「理想の姿」アダマン号に乗って コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
理想の姿
ドキュメンタリーは監督の「作品」なので、編集の切り取り方やカメラワークの巧さが目立つなぁ、と薄汚れた感想が先に立ってしまいました。
精神疾患のある老人たちを受け入れるデイケア施設ってことで、職員が優しくかつ普通に接する姿を映す。
前世を語る妄想癖の人や、同じことを繰り返し言う人など様々なタイプを写しつつも・
施設での楽しみ方を、利用する老人たちと民主的に会議で決めていく。
絵を描いたり、コンサートを開いたりと文化活動を通じて、利用者から積極的・能動的に地域社会と関わっていく。
運営効率と点数制度に縛られている日本ではあり得ないような楽園の姿でありました。
理想としてはこうあって欲しいと願います。
指標、目標とする桃源郷の描写としてはありかと。
反面、フランスと異なり日本の現実の現場では、介護者を殴ったり、噛んだり、暴れたりする知的障害者や、認知症老人の例も聞き及んでいます。
流石に死に至らしめるほどの虐待はあってはならないとは思うものの、簡単に美化できない難しい問題を孕んでいると、改めて思いました。
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