「博多のロック黎明期と家族映画」シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ロックと家族の絆 A・ガワゴラークさんの映画レビュー(感想・評価)
博多のロック黎明期と家族映画
福岡毎日放送制作。TBSdocsシリーズ。TV局制作でややアラがあるが、当時映像も多く、鮎川の優しい博多弁が耳に残る映画だ。
シーナ&ザ・ロケッツは、鮎川誠とその妻シーナを中心とするバンドで78年デビュー。シーナは女性ロックボーカルの草分けで、デビュー時2児の母だった。
二人の生い立ちから福岡・博多のクラブバンド、レコード喫茶「ぱわぁはうす」、輸入レコード店「ジュークレコード」などからロックシーンの成立が描かれる。
中盤、子どもたちを下北沢に呼び寄せてからは一気にファミリーフィルムになっていき、8mmビデオ撮影の旧下北沢駅や商店街も見られる。
子供の3姉妹は両親のことが大好きで、孫まで含めて画面に登場する。
後年、シーナは末期ガンであることがわかるが治療を固辞してステージで歌い続け、その後も家族で鮎川を支えた。
ナレーションの松重豊はインタビューでも登場。シーナ&ロケッツの活躍が「上京するきっかけだった」とニコニコ話してバンドへの愛が伝わって来る。
シーナの実家、若松(北九州市)の真っ赤な橋の下で思い出を語る鮎川が愛おしい。
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