「ジャンルとして潜水艦ものは当たるというジンクスが信じられている。」沈黙の艦隊 t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)
ジャンルとして潜水艦ものは当たるというジンクスが信じられている。
武力の裏付けは国際政治の「交渉=対話」に不可欠。というテーマを35年ほど前(昭和の最期)に予言的に提示した、かわぐちかいじ氏のコミックの映画化。アニメ版もしばらく見ていたが、令和になった「現在の現実」が最も真摯に議論しなければならないテーマだろう。
ウクライナが強力な武力を持っていたら、ロシアに侵略されなかったろうと言われている。では台湾は?南シナ海は?東シナ海は?となる。ヤマトのように北朝鮮は『通常でない弾頭』をちらつかせる。
かわぐち氏は『ジパング』や『空母いぶき』とほぼ軍事、政治のポリティカルシミュレーションを展開し続けている。『沈黙の艦隊』をはじめ、これらにインスパアされた?荒巻義雄氏の『紺碧の艦隊』『旭日の艦隊』シリーズも、当時追いかけて全巻読破している。それほど平成の初期は、架空戦記シミュレーション小説のブーム期だった思い出もある。
あれからバブルが崩壊して、失われた30年を安全保障面では足踏みし続け、全世界から相対的に舐められてきた日本。本作は、その日本と日本人に警鐘を鳴らす映画となっている。
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