パリタクシーのレビュー・感想・評価
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心が温かくなる
女を大事にする男
原題は「Une belle course(美しい、道のり)」。
本編91分。
のんびりパリ旅行氣分のロードムービーと思いきや、回想シーンが意外に怖くて刺激的です。
怒りっぽいタクシードライバーのシャルル(ダニー・ブーン)と老婆のマドレーヌ(リーヌ・ルノー)が、お互いを氣に入ります。
シャルルは、交通ルールを守るタイプではありませんが、妻一筋です。その妻との馴れ初めの時のカメラと写真のエピソードは、マドレーヌの人生の中でもベストとも言える大事なもの(息子)と、直接ではありませんが重なる部分があります。
息子を愛し、守ったように、家族を愛するシャルルを守ります。マドレーヌの情熱や迫力も、シャルルの愛情も本物でした。エンディングロール中、感動に浸らせていただきました。
タクシー・ロードムービーというジャンルがあるのかは知らないけれどタ...
タクシー・ロードムービーというジャンルがあるのかは知らないけれどタクシーならではのパリの中を回る狭い範囲でのロードムービー。
最初はどちらも怪しいけれど92才のおばあさんマドレーヌがいろいろしゃべってくる。
お金に困っているドライバーは最初こそ、上の空で聞いていたけれど時間が経つにつれ二人が素敵な時間を過ごしていく。
ただ、中身は非常に重い。
見ていてつらい場面も正直あった。
50年代という背景がフランスでもえげつなかったのがわかった。
男尊女卑で離婚なんかできなかった時代やったんや。
ただ、タクシーの中での会話は穏やかで時折振り返るマドレーヌの過去がシャルルをいらだちから解き放ち優しい人にした。
信号無視で引っかかったシーンやトイレに駆け込んだシーン、ディナーのシーンとだんだん打ち解けていく様子が微笑ましかった。
ラストは予想できなく無かったけれどあまりの大金にはびっくり。
シャルル、おかげで兄貴を頼らなくって良かったね。
改めて思うのは女性や子供を殴る奴は最低や。今ならあいつこそ25年刑務所行きや。
相手を間違うとどうしようも無かった時代の話でした。
101万ユーロ...😳
「最強のふたり」ではなかった
知らない異国の道をドライブしてるような気になる素敵な映像。 これと...
パリの街並みは美しい
パリの街並みはやはり美しい。昔、仕事でちょっとだけ行ったことがあるが、生きててるうちにヨーロッパに行けるならパリだけはもう一度行きたくなった。
上映時、映画館では見逃していて、やっとアマプラで観れました。
ほっこりしたコメディ映画を想像していたが、マドレーヌの波瀾万丈の人生の出来事にふれるうちに、最初は迷惑顔だったシャルルがだんだんマドレーヌに寄り添っていったように、観ている自分もシャルルと同じ気持ちになって行った。
第二次世界大戦中、ナチスに父を殺され、援軍であるアメリカ兵との恋と別れと出産、DV男との生活と意を決しての逆襲の反撃、その罪を問われての不平等な投獄、出所後の息子の困惑と戦場カメラマンとしてのベトナム行き、そして息子の死亡。辛い過去がこれだけあってもマドレーヌは92歳まで生き、女性解放の活動家として人生を駆け抜けた。シャルルは年齢でいえば40代。まだマドレーヌの半分しか生きていない。金なし、休みなし、免停寸前。ちっちゃな悩みであると猛省したことでしょう。マドレーヌから奇跡のようなプレゼントがラストシーンにシャルル届いたが、それはそれとして自分の生活は自分できっちり稼ぎ、家族と穏やかな日々を過ごしてほしい。
人生は捨てたもんじゃない。パリの街並みは人々を癒してくれる。
人との触れ合いの良さ
人生はあっという間の一期一会
アマプラにて、何の情報もないまま何気なく気軽な気持ちで見始める。そういえば、自分で今までに住んだ街などをドライブしながらまわってみたいと思っていた。そう、ちょっとした思い出なんかを思い出しながら。
そんなことをふと考えながら、映画というよりは綺麗なパリの街並みを眺めていたら・・・いや、マドレーヌ、めっちゃ激動の人生やん。シャルル、どんどん人柄変わっていくやん。なに、この1日。座席の位置も変わっていたディナー後。そのときの2人の表情で涙。最後の手紙に号泣。あり得ない奇跡。
お婆さんを施設に送っていくだけの映画なんだけど、なんか凄いものを見させてもらった。
改めて、人生はあっという間なんだということに気づかされながら、大切にしたい一期一会。
理不尽な自信の境遇を受け入れながら生きている人々の心に沁みる
「鑑賞後に流れる涙の理由を理解するのに苦慮」
小見出しが率直な筆者の感想だ。直ぐにレビューを書けた人に嫉妬してしまいそうだ。筆者は書き始めるのに二週間要した。何故か止まらない鑑賞後の涙の理由。決して自分に起こることはないだろうと想いながらも幸せのお裾分けをいただいた気持ちになれたからだろう。本当に幸せな時って笑顔じゃなくて涙になるんだなぁ。
「浮世に生きる人々の境遇を運転手として表現」
映画のイントロにあるとおり「金なし、休みなし、仕事はギリギリ状態(免停目前)」という境遇のなかで日々を乗り切る主人公に自分の今の姿見を重ねるのは筆者だけではないだろう。不満の責任の矛先がなく、そんな心境をひた隠しにして平気な素振りを見せながら生きるタクシー運転手の姿は、はじめは受け入れがたいものがある。そんなタクシー運転手に舞い降りたのは終活に向かう壮絶な人生を生き抜いた老婆。終の住処に寄り道しながら向かう姿は、死期を悟りつつ目に浮かぶ走馬灯を表現するかのように神々しい。
「単に『壮絶』と表現するだけでは言葉足らずな老婆の人生」
ドン底にいる気持ちの運転手の心を解きほぐしていく老婆の身の上話。最愛の宝を守ろうとしたのにその宝物までも奪われてしまう。その後は、タクシーでは語らなかったが、同じ境遇の女性たちの権利を守るために力強く生き抜いた。下衆な表現をすれば、自分より不幸な人生を生き抜いた老婆に励まされた、という言い方もできるかもしれない。浮世に生きる誰もが本来持っている優しい気持ちが、荒波の中で崩壊寸前だった。それが老婆との交流を通して少しずつ解きほぐされていくのが、表情や行動で表現されているのが観ていて心地良かった。
「飽くまで最後のプレゼントはおまけ」
ほとんど一日メーターを動かし続けて生活に困っていた運転手。その報酬さえ要らないと思えるほど、老婆との交流から得たものは計り知れない。家族で生き抜いていく気持ちを取り戻したことが最大の報酬だったのだろう。この映画を鑑賞した後の気分が2024年に話題になった役所広司氏主演の「パーフェクト・デイズ」に通じるものを感じたのは筆者だけだろうか。
出会い
いいお話しでした!涙腺崩壊。
小品ながら癒される
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