パリタクシーのレビュー・感想・評価
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戻ったよ、5ユーロ分
シャルルの嘘くさいくらいな男氣にヤラれた。
誰にでも有る、どうしようもない困難に押し潰されそうで、誰かに助けを求めたい時が。
ちょっとした伏線が、ラストを彷彿させてた部分はあった。
しかし、容易にはソコに行き着かない。
送り届けた後のシャルルの表情が、なんとも辛くて突き刺さった。
どんなに辛かったろうか、言い出したかったろうか……。
なかなか御目にかかれないかっこよさだった。
もっと交友するシーンを重ねて欲しかった、そんな場面を観てたかった…。
作品そのものがシャルルの様に潔いということなのかも。良作!
最初は辛いが、感動した。
『パリタクシー』鑑賞。
*主演*
リーヌ·ルノー
ダニー·ブーン
*感想*
金無し、休み無し、免停寸前のタクシー運転手が偶然、92歳のマダム、マドレーヌを乗せ、寄り道をしてくれないかと依頼される。
マドレーヌの過去が辛く、回想シーンも挟まり、最初は辛かったな。。最初は無愛想なタクシーの運転手でしたが、マダムを乗せたことで、次第に心の変化が見られる所も良かった。そして、最後は思わず泣きそうになり、心が温かくなり、感動しました。
パリの風景がどれも素敵で、行きたくなりました。(^^)
良い作品なのに邦題が安っぽいなぁ…
幾つに見える?
素晴らしい人生讃歌
ユーモアは人に与えられた唯一の特技のようだ。
苦虫を噛み締めてもその虫は死なない。理不尽はこの世ではデカイ顔をしているし迎合すればするほどに自らを窮地に追い込む。しかしながら悪い事ばかりが続きはしない。冗談や減らず口で人生は変わるわけはない。そんな思い噛み締めて日々暮らしている人がいるならこんな映画でも見てみると良い。老齢な女性の放つシニカルでユーモアに溢れたひとこと。母親が死んだ夜にだってクスッと笑うことができるはず。哀しみにだってきっと終わりはあるのだよ。まだ生きる道はいくらでもある。そんな励ましを冗談混じりに話せる女性には想像を絶する苦難があるわけで、てもそれを口にすることなく生き抜いてきたわけで、もう終わると思った時にこのタクシードライバーに会えたことはほぼ奇跡に近いことだったのだろう。
この世での出会いはあいみたがい。
四六時中笑顔でいようなんてそんな無茶は言えないが苦しい時は面白く可笑しいジョークを考えることにしようと思った。
最後の晩餐
まあ、わかりはするけど、
顔を醜く見せるも見せないも表情ひとつ
⭐︎4.1 / 5.0
まるで人生相談タクシー
どんな思い出も、人生
人に使われず自由だが1日12時間、休日もほとんど取れず、経費も自分持ちで安いお金で働かざるを得ないタクシードライバー。人生に嫌気がさした八方塞がりのシャルルが乗せたのは、美しい青い瞳の上品で毅然とした92歳の老婦人だった。
ぶっきらぼうな彼に語りかける彼女が老人ホームへ移る旅は、これまでの過酷な人生を振り返る旅となる。生きにくかった日々を過ごしたいくつもの場所に立ち寄る。辛いけれど、かけがえのない大切な思い出。静かに語り続けるユーモアに満ちた人柄が、シャルルのやさぐれた気持ちをほぐしていく。彼女の短い旅は、シャルルが生き直すための旅でもあったのだ。
人を変えるのは、ほんの1日の出会いでいい。そんな切なくあたたかな気持ちになる映画。
人との出会いって大事
パリ、青き空の下の思い出
20数年前、私は数日間、パリを旅した。
貸切タクシーなんて優雅なものではなく、地下鉄と自分の足でどこまでも街を歩いた。スリに気をつけながら・・・。
歩道から見上げる街並みは、映画のセットのようにどこまでも風格があって、スカイラインが揃っていて、一直線に伸びていた。セーヌ川に架かる様々なフォルムの橋は絵になる美しさだった。
しかし、目を下に向けると、歩道にはゴミや犬の糞が・・・。凱旋門の上から眺めた放射状の街並みは、屋上にところ狭しと並べられた室外機とタンクと水蒸気だかなんだかわからない煙で一気に現実に引き戻された・・・。
美しき夢の世界と現実が同居している街なのだと思った。
朝、昼、夜。車窓から観るパリの街は、どこまでも美しい。夢の世界だ。
フランス映画なのに、バックに流れる曲は英語歌詞のアメリカ懐メロ。違和感を覚えたが、話が進むにつれてどんどん馴染んでいくから不思議。
豪邸から施設に移るというマダムとドライバーが最後どういう関係になり、どのような別れになるのか、なんとなく想像がついた。でも、そこに至る過程のマダムの物語は想像を超えたものだった。
マダムが語る壮絶な過去。厳しい現実の世界。愛と戦いの日々を乗り越えてきた彼女。しかしその佇まいはときに悲しみと憂いと静かな怒りを見せながらも、どこまでも穏やかで、ユーモアで、お茶目。ドライバーの苛立ちとささくれだった心がどんどん柔らかくなっていく。
寄り道だらけの1日は、死期を悟ったマダムが人生の節目を振り返る最後の旅だった。距離にして数10キロの旅だが、ドライバーが年間12万キロ走っても手に入れられないような1日になったに違いない。だから、愛する人と一緒に彼女に会いに行った・・・。多分、言いたかったのだろう。「ありがとう」と。
生きていく中でぶつかる厳しい現実。
それを美しい風景と音楽と、滋味ある演技で丸ごと包み込んで、暖かで静かな余韻を残す映画だった。
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