とはいえ、クローン生成のこじつけなどをすっ飛ばすところなどは、作品の深みがなく、B級スリラー映画に感じてしまう要因。
リアリティを追求することでB級感を払拭すれば偉大な父に追いつける可能性はある。
才能はある監督である。
次回作も楽しみ。
倫理を超えるほどの格差
懐かしきエログロスリラー
子供の頃、ホラー映画というと、エログロが主流だった(特にスプラッタやスラッシャー)。
まさにその流れを汲んだ作品。現在のコンプライアンスなんて何のその。
旅行中に交通事故で人を殺してしまった主人公。死刑を宣告されるが、他国の観光客特権として、大金をはたいてクローンを作り、身代わりにする事も出来る。
クローンとは言え、記憶もあれば感情もあり、勿論痛みも感じる。そんな自分自身が殺される所を見なくてはいけないという、何とも胸糞悪い展開。いや、スリラーとして面白い。😁
そうか、監督はあのデビット・クローネンバーグ監督の息子さんか。そう思うと、引き継いでいるとも言えるけど、お父さんはその中に倒錯した深い愛情が見えて、切なさがあったけど、この映画にはそれはなかったなぁ。
#インフィニティプール
売れない作家のネタ探しが…
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