J005311のレビュー・感想・評価
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最小限の方法で最大限のことを表現している
100万円で目的地まで車で運んで欲しい。そんなヤバい頼み事をされると、誰だって怪しむはずだ。何かの冗談なんじゃないか?途中で何かされるのではないか?変質者なんじゃないか?100万なんてそもそも持ち合わせてないのではないか?目的地などないのではないか?
しかし、依頼者と渋々請け負う街角のチンピラのロードは、徹底してセリフを排除することによって、下車したいのにできない不思議なジレンマに観客を追い込んで行く。同時に、2人が同じように追い詰められ、絶望的な日々を送ってきたことを暗示させる。すると、不安なドライブは切ない"道行き"にも見えてくるのだ。
物語のスタート地点で感じさせる不自然さはある。走破するのには少し我慢も必要だ。でもそれは、作り手たちの描きたいことへの強い思いによってかき消されて行く。
何よりも、最小限の方法(2人だけの寡黙なロードムービー)によって最大限のこと(かすかな共感と希望)を表現したことが凄いと思う。本作がPFFで全員一致のグランプリに輝いたのは、描きたいことを我慢して最小限に抑えた作り手たちの忍耐力が評価されたからではないだろうか。
眠くなるけど。。
ハンディカメラひとつでの長回しの映画。
どんなふうに終わるのかと思っていたら、ラストで私はひらめくように感動が押し寄せてきた。
この映画は、人によって解釈は違うと思うし、感じ方も違うと思う。
映画講評サイトは何も見ずに書いてます。
インスタで映画レビューをしていますが、レビューを書く前に講評サイトは見ないようにしています。
じゃないと私が感じた素直な感想は書けない。
書き終わってから見る事はありますが。。
なぜ100万円を払って、あの場所に連れて行ってもらったのかは分からない。
送り届けて100万円を受け取った彼は、依頼主が取るであろう行為を阻止したくなったのかな。
見る側がどうとらえるか?
私は二人の駆け引きと、チンピラの彼の心の動きに感動すら覚えた。
凄い映画だと思った。
普通の商業映画としては見ない方が良いです。
映画館で見たのが良かったと思う。
自宅でサブスクでみたらとしたら、あのヒリヒリとした緊迫感は感じないだろうな。
実は少し疲れていたので途中眠くなっていた。
まさしく低予算映画で、状況説明も無く、カット割りも無い映像が続くので見ていてツライ。。
無言で展開の無いシーンが続く。
単純に面白いと感じる事は出来ない。
終盤まではホント辛かった。。
それがラストで劇的に感じ方が変わった。
それは今まで味わった事の無い不思議な感覚だった。
私が感じたこの感覚。
コレを書いた後に映画講評レビューサイトで皆の感想を見るのが楽しみ。
見ていてツラかったけど今まで無い感覚を味わえたのでレビュー最高点にしてみました。
見るタイミングによっては最低点もあり得る映画。
なんの予備知識無く見て欲しい。。
ネタバレにならないように書いてみました。。
ある程度の映画本数を見ている映画好きな方にはぜひ試してほしい映画です。
「これ、変な仕事じゃないだろうな?」
作品名は、かなりこじつけを感じた(白色矮星はそもそも死んでいる星なので、その死んだ星同士が奇跡的に衝突し、そのエネルギーで光り出したが、それも終息に向かう運命)が、ストーリー内容は凄まじい位リアリティに富む作品である
先ずは主人公の生気のない顔や動き、そして死神に取憑かれた様な姿勢が秀逸である 自殺をする人の演技の正解がここにはある 細かい演出もリアリティに拍車をかける
生きづらさを抱えたままの主人公の、その整理整頓された部屋内が映し出される度に上手く社会と折り合いを付けられない性格の真面目さと融通の利かなさをキチンと印象付けるオープニング 上司からクビを言われたのだろうその連絡に、かねてから準備していたのであろう計画を実行に移す しかしいざやってみると簡単には彼の地には辿り着けない そんな中でたまたま目撃したひったくりの男に後を追う事で、このロードムービーは出発する 方や自殺志願、方や犯罪者 そんな社会の不必要者が、互いに疑心案義、又は利用し合い、そして化かし合いながら、山梨側富士山の風穴迄、ドライブが続く それは緊迫感溢れる、胃がキリキリする描写のシーンの連続である 何とか残金を過拗ねて、トンずらしたいひったくり男 自暴自棄になる中で、直感で犯罪者に道中殺されても都合が良いと思っているから、多分26才でなけなしの貯金100万円を餌に、人生最後の依頼主になった志願者 思惑は、互いがカードを見せないようにゲームが進んでいく様子を丁寧に描いている 勿論手持ちカメラの手ぶれや、照明の不手際は、この際どうでもいい その自然感が益々リアルに加速する『自殺への一日』というドキュメンタリーを彷彿とさせるから 車内や道路を歩く撮影方向は、主に後方左右から 首筋から耳、そして横顔がドンドン死神に支配されていく印象が進む
全く以て優しくないひったくり男は、負のオーラを纏う志願者を突き離す返答を繰り返す その言葉の暴力はどんどん志願者を蝕む 山梨のICを降りたところで眠気に襲われる志願者から残金を盗もうとバッグに手を入れるとそこにはロープ 全てを悟ったひったくり男は途中休憩のスーパーで、男を降ろし、車で逃げる 逃げられたことを理解した志願者は近くの神社で富士山の絵が描かれている絵馬を眺めて、コイントスをする 何を占ったのか、しかも結果は見ずに捨てられたスーパーに戻ればひったくり男は戻っていた やはり残金が欲しいのだろう、その男の或る意味プロ根性に安堵した志願者は最後の食事をするためカフェに寄る 志願者は最後の晩餐に砂糖を掛けたトーストを窒食する その苦しさを練習するために・・・ そしてひったくり男にもうひったくりは止めて欲しいと懇願するが、男はつっけんどうに言い放つ「おめぇに言われたくないんだよ」 一連の受け答えの意味の取り違えは互いの男達は丸で気付かない ここで志願者は別れを告げ、残金を渡し、礼を言う「あなたを選んで本当によかった」 多分志願者は今迄の人生でこれ程他人と真剣に顔を突き合わせたことはないだろう 繕っていないから相手は嘘無く本音をづけづけ畳み掛ける その本音に志願者は嬉しかったのではないだろうか きちんと自分を追込んでくれて、そして決意の後押しをしてくれたと・・・
そして、未だ雪が残る樹海へのぬかるみに足を取られ、転びながら最後の死に場所を彷徨う路で、突然、ひったくり男が志願者に飛びかかり組んずほぐれつで歩みを止めさせる 一つも台詞がないだけ、そのシーンは緊迫感のクライマックスである 最後で志願者は、このひったくり男の本意を理解したのだろうか、それとも止めたくれたことに嬉しさが宿ったのか、それとも残念と観念の入り交じった苦い汁を飲み下したのだろうか・・・ トボトボと引き返す先には、この地に連れてきてくれたレンタカーとひったくり男 男達は黙って車に乗る 台詞など陳腐だこうして只、今日逢ったばかりの二人が未だ生きている・・・
非常に心打つ出来映えであり、細部のリアリティは感嘆するより他ない そして、タクシーではなく、電車バスを乗り継げば、誰とも関係を結ばず彼の地に行けることはスマホで直ぐに調べられる 経験してるから分ることだ
でも、犯罪現場を目撃する悪い意味でチャンスに囚われたこの志願者は当初の目的、上手く自死したい願望を、100万円のbetで、負けたのである これを幸運と呼ぶか悔恨と呼ぶか、観客の判断に委ねる造りである
死ねなかった男は、この先、もっともっと深い闇に苛まれる筈である・・・ 脚色が俄然光る、最大級のストーリーであった
冗長で退屈
神崎は道路の反対側で起きたひったくり現場を目撃した。神崎はひったくり犯を追いかけて、犯人に声をかけ、100万円の報酬を払うから自分をある場所へ連れて行って欲しいと頼んだ。山本は不信感を抱きながらもその依頼を受け、レンタカーを借り、2人のドライブがスタートし・・・てな話。
基本的には神崎と山本の2人しか登場人物がいなくて、撮影も1日で済みそうなチャチな作品。
朝の歯磨きシーンを長々と後ろから映したり、玄関で靴を履くのに靴紐を結んでる様なシーンを背中だけ長く映したり、これは何かの伏線かも、と観ていたが何も回収されずに終わった。
自殺しようと富士の麓に行ったのだろうということはわかったが、動機は携帯に掛かった上司らしき人からの叱責?
J005311は星の事らしいが、神崎と山本の出会いって事なのか?2人はこの後輝き出したって事なのか?
訳わからず退屈だった。
寝てしまった
舞台挨拶付き会鑑賞。
眠い時に見てはいけない映画だった…
無言の長回しシーンが多くて寝てしまった…
無言のシーンに映画の魅力が詰まってるのは
分かってるんですけどね…すみません…
コーヒー飲みながら見ればよかった……
役者養成所の同期が役者辞める前に撮りたい…と言って撮った作品だそうで。
自由に撮りたい様に撮ったってのは伝わりました。
これはパンクだ
何かに思い詰めた男が、街で見かけたチンピラに100万円の報酬と引き換えにある場所へ連れて行くよう持ちかける……
その日会った2人の奇妙なロードムービー。
音楽は一切なし。手持ちカメラでの寄りの長回しが延々と続く、ひたすらストイックな映像。
これはパンクだ。
タイトルどういう意味?
うーむ、期待した程ではなかったです。
シンプルだけど無駄も多い、それはワンカット長回しのせいだと思う、しかも手持ちはキツい、スタビ使ってほしいよ。
話は嫌いじゃないです、明らかに死出の旅に出た男と無理無理付き合わされた男のクラインの壺的再生。
もう一つくらいエピソード入れて、少し編集すると断然見やすくなるけど、物足りなくなったりするのかなぁ、、、どうなんだろ?
過去にあった“ドグマ”的意図はあるのか・・・
限られた予算内で創作しなければならないところは大いに理解できますが、もう少しだけ映像や音といったところに気を使った方がいいのでは、と思ってしまいました。
というのも、純粋に深いに感じてしまう映像と音響が結構長い尺で繋がれているために、非常にテンポが悪い作品に思わざるを得ませんでした。ただ思ったままのものを撮ったままに予定通りに繋げた結果だとしか認識することができませんでした。パソコンとか小さい画面で見たら印象は違ったのかもしれませんが、映画として上映されるという前提ならば、もっとこだわりを・・・
もっと良き作品をつくってくれることを期待しております。
ほぼ余白
26歳の思い詰めた男とひったくりチャラ男が車で旅をするロードムービー。
思い詰めた男が町で見かけたひったくり犯を追いかけて、100万円払うから車で2時間程のところに連れて行って欲しいと言い出して始まっていくストーリー。
タクシーに断られ直感で…って何台か当たればすぐ見つかると思うけど、ひったくり犯とはしっかりと交渉出来るんですね。
少々の会話はあるけれどほぼ会話もなく、一つ一つのシーンを長回しでたっぷりまったりみせていく。
時々もよおしたりするし目的はみえみえで、陰鬱な空気は伝わってくるけれど、主人公みたいなタイプとそもそものリズムが違うからか苛立ちの方が勝ってくる。
で、結局自称山本の無言接触1回でこのラストって…ただの拗らせボッチですか?
中味の割に長過ぎるし自分には冗長だった。
PFF2022納得のグランプリ
背中から始まる映画に弱いので、しょっぱなから引き込まれました。
ダルデンヌ兄弟監督を彷彿とさせるハンディ長回しがたまりません。
結局私は、見えていない部分を覗き込みたいのです。
誰?何?どこ?
最小限のヒントを読み取ろうと、ポンコツ頭がフル回転して、人物の心情に入り込んでいきます。
窓の外と同じ息苦しさから、ただならぬ空気を感じとります。
車道に出ただけで、まさか轢かれる気なのか?と心配してしまう程。
優しすぎるが故の生きづらさ。
ちょっとしたシーンから、これまでの彼の生き方が垣間見えて、胸が詰まりました。
常にギリギリ感が漂っていますが、とくに神社のシーンは祈るような気持ちで見届けました。
相容れない筈の二人が、かけがえのない存在になっていく。
車の横で所在なさげに立つヤマモトが、まるで捨てられた子供のように見えて…。
不意にヤマモトから、大切な人を失ったイメージが湧き上がってきました。
ネグレクトだったのか、不慮の事故だったのか。。。帰ってきてほしいと待ち続けて叶わなかった孤独な魂が見えました。
怒りと悲しみと、無力だった自分への苛立ちの中で生きてきて、二度と目の前の人を失いたくない思いが行動させたのか。
カンザキはヤマモトに救われて、ヤマモトもカンザキに救われた。
緊張感を維持した長回しは、役者には相当キツイ撮影だと思うのですが。
そもそも役者のお二人なので、むしろ望むところだったのでしょう。
その実力を見せつけられました。
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