「けっこうよかった」パスト ライブス 再会 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
けっこうよかった
見る予定になかったけどあまりに評判がよくて見る。旦那さんのアーサーが本当にいい人で、同業で心が通じるものがあるのだろう。ベストの選択だ。もしヘソンと結婚したとしてもそれまでの環境が違いすぎて、感覚も違ってうまくいかないことだろう。お互い傷つけあってボロボロになって別れることになる。特にもしノラが韓国に行って嫁いだとしたら、さらに最悪だ。お互い大切に思い合って遠くにいるのがいい。
気になったのが、ヘソンが恋人との結婚について条件が整わないことを理由に取りやめようとしていることだ。条件なんか本当はただの理由で、相手のことを本当に好きならどうでもよくなるはずだ。何がなんでも手放したくないと思えないならどうしようもない。
ノラとヘソンが再会する時に着ていた服がすっごく気合が入っていない。こっちは人妻なんだから変な気を起こすなよみたいなことなのか。別れる時はスリットの入ったロングドレスみたいな魅力的な服だ。
最後のウーバーを待つ間、すっごく見つめっていてキスしろよと思ったがハグで終わった。しかしもしキスしようとして顔をそらされたら、その後のタクシーで顔を覆って悶絶するほど恥ずかしい。なのでハグでよかった。もしキスしようとして拒否られたらその後の人生ずっとそれを背負って生きなくてはならない。あの年でトラウマを背負うのはつらい。
ヘソンの恋人との結婚をためらう理由の件、私も引っかかりました。
比較すると、ノラは夢を叶えて社会的に成功している。ヘソンの考えだと、今のノラも同じように自分に釣り合ってはいない。しかしノラのことが相変わらず好き。そこがミソでしょうかね。いつもの価値観を忘れるほどのヘソンのノラへの好意度がわかる気がします。純粋な初恋パワーなのかなーと。