パスト ライブス 再会のレビュー・感想・評価
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グレタリーは合ってない
この映画は「本来なら白人女優が演る位置の役をアジア人が演った」事が全てだと思う。
グレタリーは大好きな女優だけど、この演出下で求められている芝居は私から見たらだが全く出来ていなかった気がします。
どうしたってすれ違う人というのは誰しもいますが、何となくしっくりきませんでした。
縁の有無が人生の別れめなのか!?
12歳、24歳、36歳、と、それぞれの年齢時におけるノラとヘソンの恋愛ストーリーで、
私は最初から引き込まれて最後まで観ることができました。
冒頭のBARのシーンで、「あの3人ってどういう関係だろうね?」というBARの客と思しき人物のセリフから
導入になるのは、そうきたか〜と思いました。
そのセリフ、ごもっともという感じです。
12歳、実に初々しい二人が微笑ましく、ノラのご両親の都合によりカナダへ移住することになり
突然の別れがなんとも切ないです。
それが下校途中の家路の分かれ目と重ねて見せているところに、グッときました。
野心的な監督だなと思いましたね。
24歳、facebookで好きだった子を探すというのは、共感できるというか、実際に私もやったことがありますし、
facebookのおかげで小中高の友達とまた繋がることができた経験があるので、余計に気持ちがわかります。
ただ、Web上の会話だけでは長続きしないですし、お互い「こっちに会いにきてくんないかな〜」とだけ思っていて
そう発言もしているのだけれど、そう容易くはないわけです。
この時会っていたら、この後のストーリーは成り立たなかったでしょうね(笑)
でも、最初のWebでの会話は本当に楽しそうで、お互いキュンキュンしていたこと間違いないですね。
36歳、もうお互いいい大人です。ノラはアーサーと結婚しているのですが、どうも「グリーンカード」が決定的な
判断軸だったということもわかり、少なくともノラは本当の愛情での結婚ではなかったのでは!?と勘ぐりました。
36歳での再会は、ノラはアメリカナイズされていて積極的にハグしてきて、ヘソンはおっかなびっくりで戸惑うところが面白いです。
で、いろいろデートしてラスト近くのBARのシーン(これが冒頭とつながっています)、アーサーをガン無視しての二人の会話。
アーサーはアーサーでそれはそれで理解はしていたのでしょうね。
私自身、恋愛ではなくともこういう扱いを受けることが過去にあったので、アーサーの気持ちはよくわかります。
相当、自分の中で葛藤があったことでしょう。
そして、タクシー乗り場でのシーン。今度は積極的にハグするヘソン。ノラからはできないですよね。そりゃそうだろうと思います。
ラストシーンのノラの号泣は、今までの想いが溢れ出て止められなかったのでしょう。
そのノラを優しく抱きしめるアーサーが、今作No.1の良い人だと思いました。アーサー、すごい!えらい!!
ノラもヘソンのことが好きで好きでたまらなかったのですね。そして自分が24歳で判断したことも思い出していたのだろうと思います。
この二人は来世で縁があるか?
それは鑑賞客に委ねられたと思いました。
※愚痴です。本日、宮崎キネマ館で鑑賞しましたが、マナーが悪い観客が多かったのが至極残念でした。
上映中のスマホ。ただでさえ狭い館なので超目立ちます。
エンドロールに入った途端、おしゃべりを始める中高年と思しき女性客。
せっかく良い作品なのに、環境がよろしくありませんでした。
Past Livesってそういう意味だったのね
これは米国在住のアジア人ならみんな刺さるやつなのでは!
(アジア人じゃなくて他の地域からの移民でもそうかも)
脚本を書いたセリーヌ・ソン監督の実体験をもとにしたストーリーのようだけどとても普遍的な話に思えた。私は移民じゃないけど、何だかすごく感情移入してしまった。
幼なじみの2人の間の距離感や過ごし方がすごくリアル…
そして心の動きの繊細な描写がすごい。ノラとヘソンだけじゃなくて、アーサーの複雑な心情を深く描いていたのが印象的だった。時間の流れやリアルな会話や距離感はすごく「恋人たちの距離」に通じるものがあり、あのシリーズが大好きな私にはすごく好みだった。美しいニューヨークの風景と、洗練された音楽にもうっとり。
残酷な運命
生まれてきたのも偶然だし
初恋は、ちょっと苦い
12歳の頃に離れ離れになった初恋の相手と24年ぶりに再会し、NYで数日間を一緒に過ごす。
自立してNYで仕事し結婚もしているノラと、韓国でそれなりに人生を重ねつつもノラを捜し続けていたヘソン。
大人になって久しぶりに会っても、やっぱりお互いは特別な人であることが言葉にしなくても伝わってくる。でも、確実に以前の2人ではなく、変化している。それもまた伝わるので、理想と現実の差も実感してしまう様が、絶妙な主演2人の演技で感じ取れます。
初恋の相手と再会し、お互い大人になったけど好意は感じる…そんな状況ならドラマチックな過ちをおかしてしまいそう。
だけど、本作はそんなことは起こらない。リアルであり、共感ができる。切なくて、だけど清々しい。ビターだけど、ロマンチック。
大人の男女の気持ちの揺れ動く様が伝わり、ラストシーンには涙が溢れそうになりました。
NYの素敵なロケーションも相まって、心に響く味わい深い作品。細かなところまで物凄く練り込まれた造りで、あっさり淡々と進んでいくのに、最後まで見入ってしまいました。
センチメンタル
初恋の記憶は美しいままで……
寝言は母国語
アカデミー賞最有力!という予告やポスターの謳い文句の割に授賞ではほぼスルーされたっぽい本作だが、絞り込んだ登場人物に淡々とした展開、落ち着いたカメラワーク、ロングの構図で見せてくれるNYの景色など、観ていて疲れない好感のもてる作品だった。
初恋の人と大人になって再会するという少女漫画っぽい話ながら、いい歳して12歳の思いを引きずり続ける男ヘソンに対して、女のナヨンは演じるグレタ・リーの目力が表すとおり、窮屈な祖国を離れノラとなって自立し、とっくに先へ、別の場所へと行っちゃってるというのが、A24らしい今どき感だった。とはいえ、24年ぶりの再会でのぎこちなさやラストどーなっちゃうの?の長回しでのドキドキも楽しめた。
袖摺り合うも他生の縁をネタにしているので、日本語サブタイトルをそのまま「パストライブス/前世」としたらどうかと思ったが、かなりエル・カンターレっぽいな…。
味わい深い
最後が素晴らしい。
これぞ映画の時間
「One more time, One more chance」流れちゃうんじゃないかと思った
人生にはそう言えばあの時のあの人どうしてるんだろ…なんて思ってしまう人や時があるよなぁって気持ちをもっと煮詰めたら、切なさと、やるせなさが残ったような作品。
どことなく「秒速3センチメートル」を思い出すような切ないというか、情けないというか、秒速と違うのは実際再開出来ちゃう点かな。
でも会えちゃったぶんなんかよりどうにもならない現実突きつけられ感が強い気もする。
反面、ケジメ?はつきやすいのかな?
そういう意味では少しスッキリ感もある作品だだか気もする。
とりあえずラストあたりは山崎まさよしの「One more time, One more chance」流れちゃうんじゃないかと思ったね。
あまり興味ない作品かも…と思ってスルーの予定だったけど、見てみたらなんだかとても見やすいし、見終わった後の気持ち的にも見てよかったなって思えた作品。
2人の対比の構図や過去と現在の自分たちの比較など、そのあたりの表現はとてもわかりやすく、見易く作られてるのも印象的。
見終わった後の感情的にはどうしても秒速と比較してしまうのだけど、どちらももしかしたら男女で感想ってだいぶ違うかな??
どうなんだろ?
そういう意味ではいろんなレビューの読み甲斐がある作品だと思う。
また秒速違いとして、実際に再開する点と、初恋の夫とも対面するというところも大きな違いかなと…
そしてその夫であるアーサーの気持ちもなかなかやりきれないというか、そわそわするだろうよ。
それでもグッと飲み込んでくれているのが懐の深さかなと。
でも人によっては不安ならグッと堪えずはっきり言ったほうが良い!!とも思うかも?
異国の言葉で妻が話す寝言が気になったり、なんだか可愛らしさあるけど、
バーで知らない言葉で初恋の相手同士が話してるのどこまで聞き取れてたのかわからないかと、嫌だろうなぁ…
っていうかヘソンの話してる内容的に、アーサーが聞き取れてないの前提のようななかなかの話してないか??
ヘソンの「もし〜だったら〜」な話、考えてしまう気持ちはわかるけど、あの場でそんな話なんか良くないなぁって感じてしまった。
それ言葉にしてしまうんだなぁと…
なにをどうしたってもう動かない事もあって、それが人生だなぁ。
何にしてもどんな出会いも「イニョン(縁)」何だよなぁ。
前世で〜の件の話好きだなぁ。
映画を観る喜びに浸れる良作。脚本、役者たちの演技、会話の間が素晴らしい。映像、音楽もいい。
様々な映画賞を席巻するような傑作ではないかもしれない。
けれど、人生40年、50年と生き、誠実な恋愛を経験したことのある多くの人にとって、長く記憶に残る良作、名作だと思う。
シナリオ、役者の演技、映像、音楽…、全てがハイレベルで、かつバランスがいい。奇をてらったような演出は一切なく、隅々まで実に丁寧に作られている。
登場人物たちの行動、セリフは、時に大胆だったり、時にもどかしかったりするけれども、決して過剰にならず、また何かが欠けている印象もない。夫々の情熱を感じさせながら、抑制の効いた、大人の節度に満ちている。
ストーリー展開にも特別劇的なものはなく、観客の心を激しく揺さぶるセンセーショナルな場面があるわけでもないけれど、それだけに物語はとてもリアルで、説得力があり、ごく自然に感情移入を誘って観るものを裏切らず、ゆっくりと、一緒に、ラストシーンへと向かう。そして、深い余韻の残るエンドロールへ。
運命とは小さな選択と偶然の積み重ねであり、それは時に意志や情熱ではコントロールできないこと、そしてその不確かさがもたらす悲しみ、喜び、葛藤、後悔…、そうした諸々を受け入れる勇気と覚悟を持ってこそ、人生は良きものになると教えてくれる。
ああ…、いい映画を観たなぁ
ヘソンの純情とノラの上昇思考・・
*初恋は永遠の想い出、12才の淡い初恋に突然の別れが!24年後、やっとやっとニューヨークで出会えた!ノラは何度も強くヘソンをバグする!戸惑いながらもヘソンは喜びをかみしめる!なんと言う長い年月だったのだろう!でも二人の決定的な違いは、ヘソンには現在進行形の恋、ノラが幸せでなかったら、連れて逃げよう位思っていたかもしれない。でもノラは上昇思考が強く、最良のパートナーもいた。ノラの中ではすでに思い出に変わっていた。 *観光地を巡りながら、たくさん話して理解して、現実を見て、美しい景色がまるでソールライターの写真のように懐かしく美しく、二人が溶けていく。 *ヘソンはきっと初恋を想い出に変えて前を向いて歩いて行けるだろうと思う。幸せになってほしい!!
黄昏色のスクリーンが写す優しい時間
全編通してせつない思いでいっぱいだった。今は、意志を持って探せば遠く離れた相手でも、繋がる事が出来る。あらすじは複雑ではないが、24年の月日によって変わった事と、変わらないもの、それを複雑な感情を持って見つめ合う二人が、穏やかに映し出されている。カメラは終始二人から少し離れたところから二人を捉えている。そのアングルが絶妙に良くて、空気感を丁寧に映し出している。想いや感情は理解出来ても、歩んでいる道を、変えることは出来ない刹那さ。ラストシーン、道の反対側でその様子を目撃しているような気分になる、素晴らしいショットだった。こういう作品はなかなかない。
シビれるリアリティは自分物語
終始感じるじれったさは、監督自身の体験に基づくものだったんですね。そして、何とも言えないリアリティも、自身の体験があってこそだったんですね。
鑑賞後、いろいろな記事やイントロダクションなどを読んで納得、でした。
(気持ち的に)直球を投げたり受けたりできなかった二人が12年後にニューヨークで再会した時の「あぁ」とか「はぁ」とか、いきなりのハグ…の後は会話したいけど言葉が見つからない感じとか、「なんか上手いなぁ」と感心しながら見ていました。これも自分物語だからなんだと思いました。
それにしても、アーサーは「いい人」過ぎ…あんな心の広い人、いるかなぁ。
あと、個人的には、ヘソンを演じていた俳優さんが、数年前に見たロシア映画『LETO』で印象的なアジア系のバンドメンバーを演じた人だったという事実に驚愕でした。
全くの別人ぶり、こういう七変化ができる役者さんだったのだと、かなり後で知り、びっくりしました。
あくまで静かな、大人のラブストーリー
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