劇場公開日 2024年8月9日

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「誰もが辿る物語」夏の終わりに願うこと La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

誰もが辿る物語

2024年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 病気療養の為に祖父の家で静養している父の誕生日パーティの為に、家族が久しぶりに集まり、娘のソルも久しぶりに父との対面を果たします。その1日をドキュメンタリー的に記録した物語です。

 父はかなり重篤な病で、それほど先も長くなさそうである事が暗示されます。ソル以外の大人たちは皆、その事を理解しているというコントラストが残酷に映ります。いや、ソル自身も薄々分かっているのかもしれません。大人たち一人一人にはそれぞれ生活の事情もあるのですが、なんとか明るくパーティーを盛り上げようとします。

 この歳になってこんな映画を観ると、視点は完全に父親側になります。「みんなの気持ちは嬉しいけど、もう静かに逝かせてくれ」って思うかなぁなどという思いが頭の中でグルグルしました。

 ソルのアップでフッと途切れるエンディングは、人の死の象徴なのかなぁなどと感じました。

La Strada