「Breakthrough」PATHAAN パターン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Breakthrough
今年何本目か覚えてないインド映画。「RRR」の影を追いつつも、これじゃナイものとなんとも出会って1年弱、久々にドーパミン爆発なインド映画にまた出会えました。
テロを止めるために最強の軍人が立ちはだかるといった感じのパワー強めなスパイアクション映画です。
インド映画としては少し短めの140分台というのも功を奏し、集中力を切らさずに鑑賞できました。
ミッション・イン・ポッシブル×インディ・ジョーンズ×007シリーズ×ファルウィン×その他諸々の劇薬映画なので、見た事あるシーンがインド映画のエッセンスでド派手になって登場してくれるので最高にブチ上がります。
大小関わらずスパイアクションという括りになると役者の肉弾戦がメインになるんですが、今作はそれに+αでVFX・CGてんこ盛りで陸海空駆け抜けていきます。
ヘリコプターから放たれる銃弾を避けながら突き進むカーチェイスは息もつかせませんし、列車での敵とのバトルはスリリングでいてコミカル、橋がよく見る光景のように爆散して列車が落下していく様子からの脱出はデッドレコニングとはまた違う見応えがありました。
ヘリコプターからロープ1本でビルに取り付く姿はスパイアクション観てるなーって気分になれましたし、両翼を身に纏って広げられる空中タイマンは「ファルコン&ウィンターソルジャー」を彷彿とさせつつも、インド映画らしさ全開のありえない挙動を繰り広げていて興奮しました。
しっかりと肉弾戦も差し込まれており、男性陣のパワー全開、グーでぶっ飛ばしまくるのも好きですし、フィールドや身の回りのものを駆使して戦う頭脳戦も少しあるので驚き桃の木。ルバイのアクションはしなやかで、蹴りのシーンが強そうかつしなやかで見応えありです。
個人的ハイライトは氷上での戦いです。銀玉を掴むためにバイクでギュギュンと駆け抜けるシーンはもちろん最高なんですが、ルバイがスケートスタイルでジムに真っ向勝負で挑むのが超良かったです。どこからともなくピューンとやってくるのでなお一層面白いです。
ストーリーも決しておざなりではないのもまた良くて、国や組織の裏切り、自国への忠誠心、新型の天然痘による命の危機と多く盛り込まれていますが、どれも無駄にせずしっかり描いているのは好印象でした。
天然痘を広めないためにボスがチームと共に自己犠牲を選ぶのは心がキュッとなりました。その名誉ある死を無駄にさせないためにパターンたちが更なる躍動を繰り広げてくれたので胸熱でした。
ラストバトルは1対1のガチ勝負、起爆装置も止めねばならない、足場はガタガタで今にも崩れ落ちそうと大変なフィールドでやり合ってくれますが、さすがヒーロー、残り2秒で起爆装置を止めてジムをぶっ倒すとしっかりやり切ってくれました。この緊迫感たまらなかったです。
エンドロールではたくさん人を呼んでのミュージカルをやってくれます。作中でのダンスは少なめだったので、ここで摂取できて良かったです。しかしなんでインドの人たちはこんなにキレが良いのか。
続編もしっかりやってくれそうな雰囲気で、更に派手に世界を巡ってくれそうなので今からとても楽しみです。インド映画は目に良い奴らばかりで助かります。
鑑賞日 9/6
鑑賞時間 9:15〜11:55
座席 I-3