「私自身はとても勇気がない」ヤジと民主主義 劇場拡大版 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
私自身はとても勇気がない
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やじと言えば、議会議場で、党派勢力をバックにした争いの一環という印象があるけれども、本作では、特に安倍元首相が街頭演説をしている最中に、賛同側ではなく反対側に立って、独りで叫ぶなんて、警察から排除されなくても恥ずかしくて私には到底勇気を出すことはできない。一人は、湯浅誠氏の著書を愛読するソーシャルワーカーで、それだけ信念が強いことがわかるし、デモ行進の組織化も、まさにソーシャルアクションの一環であろう。もう一人は当時大学生の女性で、現在でこそ労働組合職員となり、職務上、演説の機会も増えているであろうけれども、警官による説得の様子をみても、子ども扱いされ、親に通報されて説得されることも予想され、とても覚束なさそうである。ところが、青い芝の会の運動に共鳴した芯の強さももち合わせていた。
一審は全面勝訴ながら、二審は二人の首相への襲撃事件の影響もあって、一部勝訴という結果に終わった。三審はあまり期待できないかもしれないけれど、頑張ってほしい。
私自身はとても勇気がないからやじは飛ばさないだろうし、やったとしても、簡単に説得を受けて止めてしまうだろうし、自分の伝えたいことが伝わるような最善の方法を考える方が建設的だと思っている。
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