パリタクシーのレビュー・感想・評価
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94歳で92歳を演じる役者に感服す
NHKで「地球タクシー」というドキュメンタリー番組があるくらいタクシーには人生の断片を切り取って見せ感動させる機能が備わっており、これを題材にした映画はほぼまず面白い。決めつけてはいけないけれどもドラマになるタクシードライバーは貧しく世を憂い、長距離乗る客にはまあ金はあるけれどもそれなりの事情を抱えていてましてや92歳でこれから老人ホームに向うマダムと46歳の崖っぷちダメ親父との道行は様々な物語を語り始めるに格好のシチュエーションである。最近では韓国映画の「タクシー運転手」や一番テイストが近いのは「グリーンブック」。最初そりの合わない二人が長旅の過程で少しずつ心を通わせ立場を超えて深く結ばれるのであるが今作では半日僅か30キロ程のドライブで老女の波乱に満ちた一生が総括される。あまりにもとってつけた日本昔話的ハッピーエンディングなのだがケン・ローチ「家族を想うとき」の悲惨な宅配ドライバー親父と比べれば100倍素晴らしくて明日からも頑張ろうかと思わせてくれるのだ。
タイトルなし
意外な展開じゃなくても泣けるってこと
人生の終わらせ方というものをたまに考えるようになった。年をとってきたということなんだろう。
家を引き払って施設に向かうおばあさんと、彼女を乗せることになったタクシー運転手の話。最初は会話もぎこちなかったのが、お互いのことを話しながら徐々に心の距離が縮まっていくという、ちょっとしたロードムービーの様式をとっている。予告編を見たときから、あんなトラブルあるんでしょとか、最後はこうなるんだろうなーとかイメージしていたが、そこから大きく外れることはなかった。意外だったのは、おばあさんの過去が思ったよりも壮絶だったことくらいか。
90分くらいだしあまり詰め込めないのもわかる。でも、おばあさんのお母さんのくだりとか、運転手の家族のくだりとか、運転手の抱えている問題とか、ふくらませる要素はたくさんあったはず。でも潔いくらいにコンパクトにまとめたんだな。
正直、後半は驚くような展開はない。こちらの想定通りと言ってもいい。でも、泣けてしまった。泣くか泣かないかは、意外性で決まるわけではないってことか。たぶん年をとってきたからこんな映画が心に刺さってしまうんだ。それなりに席が埋まった映画館は私よりも年上のお兄さんお姉さんで溢れていたが、後半鼻をすする音があちこちで聞こえた。そうですよね、刺さりますよねと共感した平日の午後だった。
素敵な物語でした。
パリの新しいロードムービー
素敵なおばあちゃまとジリ貧タクシードライバーが濃密な1日を共にするという、パリを舞台にしたロードムービー。パリの名所がたくさん出てきて楽しかった。シャンソン風の英語の挿入歌もよかった。それにしても、ラストは泣けました。思い出しただけでも泣けてきます。
パリタクシー笑
フランス版アベサダの話…
やっぱり、パリは良い!
老人ホームに入居予定の老婦人と、それを送りとどけるタクシードライバーの交流の一日を描いただけの映画なんですが、なんとも味わいのあるロードムービーです。入居施設に向かう途中で、ワガママを言い出し、人生を振り返る場所のそこここに立ち寄る老婦人のお茶目さ、品の良さとフラッシュバックする壮絶な過去(少しスラムドックミリオネア風な?) 。くたびれ中年ドライバーの、ありがちなやさぐれた態度からの変化。一日の最後にディナーを共にするシーンはとても素敵でした。作品のオチは少しありきたりでしたが、なんとも心温まるような。そして、タクシーが巡るパリの街並みが最高です!原題もUne belle courseですから「美しき道のり(ドライブ、人生)」と言うべきなのかな? あー、パリに行きたい!
悩みごとは玄関において
すごく良かった...
涙がボロボロ、とっっても浄化されました。
気になるけど、うーーん...
と延ばし延ばしでやっと観ましたが、本当に良かった。
振り返れば過去は一瞬なんだなとしみじみ。
もちろんいまを生きてるから大事なのは
いまが幸せかどうかなのですが
辛いなあ、しんどいなあ、とかいま思ってても
時間が経ち振り返れば、何十年生きてきたうちの
ほんの少し🤏だったりして。
写真をみて一瞬でそのときに浸ってみたり。
楽しかったことも辛かったことも
時間が経って思い出すと懐かしく感じるから好きです。
よく頑張ったなあ、って。
なんだかパリが舞台の作品って好きです。
華やかな街、パリ っていうより
憂い って感じの空気感のイメージなんですよね。
パリの美しい街並みに酔いしれる
観終わった後に爽やかなそして清々しい気持ちにさせられる映画
個人的なことは政治的なこと
と、何度も反芻。
二つの世紀を生きるということは、その間の政治的社会的文化的背景と併走してきたということ。もちろん若さゆえの軽卒とか思い違いや暴走もあって自分で受け止めてきた結果の人生ではある。けれども、戦前・戦中・戦後を生き抜いた、例えば進駐軍との間にできた子どもを一人で育てることになった日本の女性たちの語れなかった半生を想像してみたりも。
ともあれ、彼女は生き延びた。しかし、この映画の白眉はお涙頂戴の悲劇を描くことでも、長く続いたマッチョな男社会への怒りに燃料を注ぐことでもない。
エスプリの効いた会話・タクシードライバー目線のパリ観光・キレのあるストーリー展開、そして人と人がしっくりくるのは過ごした時間の長さではなくて共感しあえる体験やセンスを見出せた際に生じるケミストリーだと教えてくれた。(これから先、何度見知らぬ人との出会いがあるのかわからないけれど一期一会を大切にしよう!)
それにしても。流れるスタンダードジャズソング(パリだけど、ね)・焼け落ちたノートルダム聖堂・92歳のファッションアイコン・現代フランス社会の労働者の経済事情、、、反芻したくなる要素はたくさんあった!
やさしく人間が生きることの素晴らしさを感じられた
誰だろうと回顧したくなる
ジェノサイド
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